何も知らずに自撮り画像を送った女性、友人らは「あるもの」に気づいてゾッとする
オリビア・ナンは夜、街にくり出して踊り明かした後、翌朝になって特に何も考えず、自撮りして友人らに送信した。少し疲れが残っていたものの、オリビアは自撮り画像に写っていたのが実は自分1人ではなかったことに気がつかなかった。
つまり、友人らが驚いて電話をかけてくるまで、オリビアは何も知らなかったのだ。友人らは口々に、今すぐにでも着ていたトレーナーを脱いで燃やすように言った。さて、写真の影にひそんでいたのは何だったのだろうか。
オリビア・ナン、大きな街に憧れる田舎の少女
イギリスのとある田舎町に住むオリビア・ナンは、自分の名前を知らない人がいないほど有名になりたいと願っていた。もちろん、そんな有名人になるのはたやすいことではない。
有名人になるには、何年もの地道な努力が欠かせない。もちろん、オリビアもそのことは重々承知で、有名人の最新情報などに常にアンテナを張っていた。そして、ソーシャルメディアのインフルエンサーの時代が到来した今、オリビアの夢もその方向へと向かうこととなる。
オリビア、ネットで有名になることを決める
オリビアはイギリスの小さな町、ミドルズブラで育った。自分が世界中の人に名前を知ってもらうことができるなど、夢にも思っていなかった。結局のところ、田舎町出身の10代の女の子にとって、有名人になるなどという夢は、現実的でもなければ到底叶うこともなさそうなことだったのだ。
オリビアは、SNS時代の今、どうにかしてインターネット上で有名になりたいと考えていた。そしてこの年ごろの子なら誰もがやるように、自分の毎日について写真を撮り、ソーシャルメディアに投稿し続けたのだった。
次のステップ: チュートリアルで学ぶ
10代が終わり、いよいよ20代を迎えるにあたって、オリビアはソーシャルメディアでもっと存在感を示したいと思った。どのソーシャルメディアでもフォロワーはわずかしかいなかったため、次のステップとして、オリビアはどうやったらインフルエンサーになれるのかを学ぶことにした。
メイクやモデル、ヘアスタイルなどのチュートリアルを見て研究し、オリビアは着々と本格的にネット上で存在感を示し始めていた。だが、オリビアが夢見ているほどの知名度にはまだまだ遠かった。
「自撮りの女王」
特にインスタグラムやツイッターなどのソーシャルメディアに、オリビアは自撮り画像を次々と載せていく。照明や服装、髪型、メイクにまでこだわって映える写真を撮り、オリビアはモデルのようになりきっていた。
カメラで何枚も何枚も自撮りをし、フィルターを使って、すぐにソーシャルメディアに投稿できるようにしているオリビアのことを、友人らは「自撮りの女王」と呼び始めた。オリビアは正に本領を発揮し始めていた。
まもなく有名に
オリビアは知る由もなかったが、有名人になりたいという夢はまもなく叶おうとしていた。そして皮肉なことに、有名になったのはオリビアがソーシャルメディアに投稿した綺麗にネイルをほどこした手や、念入りに計算して撮った自撮り画像でもなかった。
そう、有名になったきっかけは、友人らと徹夜で遊んで二日酔いして撮った自撮り画像だった。それがネット上で話題になることなど予想していなかった上、その自撮り画像に写っていたのはオリビアだけではなかったのだ。友人らは自撮り画像を見て驚き、心配した。
女子会がきっかけ
その日は金曜日だったので、オリビアは早く仕事を切り上げ、オシャレして友人らと街に繰り出した。つまり、ヘアスタイルも、メイクも、服装もすべて、映えるように計算されたものだった。いつ写真を撮ることになっても困らないように。
オリビアはすべてを完璧にし、友人らと街へ出かけた。その日のことは忘れることのできないものとなったが、皮肉にも、夢がかなうきっかけとなったのは、その夜ではなく、翌朝のことだった。
クラブで注目を浴びる準備は万端!
オリビアはその晩、周りの人々の注目を集めるよう念入りに準備をし、友人のグレース・グラハムも、インフルエンサーを目指すオリビアが選んだ服を褒めた。さぁ、今夜も楽しもう!
その晩、オリビアは注目を集めていたものの、翌朝にもっと注目を集めて有名になることなど、予想もしていなかった。2人はその晩、クラブで一晩中踊り明かした。
クラブで踊り明かそうと出かける
目いっぱいのオシャレして友人らと楽しむため、タクシーに飛び乗ったオリビアは一晩楽しく踊り明かそうと思っていた。誘ってくる異性とイチャイチャしたり、延々と続く音楽に合わせて踊り、自分が飲める量以上のお酒を口にし、オリビアはその晩を楽しんだ。
残念ながら、そんな楽しい夜にも終わりがくる。そして日が昇る頃には、オリビアは二日酔いで頭が痛くなっていた。
キツイ翌朝
翌朝目を覚ましたオリビアは、少し疲れていた。二日酔いによる頭痛だけでなく、体の痛みや口の渇きを覚えたオリビアは、楽しかったけれど、ちょっとやり過ぎたかな、と少し後悔していた。
が、あまり深く考えることなく、オリビアは寝返りをうつと携帯電話を手にし、ベッドに入ったまま自撮りするとその画像を友人らに送った。二日酔いでベッドに寝ている自分の写真を見て、友人らは笑ってくれるのではないかと思ったのだ。さて、そろそろベッドから起きようかと思っていたときだった。
頭と体の痛み
しかし、実際にはそうならなかった。朝目が覚めて二日酔いに気づくのも最悪な一日の始まりだが、オリビアはなぜ頭や体が痛いのかすぐに理解できなかったのだ。つまり、この朝がどれほど酷いものになるか、気づいていなかったのだ。
オリビアが自撮り画像を友人らに送った後のことだった。友人らからの着信がひっきりなしに続き、心配そうなメッセージが届き始めたのだ。一体何が起こったのだろうか。
当然、自撮りをしなければ
二日酔いでグロッキーな様子を友人らに笑ってほしくて、オリビアは自撮りをした。前の晩のメイクを落とさずに、そしてピアスも外さず、さらに「前の晩の汚れ」を落とすためシャワーを浴びようとしてトレーナーを着たまま寝てしまっていたのだ。
つまり、自撮りしたときにはまだトレーナーを着たままだった。友人らに笑ってもらおうと思っていたオリビアだが、返ってきた反応は予想外のものだった。
さて、問題の写真がこちら
オリビアがいつものように自撮りしたとき、もちろん、画像に写っているのは自分だけだと思い込んでいた。家にいたし、二日酔いでベッドに寝転がっていたのだから。周りには誰もいなかった。
想像してみてほしい。友人らから鳴りやまない着信を受けたり、自撮り画像を送ったグループチャットで写真に「あるもの」が写りこんでいるなどと書き込まれたメッセージを見たりしたときのオリビアの驚きようを。オリビアは一体全体、何が起こっているのか分からなかった。
みんなどうして取り乱しているのだろうか
二日酔いのため回らない頭を懸命に働かせ、オリビアはこの大騒ぎは一体何なのか理解しようとした。グループチャットに送った自撮り画像の何がいけなかったのだろうか?
顔の表情からは「もう絶対こんなに飲まない…」という様子が見て取れるが、それだけでは友人らが大騒ぎするわけはない。そう、友人らが口々に言っていたのは、オリビアの自撮り画像に写っていたあるものについてだった。
グレース、オリビアに分かるように説明する
ベッドで撮った自撮り画像を友人らに送った後、すぐさまメッセージが届いた。明らかに何かまずいものが写っていたらしいが、オリビアはまったく気づいていなかった。
そのメッセージはグレースからだった。オリビアが前の晩に一緒に踊り明かした友人だ。グレースは事態をよく把握していないオリビアに説明した。もし友人らがメッセージや電話で教えてくれていなかったら、オリビアは顔のすぐそばにいた小さな「あるもの」の存在に、ちっとも気がつかないままだっただろう。
顔のすぐそばにクモが!
招かれざる客は、まさかの大きな黒いクモだった。オリビアの右目からわずか数センチ離れたところにいるクモは、トレーナーのフードの内側にもぐりこみ、髪の毛の色と合わさったこともあって気づきにくかったのだろう。
もちろん、同じ色だからといってオリビアの髪の一部ではない。フードの内側に入り込んでいたクモは、皮肉にも、有名になりたかったオリビアに注目を集めてくれることとなった。
この投稿、あっという間に拡散される
何年も前から有名になりたがっていたオリビアだが、友人のグレースがツイッターにオリビアの自撮り画像を投稿したことによって夢が叶った。この気味の悪い写真は瞬く間に拡散され、47,700件もの「いいね!」がつき、3,700回もリツイートされた。
オリビアはついに欲しかった注目を集めることができたものの、こうした形で有名になりたかったわけではなかった。そう、オリビアが念入りにメイクやオシャレしているものではなく、二日酔いでクモが写り込んだ写真に注目が集まったのだ。
こんな大きなクモにどうして気づかなかったのだろう
事実上、フードに潜り込んだクモのせいで、オリビアは一晩のうちにネット上で話題となった。写真を見た人々は皆同じように怖がり、そして、自撮りをしたときにこんな大きなクモがフードに入っていたことにオリビアがどうして気がつかなかったのだろうかと思った。
言うまでもなく、誰にとってもこうしたシチュエーションは悪夢のようだが、写真を見て笑っただけの人も多かった。それはもちろん、これが自分に襲いかかった悲劇ではないからに違いない…。
グレースはSNSでオリビアをからかった
グレースは「もう24時間経ってるけど、オリビアがフードの中にクモが潜り込んでいるのに気づかずに、二日酔いの自撮り写真をグループチャットに送ってきたなんて、信じられない!」という説明と共に、オリビアの自撮り写真をソーシャルメディアに投稿した後、続々とコメントがつき始めた。
大きなクモがフードの内側に入り込んでいたことも信じられないが、それよりも、トレーナーを着た女性がまったくクモの存在に気づかずに自撮りをしていたことも信じられない。
ツイッターにコメントが続々と寄せられる
ツイッターのコメント欄には「信じられない!10日間くらいこれを思い出して泣いちゃうわ!」だとか、「これって、映画『リミット』のライアン・レイノルズみたいな状況だな。どこにも行けないやつ…トレーナーを脱ぐこともできないし、動くことも、まばたきすることだってできない。にっちもさっちもいかない状況!」
さまざまなコメントが寄せられたが、結局オリビアはどうなったのか、心配するコメントが寄せられ始めた。何といっても大きなクモだったのだから。毒グモかもしれなかったし、何より目のすぐそばにいたのだ!
イギリスにはどんな種類のクモがいるのだろうか
クモがフードに入っているのを見て笑っただけの人もいたものの、オリビアのことを心配する人もいた。トレーナーを脱いだときにクモに噛まれなかった?毒グモじゃなかった?そして、イギリスのクモについて調べた人達から、次々と質問がツイッターに寄せられ始めた。
イギリスのクモについて調べると興味深いことが分かるが、それよりもオリビアはどうなったのかについて人々は興味深々だった。
人を噛むクモは3種類だけ
クモについて調べてみると、イギリスに生息するクモの中で人を噛むのは3種類だけであることが分かる。『サイエンス・フォーカス』によると、「イギリスに生息するクモで人を嚙むのはイエユウレイグモ、イノシシグモ、ニセゴケグモの3種類だけだ。」とある。
「クモに嚙まれると、痛みがあり、数時間腫れることがある。」オリビアのフードの内側にいたクモが、この3種類のうちのどれかではないかと思った人達から、さらにツイッター上にコメントが寄せられた。
イギリスには「クモの季節」がある
恐ろしいことだが、イギリスの人達にとって、特に涼しい期間中、家の中でクモを見つけるのは一般的であるようだ。涼しい季節になると、暖を求めて家の壁の中に入り、繁殖期を迎えるのだという。
そして、オリビアの場合、それがフードの中だっただけのことだ。ツイッターでイギリスに「クモの季節」というのがあるのを知って驚いた人は多いことだろう。
ツイッターの皆がオリビアのことを心配した
オリビアの自撮り画像にツイッター上は沸いていた。1つには、オリビアがクモに噛まれてしまったのではないかと心配したことがあるが、それよりも、そのクモがとても大きかったということがある。クモがすぐそばにいたことに気づいたオリビアは、心臓発作など起こさなかったのだろうか!
しかし、オリビアの反応はまったく違ったものだった。悲鳴をあげて泣き叫び、トレーナーを裏庭で燃やしてしまう(このうちのどれをオリビアがしたとしても不思議ではないが)代わりに、オリビアの反応はまったく予想外だった。
オリビア、クモは怖くない
グループチャットで友人らが次々とメッセージを送り、ツイッター上でもコメントが続々と寄せられ、写真がリツイートされ、スレッドが立ち上げられた後、ついにオリビアがこの出来事についてコメントを出した。信じられないことに、オリビアはまったく動じていなかったのだ!
友人から、自撮りした後どうしたのかと聞かれたオリビアは、「全然大丈夫よ。クモってかわいいじゃない。」なんてこった。オリビアは強靭な神経の持ち主だったのだ!
世界人口の3.5~6.1%はクモ恐怖症
いやいや、世界でもクモ恐怖症が最も一般的な恐怖症であることを考えても、オリビアはクモが怖くないなんておかしい!アラン・マナヴィッツ医師によると、「最も一般的な恐怖症は、心身を消耗するほどクモを怖がるクモ恐怖症です。」という。
とても一般的であるため、実際、『クモ恐怖症の神経生物学』に掲載された研究によると、世界人口の3.5~6.1%の人がこの世からクモがいなくなればいいと思っているという。オリビアはこれに当てはまらなかったのだ。もしオリビアがクモ恐怖症だったなら、ストーリーの結末はまったく違ったものになっていたことだろう!