テキサス州の男性が古いスクールバスを改造して建てた夢の新居とは
テキサス州オースティンに住んでいたマイケル・タリーは、毎年上がる家賃の高騰にうんざりしていました。グラフィックデザイナーだった彼は、非常に独創的な感性の持ち主で、もはや、アパートに住み続けるのではなく、何かを改造して夢のマイホームを建てることができるのではないかと企んでいました。彼の創意工夫溢れるアイディアは、やがてが誰もがうらやむような素敵な家へと変化していったのです。大怪我を乗り越えての彼のサクセスストーリーをどうぞご確認ください!
生活費の高騰が強いた生き方
長年にわたり、テキサス州オースティンは、若者が住みたい憧れの街の一つとして成長してきました。その結果、この地域の賃貸価格は、急速に上昇し、多くの人が住むことに不安を抱えていきました。マイケル・タリーは、ノースオースティンの小さなアパートに住んでいましたが、ついに家賃が月額1,500ドル(約164,000円)に達した時、彼の我慢は限界を迎えました。
グラフィックデザイナーのマイケルは、非常に創造的な性格をしていました。そこで、彼は小さな家の建て方を調べ、自分で新しい家を建てる計画をし始めたのです。
どうやって理想を現実に?
マイケルは、ある時、家に改造されたバスを見て、とても強いインスピレーションを受けます。そして、自分も同じことが出来るのではないかと考えたのです。彼は「すでに壁と屋根が揃っていたこと」が決め手となり、スクールバスを改造することに決めたと言いました。
この時はまだ知る由もありませんでしたが、マイケルは決断は早かったのですが、完成までにはかなりの時間を要することになるのです。というのも、彼はどうせ建てるなら立派に機能する家を作りたかったのです。
マイケルは、経験がなかった
古いスクールバスを家に改造する計画を思いつく人は、おそらく過去にも何かしらの似たような経験があったのだろうと普通思うでしょう。しかし、マイケルは全くの未経験であり、家を建てたことも、何かを改造したことも一度もありませんでした。
確かに彼は長い間、車を改造して家に出来ないかと、いくつかのデザインをスケッチしていることはありましたが、これを自分の手で現実にするかどうかは、考えても見ませんでした。「今まで何も造った経験なんてないんだ。」と告白しますが、その事実が彼の決心を揺るがすことはありませんでした。
バスは運よく見つかった
オースティン区域では、PublicSurplus.comと呼ばれるオークションサイトで古いバスを販売していました。このサイトでは、警察やその他の政府から差し押さえられた商品も販売しています。マイケルは、そのサイトを見つけると、販売用にリストアップされた10台のスクールバスのどれもあまり入札者がいないことに驚きました。
彼は、たった2,200ドル(約23万円)での古いバスを手にすることに成功しました。余談ですが、奇妙なことに、他の9台のスクールバスは、全て同じ人が買い取っていました。
彼の計画は拡大していく
マイケルがスクールバスを手に入れた今、彼の計画は少し変わることになりました。従来の計画では、バスを基本的に枠組みとして使用するだけでしたが、彼はこのバスを小さな独立した家にしたいと強く思うようになったのです。睡眠、入浴、料理、食事などの生活領域を備えた完全なる快適な空間を想像することになったのです。
彼は、1997年の大ヒット映画ジュラシックパークで取り上げられたキャンピングカーに基づき、フロアプランを考えました。 いい案ではあったのですが、最終的にマイケルは全くの別方向に発想の転換をすることになるのです。
現実的な問題
写真からは分からないかもしれませんが、マイケルは、2m近い長身の男性です。しかし、バスの内部の高さは、わずか185cmだったため、これは彼の計画に大きな問題をもたらしました。
マイケルが自分の家で快適に過ごす為には、このバスの天井を押し上げる必要があると判断しました。当初、小さくて完璧な家を建てることを目的としていましたが、自身の身長に合わせる為には、やはりある程度大きくする必要があったのです。
最終プラン
映画ジュラシックパークのファンは、おそらくマイケルのこの計画に賛成するように投票するでしょうが、彼はそうしなかったのです。代わりに、家のリビングスペースとエンターテイメントスペースを正面に確保するレイアウトを選択しました。 そうすれば、友達もこの家に簡単に招くことができます。
驚くべきことに、マイケルのこの計画は、彼が月に1,500ドル払って住んでいたアパートのキッチンよりも大きいキッチンが手に入ることになります! 更には、大きなベッドといくつかの便利な収納スペースのための部屋も確保してありました。
目標を達成するための犠牲
古いスクールバスを夢の家に改造する間、マイケルは必要な犠牲を惜しみませんでした。 彼は、住んでいた月額$ 1,500ドルのアパートを捨て、宿泊施設を転々とすることを切り替えました。
「バスに乗りながらお金を節約するために、テント生活をすることにしました。毎日40分、鉄鋼や木材を増やす為に時間を費やす余裕があった。」とマイケルは言います。また彼の友人は、家の建設中、オースティン郊外の農場にバスを駐車することを許可してくれました。
座席の問題
バスを家に変更するまでにまず必要なのは、中の座席を全て取り外すことでした。簡単な作業のように聞こえるかもしれませんが、実際はかなり労力のいる作業でした。各ボルトを個別に取り外す必要があり、マイケルはこの作業にうんざりしていました。
席はどこに行ったかというと?「妊娠7ヶ月の妻と8歳の娘とがいる男性が、これらの席すべてを自身の庭に運び去った」とマイケルは話します。そう、座席もきちんと居場所を見つけたのです。
ミスといくつかの後悔
次に、バスの天井からパネルを降ろすことにしました。しかし、残念ながら、これはマイケルが唯一後悔している作業の一つでした。 「これらのパネルを取り外す作業を選択した事は、最悪だった」と彼は後に語っています。なぜなら、彼はこの作業に必要なインパクトドリルの使い方を知らなかった(そして聞いたことさえなかった)からだ。
「今思えばこの断熱材をそのままにしておけばよかったと思います。そのままの状態を維持する事で、非常に良い状態を保ち、寒暖差にも対応できる家になていったと思うのです。」
作業中には、楽しいことも
幸いにも、マイケルのこの野心的プロジェクトは、大変な作業ばかりではありませんでした。 途中、楽しい休憩時間もあり、彼はその様子をソーシャルメディアに投稿しました。 たとえば、この付箋は彼に笑顔をもたらしたのです。
「バスを掃除しているときに、このキックミー(蹴ってくれ)のサインを見つけた」と彼は記載しました。子供が残していったこれらの跡は、子供達からの大切なお土産です。バスが完全に改装された後も、これらの出来事は彼を温かい気持ちにさせてくれたのです。
天井や窓はどうする?
マイケルが次に取り除いたのは、ゴムの床と天井でした。 彼は、その頑丈な床を撤去するのは、全く楽しい作業なんかではなく、かなり骨を折る仕事だったと語っています。
窓を取り外すのは、それほど難しくありませんでした。 「窓の一部をどうにかして維持したかったけれど、がたがたと音を立て今にも壊れそうだったこと、プライバシーや断熱材がほとんどなく、屋根の隆起したデザインが奇妙に見えることから取り外すことに決めた」とマイケルは言いました。
マイルーム作り
前述したように、マイケルはバスの天井よりもかなり背が高いことが問題となっていました。「初めてバスに足を踏み入れた途端、身長が2m近くあることは、後に大きな問題になると思った」と彼は語りました。「これを解決するには、何か特別な作業を施さなければいけないことを覚悟していました。」
屋根と天井をより適切な高さに上げるために、2x4mの足場から作ることにしました。
足場の設置
概ねフレームワークが設置された後、マイケルは2x4mの足場が天井にどのように取り付けられたかを正確に示す為にSNSに投稿しました。「足場の準備はできており、ネジ式ジャックも所定の位置設置してあります。あとは、バスを半分に切るだけです!」
マイケルは、金属製のリブを取り付ける前に、屋根を上げられるようにバスを水平に半分に切るという大胆かつ奇妙な作業をしなければいけません。そして、彼は勢いよく横半分に切った!
天井が上がった!
屋根を上げるために、バスは半分に切断されました。 「特別な器具を使用して屋根を一方の端からもう一方の端まで切断しました。この作業によって、私のバスのほとんどが破壊されたと考えると、恐ろしくないですか?」」とマイケルは書き綴ります。
スクールバスを半分に切った後、マイケルと彼の友人の何人かはネジジャッキを使って屋根を上に持ち上げました。 マイケルは、もともと60cmだけ上げたいと思っていましたが、皆がそれではあまり変わらないのでは?と忠告しましたが、結局マイケルは約60cmだけ天井をあげることに落ち着きました。
体に深い傷を負ったマイケル
屋根を60cm近く持ち上げると、中はさらに広々と感じました。一部の天井を上にあげた今、その上がった部分と他の部分を繋げる必要がありました。彼は、大きな金属パネルでできたそのオープンエリアをどうにかして閉じようとしました。
しかし、彼はその過程でかなりひどい怪我を負ってしまったのです。SNSの更新で、彼は次のように書き記しています。「最初の面は問題なくできた。しかし、最も簡単な作業だと思われた部分で、痛く血まみれの思いをするとは予想もしていなかった。鋼板の1つを取り付けている際に、その一つがが落ちてきて、腕を切り裂き、深い傷跡が残りました。この作業を思い出す一生の傷を負ったよ。」
テキサスの暑さ
マイケルはバスを金属板で覆い終えたところで、予期しない問題が起こりました。そう、テキサスの暑さは容赦なかったのです。「バスの中は今、基本的にオーブンみたいになっており、風通しもよくありません。」と彼は投稿しました。
マイケルと友人は、新しく断熱材を購入し、バスのあらゆる場所に設置しました。そして、完成後、彼は友人たちと少し祝うことにしたのです。「バスは、やっと熱から遮断され、快適になりつつありました。かなり作業が進んだので、ここらで一回リラックスすることにしました。」どんなに好きな作業でも、適度に休憩は必要なようです!
バスに光が
断熱材で囲まれたバスは中が暗かった。 その建設現場に光と少しの個性を出すために、彼は照明を設けることにしました。 「クリスマスモチーフのライトが完成!鋼鉄の壁が剥き出しだったのが、いい感じに光を放つようになりました。」
改修の次のステップは、新しく窓用に穴を切り取り、この空間に自然光を取り入れることでした。ここで示す穴とは、最終的にバスルームとリビングルームの窓になります。
彼の休憩方法は
マイケルは、古いスクールバスを小さな家に変える為に、毎日一生懸命働きましたが、それでも作業はまだまだ残っていました。
彼はこの後、「屋根を上げる為に手伝ってくれた友人を定期的に誘い、バスの屋根に座ってワインを飲み、夕日を眺めることを習慣にしました。目の前に広がるテキサスの農地。そこには、可能性が満ち溢れているようでした。」
中のインテリアも形になってきた!
さあ、作業を再開しよう!壁と屋根が完成すると、マイケルはスクールバスの内部の改修に取り掛かりました。 キッチンは、彼が取り組んだ最初のエリアでした 。彼はIKEAでアイディアを探し、盗むことにしました!
「IKEAは、古いキッチンスタイルを廃止し、引き出しとキャビネットを付けることにこだわっていました。僕が室内のインテリアすべてにかけたお金は、総額30ドル(約3200円)だけです!しかし、自分好みにこだわることは、決して譲りませんでした。」
IKEA のアイディアは、リビングでも大活躍!
お金を節約し、物を再利用するために、マイケルは既存の家具を使用して、バスの快適なリビングエリアを作り出しました。 「私はアパートに置いていたIKEAのソファを取り出し、背持たれ、腕、足を外し、クッションとスプリングベースを利用して使うことにしました。」と彼は語ります。
彼はその後、ソファ用の新しいフレームと、その隣にある水道エリアを構築し、トイレを組み立て始めました。最後にアメリカの旗を誇らしげに飾りました。
これは、予想だにしていなかった
マイケルのような大規模な建設プロジェクトに着手する人は誰でも、予期せぬ障害にぶつかるはずです。 これはおそらく彼が念頭に置いていたものではありません! マイケルが天井に断熱材を塗布している間に、マイケルはaccidentの中のものを誤って手に入れました。
「面白いことに、断熱材をスプレーしている間、私はひげに束ができて、1時間かそこら後まで気づかなかったので、すべてを剃らなければならなかった」と彼は書いた。 この写真は、事件のかなり後に撮影されたものと思われます。
テキサスの気候の恩恵
同じテキサスの太陽のおかげで、壁に囲まれたバスが非常に暑くなったため、マイケルはグリッドを離れて生活できます。 彼は太陽の力を利用するためにスクールバスの屋根にソーラーパネルを設置しました。 しかし、それは簡単ではありませんでした。
「これはビルドの中で最もイライラする日でした」と彼は言いました。 「私はそれを自分でやっていて、とても風が強く、物が屋根から落ち続けていました。」彼はこの写真にキャプションを付けました。「机の壁とソーラーパネルとバッテリーを覗き見してください。」
壁の後ろ
マイケルは、ここに見られる配線を壁の後ろに隠しました。 「ほとんどの場合、完全にコードではありませんが、机の後ろの壁をのぞきます。屋根に300ワットのソーラーパネル、3000ワットの純正弦波インバーター、6つの6vバッテリーが直列に配線されています。」
「白は私のすべてのライト、換気扇、および水ポンプに電力を供給する12vです。黄色は他のすべてに電力を供給する標準の110vです。」
大きなオフィスが必要
マイケルの新しい家には、大規模で機能的なオフィスを持つことが必須でした。 「グラフィックデザイナーであるためには、適切なワークスペースが必要です。ほとんどの小さな家には、壁からひっくり返ったり、小さな床の間に隠れている小さな机があります」と彼は言いました。
「このデスクは幅5フィート、奥行き2フィートで、私がこれまで所有した中で最大のデスクです!」
機能的な部屋の中
小さいながらも、バスには完全に機能するバスルームがあり、木製の納屋のドアが復元されて見えなくなります。 彼はいつでもトイレを使うことができますが、マイケルは自分のビジネスを屋外に持ち出すことを好むと打ち明けました。
「しかし、私はその中にトイレを使用することができますが、めったに使いません。良い主が意図したように、私は外でおしっこします」と彼は言いました。 「シャワーやものに関しては、素晴らしい小さな屋外シャワーを作るか、ジムでシャワーを浴びます。」マイケルに知らせてくれてありがとう!
塗装の時がきた!
マイケルは自分の傑作を「通常の」スクールバスと間違えたくなかったので、ペイントすることにしました。 しかし、何色ですか? 完全に意味のある選択肢が1つありました。
「ここテキサス州の暑さには白が最適であり、道に色を加えるために私を開いたままにしておく」と彼は説明した。 「また、私の木材のインテリアにどんな色が合うのかも考えられませんでした。 私は南オースティンの誰かの日陰のある庭に駐車し、家賃とユーティリティで月100ドル未満を支払います。」
総額は?
それで、このプロジェクトは、労力と道のりの厳しい時間に加えて、マイケルにどれくらいの費用がかかりましたか? 彼が古いスクールバスを購入するのにたったの2,200ドルを費やしたことは知っていました、そして、それは彼の総費用がそれほど多くではなかったことがわかります。
マイケルは、スクールバスを夢の小さな家に変えるために約15,000ドルを費やしたと推定しています。 さらに良いのは、彼が家賃と公共料金を合わせて月100ドル未満しか支払わないという事実です。 このプロジェクトは、実際にその対価を支払いました。
心の痛み
マイケルがバスの改造中に遭遇したすべての事故とスナフについて読んだことがありますが、彼の話にはさらに多くのことがあります。 マイケルは改修プロセスに携わっている間、いくつかの深い心痛を経験しました。
彼の最愛の祖父と彼の犬は両方とも亡くなりました、そして、マイケルと彼のガールフレンドはバスプロジェクトの間に彼らの長期的な関係を終わらせることに決めました。 この野心的な若者にとっては、確かに試練の年でした。
マイケルが次に目指すのは
彼はすべて完璧な小さな家に落ち着いたので、マイケルは次に何をする予定ですか? もちろん旅行! そのため、彼はバンを改修して、国内を快適にツアーできるようにしています。
スクールバスの家と言えば、彼は言った「たいへんよく機能するコンポストトイレがあります。仕事中に使用することで、たまたまトイレができます。バスルームは、現在のバン変換プロジェクトの材料を保管するために主に使用されています。」
カップルがスクールバスを夢のマイホームに改造したその全貌とは
ドイツのベルリン出身のフェリックス・スタルクとセリマ・タイビは、平凡な生活を抜け出して、何か変わったことがしたいと思っていた。フェリックスは映像作家で、セリマはモグリという芸名で、ミュージシャンとして作曲活動をしていた。二人は、一ヶ所にとどまることなく世界を旅行し、お互いに切磋琢磨しながら暮らしていた。フェリックスとセリマは、いつか2人でアメリカ大陸を旅行し、素晴らしい自然の中で暮らすことを夢見ていた。
そんな彼らを夢想家だと思う人もいるだろうが、2人は決して夢見ているだけではなかったのだ。2人は夢を実現すべく、ある計画を立て始める。さて、2人の旅は、どのように変化していったのだろうか。「幸せの探検」の旅に出た、彼らの話をご紹介しよう。
いざ、一生に一度の冒険に向けて
フェリックスとセリマは、きちんと準備をして旅に出るにあたって、スクールバスを改造して家にするのが一番いいと考えた。そうすれば、旅の道中にも、宿を探す必要がなく、家ごと移動できるからだ。
中にはこうしたライフスタイルを極端すぎるアイディアだと考える人もいるだろうが、この冒険好きな2人にとっては、最高のアイデアだった。そこで2人は、ベルリンにいるときから、アメリカにあるスクールバスがないか探し始める。
バスにはかなりの修復作業が必要だった
幸運にも、2人が探している条件にぴったりのバスが見つかった。だが、そのバスに施さなければならないことは山積みだった。バスの状態は、お世辞にも良いとは言えず、住めるように改造する以前に、たくさん修復すべき箇所があったのだ。
2人は、これから始まる冒険に向けて、ソーシャルメディアのアカウントを作っていたが、そのソーシャルメディアには、当時このように投稿している。「昨日、バスの床張りをすべて引っぺがしました。すると、床に大きな穴が開いていたんです。バスの至るところも錆びついていますが、まぁ、ドイツにいながらフロリダにあるバスを買ったんだから、こんな問題やリスクがあるのも当然と言えば当然です。」
すべてを自分達の手で
そう、フェリックスとセリマは、修復作業も、バスの改造も、すべて自分達でやる心づもりだった!アメリカに到着してすぐの2人のやるべきことは、旅に出られるようにバスの装備を整えることだった。セリマがバスの至るところに貼ってある古いシールをはがす作業をする一方で、フェリックスは床の板張りを張り替える作業をした。
元々スクールバスは、キャンピングカーのように人が住めるように設計されていない。そのため、手を加えなければならないところはたくさんあった。2人は雪の中も旅する予定でいたため、断熱材も入れることにした。「今日は、床の下張りと断熱材を入れる作業をしました!」と、作業の様子もソーシャルメディアに投稿している。
錆を取り除くことを優先
2人は9,500米ドルでスクールバスを購入した。二人は、このバスをオンラインで見つけ、アメリカ行きの航空券を予約するより先に購入したのだ。実際に確認すると、あちこちが錆びついており、床に穴が開いていることにガッカリしつつも、気持ちを前向きに保ち、真正面からこの修復・改造プロジェクトに立ち向かわなければならないことを理解していた。
フェリックスは、こうも投稿している。「昨日、もっと錆びついている箇所を見つけました。穴に金属板を張りつけて直さなければなりませんが、その前に、まずは錆をこそぎとらなければなりません。」
先輩を見つける
結局のところ、2人は非常に楽観的だったが、どちらも大工仕事の経験もなければ、錆取りや床の修復などに必要な技術を持っていなかった。しかし、幸運にも、フロリダ州から近いノースカロライナ州に住むカップルと繋がり、彼らに助言をもらうことが出来た。
実は、そのカップルは、自分達でスクールバスを改造した経験を持っており、その経験から得られた貴重な知識をフェリックスとセリマに教えてくれたのだ。早速そのカプルから仕入れた情報をもとに、必要なツールを手にすると、まるで自然に体が動くかのようだった。フェリックスは「モグリがベッドを作りました…おそらく、やり方を知らなかっただけで、大したことではなかったのでしょう!」と、少し自慢げだ。
ルディを入れて3人!?
確かにスクールバスの修復や改造作業は手伝っていないかもしれないが、バーニーズ・マウンテン・ドッグのルディも、この2人と一緒に最高の冒険に出かける準備はできていた。大型犬のルディは場所を取るため、購入したのが小さい車ではなく、大きなスクールバスで良かった!
フェリックスとセリマは、ルディを旅に連れて行き、雪がどんなものなのかを見せてやれることにワクワクしていた。2人はソーシャルメディアのフォロワーに、ルディは、2人のインスピレーションの源であり、これからの旅をよりワクワクさせてくれる存在だと伝えている。
キッチンから取りかかる
ベッドフレームが出来上がると、2人はキッチンに取りかかった。スクールバスの形は独特、つまり幅は狭くて、縦に長いことから、少しでも有効にスペースを活用できるよう、慎重に計画を練らなければならなかった。
バスのような狭い空間においては、すべてを機能的に設計し、空間を最大限に有効活用できるようにすることが重要だ。しかし、キャビネットを備え付けると、この改造プロジェクトの進捗も満足のいくものに思えてきた。
トイレが広く感じられるように
キッチンが仕上がってくるにつれ、トイレもできてきた。フェリックスは、セリマがトイレ設置予定の場所に座っている写真を投稿し、その説明に「小っちゃいトイレの壁を塗装しています」と書いた。その時、平均的な家庭にあるトイレよりも、ずっと小さくなってしまったことに気づいた2人は、何とか工夫しようと試みた。
セリマは、トイレの空間をより広く見せるため白く塗り、さらに家のような雰囲気を出すために手作りのタイルを付けた。この一連の作業の中でも、2人は物事をポジティブにとらえ、互いを励まし、やる気を維持した。
ペンキ塗りたて
バスの中が出来上がってくると、お次は外見のお色直しだ。冒険好きな2人はスクールバスが最高の家になると信じているものの、その見た目から、子どもらを学校に乗せていくバスと間違えられたくはなかった。
フェリックスとセリマは、スクールバスの外観を白くすることに決めた。がしかし…「グレー!白く塗ったはずがグレーになりました!」とフォロワーに伝えている。しかし、グレーになってしまったことについて、特に心配していない2人はとりあえず白くペンキを塗り続けた。「黒かった部分はクリーム色にしよう」と、フェリックスは決めたようだ。
オフィス兼キッチン
段々と内装は完成に近づき、バスはかつての黄色いスクールバスのようではなくなってきた。もう、これは家だ。バスの間取りを設計するときに、フェリックスとセリマは、両側の壁に沿って、カウンターを長くとることに決めていた。
片側がキッチンで、調理をするカウンタースペースが十分にある。反対側は、2人がそれぞれ仕事できるような作業スペースだ。こうすることで、フェリックスは映像を編集でき、セリマは音楽活動に取り組むことができるばかりか、旅の内容をソーシャルメディアにアップデートすることもできる。
寝室は後方に
間取りを決めているときに、もう一つ重要となったエリアは、もちろん寝室だ。2人は寝室をバス後方の、静かで、他のすべてのことから離れられるプライベートな空間に置いた。
そして、セリマが作ったこのベッドを見てみよう!美しいデザインに、綺麗な仕上がり!フェリックスにもセリマにも、これまでに家具を作った経験がまったくないなどとは信じられないほどの出来栄えだ。
物置と電源
たくさんの照明や電気器具を搭載していることから、どのようにして2人が電力を得ているのかと不思議に思っている人もいるかもしれない。フェリックスはフォロワーにバスの後部を少し公開している。そこは電源室となっており、電力を得るために送電系統にプラグを差し込めるようになっている。
しかしながら、2人は可能な限り、バスの屋根に取り付けた太陽光発電パネルから電力を得ている。こうすることで、旅の道中でのコストを下げているのだ。というのも、どうしたってバスは燃費が悪いのだから!
ルディの居場所も
フェリックスとセリマは、自分達用に快適なベッドをバスの後方に設置したが、バーニーズ・マウンテン・ドッグのルディはどうだろうか。もちろん、ルディにも用意されている。実際、バスの前方に、この大型犬用のベッドを置くスペースがあるのだ。
こうすることで、車が出発しても、ルディはちょうどいい場所にいることになる。ルディには、犬用のボウルを置くためにちょうどいい高さにしたテーブルまである。犬にとっても夢のような家だ。
賢く収納
バスを生活空間へと改造するにあたって、2人はどうやって自分達の持ち物を収納することができるかについて、慎重に検討した。2人にとって、服やその他道具を収納するスペースを十分に確保することは大切なことだった。
そこでソファを深めに作り、その中に十分な収納スペースを取れるようにし、たとえばセリマの楽器などはバスの奥にしまった。こうすることで、バスの中をきちんと片付けることができたのだ。
お次はインテリアデザイン
すべて必要なものを備えたバスが出来上がると(こんなに素敵なバスになるなんて!)、次に2人はバスではなく、もっと家らしく感じられるように、内装の細かな部分を施していった。2人はどちらもアーティストで芸術的であるため、創造性の向くままにデザインした。
2人は「LIVE SIMPLY(シンプルに生きる)」と書かれた壁掛けを飾ることにした。が、この2人の旅がすべてシンプルだったかといえば、実際のところそうではないかもしれない。そこには、自分達の望むライフスタイルを実現するために、懸命に努力してきたという背景があるからだ。
出発の準備は完了!
スクールバスを購入し、快適な家に改造した後、若い2人はアメリカ全土を見るために出発する準備ができていた。
「12週間も毎日バスを修理・改造するために費やした今、この美しい車を南アメリカまで運転していく準備ができました。」とソーシャルメディアにも投稿している。アラスカからアルゼンチンまで、見たいものすべてを見る気でいたものの、2人は慎重に計画を絞った。「そこまで遠くへ行けるかな…分からない、多分行けないかもしれない。でも、僕たちは旅を楽しめるかって?それは、間違いない!」
探検: 幸せは「GO」
大喜びで出発した2人は、この旅を「幸せの探検」と名付けた。スクールバスを改造する段階から、ソーシャルメディアでは、たくさんのフォロワーがついていた2人だが、生涯に一度の旅に繰り出した2人には、さらに多くのフォロワーがついていた。
2人は、初めにカナダに向かうことに決めた。フェリックスとセリマは、自然の中の雄大な山々を見ることに狙いを定めていたのだ。犬のルディは、目的地に着いたときに何を目にすることになるのかなんて、もちろん、まったく知る由もなかった。
最初の訪問地: カナダのバンフ国立公園
2人と1匹は旅に繰り出し、最初の訪問地、バンフ国立公園に無事到着した。この国立公園は北アメリカでも雄大な自然に触れられることで知られている。そして2人は、それを直に体験したいと考えていたのだ。
到着すると、フェリックスはこう投稿している。「バンフ国立公園、最高!モグリは日差しをいっぱい浴びて日光浴を楽しんでいるし、僕とルディは散歩を楽しんでいます。」移動しながらの車中生活も、うまくいっているようだ。
ルディは夢のような犬の生活を送る
写真をご覧ください!目的地に到着して、初めて雪を見たときのルディの反応といったら、それはもう何事にも代えられないほどだった。視界に雄大な自然が広がる中、ルディは思い切り自由に走り回り、犬にとっては夢のような体験をしたのだ。
北アメリカの素晴らしい場所を、大好きな2人のそばで一緒に見て回れるなんて、ルディにとってはどれほど幸運なことだろう!バーニーズ・マウンテン・ドッグは、カナダでは水を得た魚のようだった。
アラスカのデナリ国立公園
カナダのバンフ国立公園で思いっきり楽しんだ後、フェリックスとセリマは、もっと北のアラスカに向かうことにした。このころには、素晴らしいドライブでの旅は順調そのもので、すべてがうまくいっているようだった。すべてが計画通りに進み、2人はバスを一歩でると自然に囲まれているといった体験ができた。
デナリ国立公園に到着する頃には、バスの中では手作りのチョコレートクロワッサンが焼きあがっていた。その焼き立てのクロワッサンを片手に、北アメリカで最も高い山を見るなんて、本当に、人生はなんて素晴らしいんだろう!
カリフォルニアのデスヴァレー
若い2人は、何も雪だけを見るためだけに旅をしているわけではなかった。アラスカに行った後には、南へ舵を取り、太平洋北西部の森や、カリフォルニアのビーチを通った。そこから内陸部に向かい、デスヴァレーに到着した。2人はアラスカの雪山との違いに圧倒されて感銘を受けていたものの、ルディは暑さにうまく対応できないようだった。
幸い、そんなルディも時間が経つと、徐々に体調を取り戻していった。「(これまでのところ)デスヴァレーは、最も感動的な場所の1つです。ルディもだいぶ暑さに慣れ始めてきたようです。」と綴っている。
モグリ、メキシコで作曲
デスヴァレーを出てからも、2人は南へと向かった。そしてメキシコの温かい気候と海に到着した。旅の道中ずっと、モグリことセリマは作曲をしていた。その後モグリは作曲した曲をフェリックスの動画と合わせ、共同作品としてのドキュメンタリーを作った。
フェリックスは「旅の道中で、モグリは素晴らしい曲を作っていました。」と明かしている。この映像を見ると、バスで移動しながらの「幸せの探検」が羨ましくなるほどだ。
急展開を迎える
フェリックスとセリマがバンフ、デナリ、カリフォルニアの海岸やデスヴァレーなど、ロードトリップを満喫している一方、旅を十分に楽しめていない者もいた。それは、ルディだ。
バーニーズ・マウンテン・ドッグは、あまりの暑さにやられていたのだ。そればかりか、道中で足の手術もしなければならなかった。フェリックスは「ルディの状態は深刻です(今は入院しています)。僕らにとっては、ルディの健康と幸せが一番大切なことだから、非常に残念だけれど、僕らは旅を中断しないといけないようです。」と投稿している。
バスを売りに出す
フォロワーにとっては、衝撃的なことだったが、フェリックスとセリマは自分達の直感を信じ、メキシコで自分達の「幸せの探検」を終えることが最良の選択だと考えた。南アメリカへも足をのばしたかった気持ちは山々だったが、それは最愛の犬を犠牲にしなければならず、2人にはとてもそんなことはできなかった。そこで、夢のマイホームだったバスを売りに出した。
バスにかけた労力や時間は、まったくの無駄ではなかった。望み通り北アメリカを体験し、何とも嬉しいことに、二人のバスを購入した人も、そのバスを使ってメキシコに向かおうとしていたのだ!「結局のところ、僕らが乗っていなくても、僕らのバスは目指していた場所に着くことになりそうです。」と綴っている。
得た教訓
この素晴らしいカップルは、旅を通じて多くの見識や知恵を得た。この旅から得られた経験を心に刻み、行けなかった場所については諦めることとした。バスを改造し、素晴らしい家に仕上げただけでなく、そのバスを運転して3ヶ国を旅し、さらにはその体験をフォロワーらともシェアできたのだ。
旅を通じて撮影した写真や動画を使ってフェリックスがドキュメンタリーを作成する一方で、セリマは作曲した音楽を演奏して録音し、それをサウンドトラックにした。次なる探検は、「幸せは永遠に生き続ける」だ。
旅を反映させる
ベルリンからのカップルが、このロードトリップで学んだことは、"人は必要だと思い込んでいるよりも、ずっと少ないものだけで幸せに生活していける”ということだった。普通の家でも幸せに暮らせはするが、この2人は自分達で家を作った。そして、その出来映えは素晴らしかった。
この旅の様子はフェイスブックやインスタグラム、YouTube、さらには自分達のドキュメンタリーを通じてシェアされた。2人は自分達だけのユニークなロードトリップを始める前、そして、完了した後も、多くのことを達成したのだった。
賢く、美しいデザイン
2人の成し遂げた偉業をもう一度振り返っても、本当に素晴らしい事ばかりだ。これまでにバスを改造した経験や、家具を作った経験がまったくないにもかかわらず、フェリックスとセリマは、世界中の人々が感心するほどの生活空間を作り上げたのだ。
機能的でありながらも、暮らすにあたって内装が美しく仕上がるように、設計は、すべてにおいて賢い選択をした。その上、細部にわたって、大陸中を旅できるよう設計することも忘れなかった。こんなにもうまく仕上がることを、果たして2人は想像していたのだろうか。
待ち構える新たな冒険
フェリックスとセリマは、バスの改造に大成功し、ベルリンとは違う大陸で3ヶ国を旅した。2人は「幸せの探検」ドキュメンタリーを作成し、バスを売却した。次は何だろう。
もちろん、次なる冒険だ!最初のプロジェクトを終え、自信をつけた2人は、新しくワクワクできることを見つけた。フェリックスは世界を自転車で回る、自転車の旅に出ることにしたのだ。もちろん、セリマはサウンドトラックを作成し、その撮影された動画はドイツで何年もの間、何度も視聴される人気の動画となった。
旅で得られたすべての美しさ
スクールバスの旅を思い返しても、ちっとも後悔するところなどない。フェリックスとセリマは、北アメリカ中のどこに行こうとも、泊まる宿を探すことなく旅をしたいと考えていた。そしてそのための良い方法を思いつき、実行に移したのだから。
バンフやデナリ国立公園の森の中にバスを停め、そこで寝たことは、決して忘れられない思い出だ。自分達の手で作り上げたシンプルな生活も忘れられないし、得られた体験すべてを通して愛を深めたことも忘れることはないだろう。
達成した目標
この映像作家とミュージシャンの経験から得られる教訓は、"手が届かないものなど何もなく、大き過ぎる夢”というのもないということだ。2人の計画が突飛すぎて、実現は難しいのではないかと考えた人もいただろうが、2人は諦めなかった。そして結果、2人は自分達でスクールバスをマイホームに作り替えることができたのだった。
今や旅は終わり、素晴らしい思い出だけが残った。「375日前、僕らはスクールバスを購入し、望み通りに改造しました…。これは確実に、生涯忘れられない旅になりました。」と2人は綴っている。