建設現場中に見つかった様々な物をご紹介
新しい建物を建設することは、同時に今まで掘り返されてこなかった地面の中の様子を、じっくりと確認することのできる機会でもある。多くの場合は、特にこれと言った珍しい物が発掘されることなんてないが、時に、その地下にはとんでもないものが眠っていることがある。亡くなった王様の遺体や、地下に建てられた秘密の大邸宅など、その発掘は我々の想像をはるかに超える。この記事では、建設現場で見つかった信じられない発見の数々を、考古学者になったつもりで発掘していこう！
高速道路の下に埋まっていたビザンチン協会
建設作業員が現代の構造に合わせて高速道路の定期的なメンテナンスを行っていたとき、1500年前のビザンチン教会の遺跡が、かつての古代の道路に沿って発見されました。 エルサレムの近くにあるこの教会には、白い大理石の床と洗礼のための十字架の形のプールがありました。
オイルランプ、真珠貝、ガラス瓶などの他のアイテムも発見されました。 発見後、National Transportation Infrastructure Companyのネティベイ・イスラエルは直ちに作業を中止し、この遺跡を一般の人にも解放、歴史的研究のためにも保存することにしました。
アパート配下から見つかった数十個もの棺桶
2017年3月、建設員がペンシルベニア州フィラデルフィアの集合住宅の基盤を建て始めていた時、彼らは棺桶に詰められた完全無傷の遺体約20体を発掘しました。実は、この地は18世紀のファーストバプテスト教会の近くの埋葬地の一部であったと思われます。
どうやら、1860年ごろに教会が移動したとき、労働者は埋葬地から遺体を取り除くはずでしたが、全ての作業が完成していなかったのだ。その後、埋まっていた死体は調べられ、きちんと文書化され、モリア山墓地に埋葬されることとなりました。
住宅の下から60,000歳の羊毛マンモスの牙
ワシントン州シアトルの住宅ビルの下で、コロンビアのマンモスの化石化した牙が見つかりました。 そのビルの下に埋まっていた牙の長さは約2.5mもあり、古生物学者による査定の結果、化石は少なくとも60,000年前のものであると推定されました。
土地と建物を所有していたAMLI社は、作業を中止し、更に詳しく謎を分析するために専門家に呼びました。 現在、この牙はシアトルのバーク自然史文化博物館に展示されています。
アップルストアの下に隠されていた中世の病院
14世紀から15世紀に渡り、腺ペストがヨーロッパを荒廃させました。その当時は、多くの犠牲者が病院を逼迫し、医師が足りなくなってからは、多くの人々が見捨てられることとなりました。2013年、スペインのマドリッドで、逼迫し放棄された病院の1つが、新しいApple Storeの建設中に発見されました。
この病院は、正に15世紀に腺ペストの被害者を収容するために、使用されていたことが判明しました。その病院は、18世紀まで使用されていたようでしたが、1850年代には取り壊されたはずでしたが、なんとこの時代まで地下部分に残っていたのです。
道路修理中に中国で見つかった恐竜のたまご
長年にわたり、中国の都市である河源の人々は、化石化した恐竜の卵を何千体も発見してきました。1996年以来は、古生物学者ではなく民間人によって17,000個以上の卵が発見されました。最初に見つけた一般人のグループは、建設現場で遊んでいる子供たちで、最初は、その卵の化石を石かなんかだと思っていました。
その後、道路を修理している建設作業員によって、さらに46個の卵が発見されました。彼らは、専門家を呼んでその卵を詳しく調査することにしました。46個の卵のうち19個は完全に無傷であり、その大半はオビラプトリド由来で、8900万年前に地球を歩き回っていた恐竜の卵でした。
スコットランドの橋の下で見つかった19世紀のタイムカプセル
2015年、スコットランドのケアンゴームズ国立公園で、1894年のタイムカプセルが、建設労働者によって発見されました。カプセルの中には、ウイスキーのボトルや巻物、1894年の新聞、その他いくつかの小物が入った金属製の箱が入っていました。
このタイムカプセルは、研究のためにハイランドフォークミュージアムに引き渡され、そこで、橋の建設中に埋められていたと特定されました。
第二次世界大戦時代のサンタクロースへの手紙
現代人類史上最も恐ろしい時代でさえ、クリスマスに対する思いは存在していたようです。 請負業者のルイス・ショーは、イギリスのバークシャー州にある古い家の煙突を解体しているときに、一枚の紙を見つけました。折りたたまれたその紙は、1943年に書かれたDavidという小さな男の子からサンタクロースへの手紙であることが判明しました。
手紙の内容：「親愛なるクリスマスの父へ：年次報告書と、チョーク、兵士、インディアン、スリッパ、その他何か小さなおもちゃの箱を送っていただけますか。そして僕を愛してくれることを願っています。」ソーシャルメディアで拡散後、この手紙の筆者Davidが生きていることが判明し、この手紙は彼に無事返されることとなりました。
イギリスの街の下から見つかった12世紀の邸宅
2013年、イギリスのウェリントン街の住宅開発プロジェクトで、12世紀の邸宅の基盤が発掘されました。当時、大規模な土地を持つ人々は、それを証明する書類などを持っていましたが、この邸宅からは何も見つかりませんでした。
所有者に関する情報は、何も入手できませんでしたが、タイル貼りの騎士の絵は、グラストンベリー修道院の絵に似ており、この時代に何か関連することが明らかになりました。ここから回収されたものはすべて、詳しい査定を行うためにサマセットの博物館に移されました。
中世の王の遺物
リチャード3世は、1483年から1485年に亡くなるまでイングランドおよびアイルランドの王様でありました。彼は、残念ながらボスワースフィールドの戦いで亡くなりました。 彼の体は、敵に奪われたと考えられていましたが、その後何が起こったかは特に追求されていませんでした。
しかし、2012年、とある研究者と考古学者は、レスター市の駐車場の下に、男性の骸骨を発見しました。遺物は、リチャード3世のものと推定されました。放射性炭素年代測定、放射線学的証拠、およびDNAと骨の分析後、それがかつてのイングランド国王リチャード3世であることが確認されました。 遺骨はその後、レスター大聖堂に収容されることとなりました。
マンハッタンに覆われたアフリカの埋葬地帯
1991年、マンハッタンに新しい連邦政府の建物を建設するという計画は、現在のチャイナタウンに位置する場所を掘り起こすことから始まりました。その過程で、17世紀の埋葬地帯が発掘され、そこにはオランダのニューアムステルダム植民地の奴隷の遺体も含まれていました。
埋葬地帯が発掘された地域の建設は中止され、遺体も取り除かれた。一部の遺体に関しては、生きている親類がいることも判明しました。1993年、この場所は国の歴史的建造物として、2006年には、国の記念碑として設立されました。
大規模な住宅計画中に発見されたマヤスポーツアリーナ
2006年、メキシコのユカタン地域で大規模な住宅プロジェクトが開発されていた中、古代マヤ文明のスポーツアリーナ遺跡が発見されました。始め、その発見された物が何であるか、確信が持てなかった為、国立人類学研究所が呼ばれ調査されることになりました。
専門家は、このアリーナが2,500年以上前のものであり、長さ24m、幅4.5mもあるということがわかりました。マヤ文明は、スポーツが非常に盛んだったことで知られていました。後に、この場所は、歴史的な建造物として大切に保存されました。
失われたファラオの神殿 プトレマイオス4世
建設労働者がエジプトのソハグ北部のコムシャカウ村で新しい下水溝を掘削しているとき、2,200年前に失われた、ファラオプトレマイオス4世の神殿が発見されました。 そして、これを受けて2019年10月2日、最高考古学会議の事務局長モスタ・ファワジリによって、建設が中止されたことが発表されました。
プトレマイオス4世の名前を持つ石灰岩の碑文を発見した後、なくなったと思われていた神殿は、実在していたことが明らかになりました。
プールの建設中に見つかった墓地
2011年、ニューオーリンズで、ヴィンセント・マルチェロは、スイミングプールの建設を進めていました。しかし、建設前にその場所に何が眠っているかわからなかったため、考古学者のライアン・グレイを雇い、事前にその地域周辺を調査することにしました。しかし、マルチェロは、後にこの選択が正しかったことがわかったのです。なんとグレイは、スイミングプールを設置する場所の地下に15個の木製の棺桶を見つけたのです。
これは、ニューオーリンズのセントピーター墓地の一部でした。多くの遺体は1980年代にこの周辺で発見されていましたが、その一部はまだ残っていたのです。発掘後、その遺体は適切に処理され、現在はルイジアナ州立大学に送ら研究されています。
水から遠く離れた場所で発見されたクジラの骨格
1849年に建設労働者がバーモント州で新しい鉄道を建設していた時、彼らはシロナガスクジラの骨格を発見しました。しかし、そこは最も近い海岸から400kmも離れた内陸だったのです。この珍しい遺物の体長が6mを超えていることを踏まえ、彼らは専門家に詳しい調査を依頼することにしました。
この骨を持ち込まれた専門家は、この海洋哺乳類が海からどれだけ離れている場所に生息していたのか、近くに水路がないかなどを考慮し調査しました。最終的に、そのクジラの骨格は、11,000歳以上であり、その時代は現在陸の部分が、全て水（海）だったと結論づけられたのです。現在、この発見された骨格は「シャーロット・クジラ」と呼ばれ大切に保管されています。
バイキングの跡
イギリスでは、道路脇の建設現場の作業中、なんと50人以上を処刑したバイキング船の乗組員埋葬ピットが見つかりました。 考古学者は、ピットには、二つの別々のセクションがあり、1つには頭蓋骨が含まれ、もう1つには残りの胴体部分があることを発見しました。
更に、専門家の分析によると、遺体はスカンジナビア諸国からのものであり、犠牲者は西暦910年から1030年の間に処刑されていた人々であったことがわかりました。
パブロ・エスコバルの秘密金庫
約29年前、米国政府は、フロリダ州マイアミビーチにあるカルテルの王者パブロ・エスコバーの土地の1つを押収しました。 この土地は、最終的に不動産屋に戻され、新たな購入者も見つかりましたが、新しい所有者は、この土地に建っていた家を取り壊すことに決めたのです。
しかし、家の最後の部分が取り壊されたとき、なんと建設作業員は、とある隠された金庫を発見してしまったのです。もし、あなたがパブロ・エスコバルが何をしてここまでお金持ちになったのかを知っていれば、何がそこにあったかはきっと想像できるでしょう。しかし、 残念ながら、その金庫の中身は、決して公には公開されませんでした。
金と銀の壁
ジュゼッペ・カディリとヴァレリア・ギアッソがイタリアのパレルモでアパートを購入しました。その際、彼らは請負業者を雇って室内のスペースを増やすために、いくつかの壁を取り壊しました。その過程で、彼らはとある壁の基礎構造について奇妙なことに気づきました。
塗装をこすり落とすと、彼らは壁が華やかな金と銀で覆われているのを見て驚きを隠せませんでした。専門家によると、このアパートはかつて1700年代に北アフリカの商人のものだったようです。
金の鍋に導かれた排水管の設置
2018年、オランダの公益事業労働者が排水管を敷設していたとき、そこから金の鍋を発見しました。更にその鍋からは、15世紀に使われていた500個の金貨が発見され、そのうち12個は銀でした。
考古学者のピーター・デ・ボーアによると、コインは1470年代と1480年代のもので、イギリスのヘンリー6世、教皇パウロ2世、そしてユトレヒトの司教、ブルゴーニュのダビデの肖像が記されていました。この硬貨は、価値を改めて査定する必要がありましたが、最終的にその土地を所有していた人とこの硬貨を見つけた会社に譲渡することで同意がなされました。
