10ドルで売り出されたのに、誰も買わない大邸宅に隠された謎とは
大邸宅を所有するというのは多くの人の夢でありながら、私たちのうちのほんの数人だけが手に入れることができる代物だ。巨大なプールや、ウォークインクローゼット、または地下室などを自分の家に備えることができるのは想像するだけで夢が広がる。
そんな想像を膨らませていた時、数百億円の家が低価格の市場に出回っていた場合は、あなたはどうするだろうか。ある日、ニュージャージー州にある築111年の邸宅が10ドルで売りに出されていた。しかし、この大邸宅には驚くべき秘密が隠されていたのだ。
都市部の土地の値段は安くない
ニューヨーク都市圏でリーズナブルな価格の家を見つけるのは、かなり難しい。最近のZillowのリストによると、現在、地域に表示されている家の平均価格は342,000ドル(約3,582万円)だ。この金額は多くの人が簡単に手に入れられるような値段ではない。
だからこそ、豪華な邸宅が10ドルの市場に出たとき、人々はオープンハウスに群がった。しかし、不思議なことに誰もこの物件を実際に購入したいという者はいなかった。あなたは、この話だけ聞いても信じることができないだろう。
モンクレア・ニュージャージー州に位置するこの物件
築111年のコロニアル様式のこの邸宅は、ニュージャージー州の郊外町モンクレアに位置している。そこは、永遠の住まいを探しているすべての家族のためには理想的な場所である。この地域は、素敵な学校やカントリークラブ、ちょっとしたお店やレストランに囲まれており、言うまでもなく、多くの緑に囲まれている(まあ、冬が来るまではだが・・)
大邸宅は、プレザント・アベニューと呼ばれる大きな道路に位置しているが、これはこの家のセールスポイントにはなっていない。何か道路に問題でもあるのだろうか。
都会の雰囲気も楽しめる郊外生活
エセックス郡の町、モンクレアの人口は37,669人。これは、都会にあまり興味がない人には最適な数字でもあり、郊外の小さな世間の中には住みたくないという人にもぴったりの数字だ。マンハッタンの中心部まで車で45分と短い時間で行けるのは言うまでもない。
ではなぜ、都会の近くに住んでいながら、静かな環境の家に帰ることができる、最高のこの家に人々は飛びつかないのだろうか?謎は深まるばかりだ。
この邸宅の歴史から迫ってみよう
1906年に地元の有名な建築家ダドリー・S・ヴァン・アントワープがこの邸宅を建設した。ヴァン・アントワープは、1900年に設計事務所を開き、そこから有名なモンクレア・ワハトング・アベニュー教会やロングアイランドのベイサイドにあるヨットクラブの建設も手掛けた。
この邸宅の何がそんなに問題なのだろうか?外観も美しいし、素晴らしい場所にも位置している。たった$10で売り出されてしまっている理由とは、なんなのか。なんかの手違いでもあったのだろうか。
コロニアルスタイルの家は、その外観以上
大邸宅は約4,000平方フィートもあるので、広さ的にも小さいというものではない。更にその敷地面積は、庭などの周囲のアメニティは含まれていない。中は6つのベッドルームと3つ半のバスルームで構成されており、十分なスペースが確保されている!もし、新たな部屋を増設したければ、作るスペーだってある。
シンプルな作りになっているこの家は、好み次第で改造も可能なのだ。部屋の壁紙を変えたりするだけではなく、中に図書館を作ることだってできるかもしれない。それだけ、大きいのだ。
外のアメニティはどうだろう・・・
邸宅の中はさておき、敷地内のアメニティにも注目しなくてはいけない。もしかしたら、何か最悪の秘密でも隠されているのかもしれない。
しかし、その大邸宅には、専用のテニスコートや展望台だけではなく、馬車小屋まである。その馬車小屋の中を改造して、ゲーム専用ルームを作ってもいいかもしれない。明らかに、魅力たっぷりのこの物件の問題点がなかなか見えてこない。
本当の値段
郊外の北東部に位置することを考えると、この邸宅は、当たり前のようにファーストフード店で小腹を買うよりも高い価格で市場に出回っているはずだ。10ドルでなんて手に入るはずもない。
事実、この大邸宅は、約$135万ドルで売り出されるはずだった。かなり高価に感じるかもしれないが、近所や周辺の数百万ドルの家を考えると、この価格はかなり良心的だ。
この大邸宅には歴史的な意味もあった
有名な建築家がこの家を建てたことはもちろん、この邸宅は、ノートルダム大学フットボールチームのキャプテンになった最初のアフリカ系アメリカ人選手、オーブリー・ルイスの家でもあった。ファイティングアイリッシュのハーフバックは、州の偉大な選手の一人として認識されており、モンクレアの彼の高校では、フィールドハウスにオーブリー・ルイス・スポーツコンプレックスとも名付けられている。
彼は生まれたときから持っていた心臓の病のために、フットボールのキャリアを追求はしなかったが、他の方法でキャリアをつくりあげることを選んだ。
オーブリー・ルイスは多くの体験をした
アフリカ系アメリカ人初の警部であるだけでは十分ではなかったルイスは、アフリカ系アメリカ人を含む初の訓練クラスの一員として連邦捜査局に入局した。
栄光のキャリアを終えた後、ルイスはモンクレアに戻って家族と一緒に暮らしていた。2001年に彼が心臓の合併症で他界した時、BNE不動産グループが彼の物件を購入し、その土地に8軒の家を建てる計画を立てたが、その計画はすぐに取りやめになった。
不動産屋の計画
BNE Real Estate Groupがこの物件を購入したとき、彼らはモンクレアの歴史的重要性/有名人のステータスのために、不動産を保存するためにモンクレア歴史保存委員会との契約を締結した。したがって、彼らはこの土地に新たな家などを構築することができなかった為、計画は失敗に終わった。
しかし、不動産業者もこれだけでは終わらずプランBを持っていた。そうこの建ててしまった家を約10ドルで売却するというものだ。ただし、ある条件付きで。
人々が買わないのには正当な理由があるようだ
そこにはどのような取引きが隠されていたのだろうか?豪華なこの物件を所有するのを断るのに正当な理由だろうか?もちろん理由があったからこそ、今もそのモンクレアの家を誰も買わないのだが・・
実は、この大邸宅を購入する人は誰でも、この家を別の場所に移動するための費用を支払わなければならないという契約内容が含まれていたのだ。ややこしいが、この外装や内装は全て購入(もはや購入とは言わない気がするが)できるが、そっくりそのままこの家をどこかに移す費用は自腹で払う必要があったのだ。
交渉の余地なし
モンクレアのカルメン・ウォーレンさんは、「どこに移せばいいのか。あんなに大きな家を買ったって、場所がなければ買っても意味がない」と言う。これには、私たちも納得です!
モンクレアの町の役人は分譲申請を承認し、もし売却した場合は移転しなければならないという厳しい条件の下での契約を交わしたのだ。
家を移動することだけが条件ではなかった
買い手は、移動費用を支払うだけではなく、その土地を元に戻す費用も支払う必要があった。つまりは、普通に建ててある家や、新しく購入した家の方がよっぽど安くすむのだ。
買い手はまた、大邸宅を持ち上げる前に、必要な改装のすべてを行う必要がある。そのプロセスは、買い手側の意向で変更したりはできないのだ。もしかしたら、ニューヨークに家を購入した方が早いかもしれない。
数百万円はくだらない
この大邸宅の築年数が古いことから、売り手は、敷地全体で行う必要がある任意の改修を支援するために$10,000(約100万円)を支援している。それは寛大な申し出だ。しかし、 一目見て、その費用はなんの足しにもならないことがわかるだろう。
この家の総工費は、20万ドル(約2,000万円)前後とされているが、それでもこの豪邸の価値には及ばない。
他の価格は交渉の余地なし
引越し費用は含まれていないが、購入者は鉛塗料やアスベストチェックをしなければならない。邸宅の築年数を考えると、非常に気になるところだ。
ローレナ・ホワイト、プロミネント・プロパティーズ・サザビーズ・インターナショナル・リアルティの不動産エージェントは、「邸宅を移動させることに加えて、修理やリフォームのあらゆる種類のコストは、歴史的なガイドラインに沿って行われる必要がありました。その費用のほとんどは高価になる傾向があります。」 誰がこの家を買うにしても、世界最大の歴史好きか、よっぽどのファンでない限り、この条件はなかなかのめないであろう。
そもそもどうやって家を移動させるの?
値段もはらず、リフォームもしなくていいと思いつつも、一体どうやってこの大きさの家を移動させるのかは、疑問だろう。間違いなくいくつかの郵便受けには、被害が出るだろうし、木の枝が次々に落ちてくるのは言うまでもない。
しかし、家そのものを持ち上げて、その形のまま家全体を移動することは、正確には前代未聞ではなく、今までも何度か行われてきたことがあった。この情報は、住宅所有者に財政的に有益である。
家の移動は珍しいことではない
2007年、ミネソタ州ブルックパークのジュリーとランディ・オルソンは、価値が急落し、新しい家を建てるためのローンを組むことができなくなったため、家を全て根こそぎ捨ててしまった。
幸運なことに、彼らの友人の一人が、将来の野生動物保護区を支援するために、自宅を1ドルで売却していた(10ドルが最も安いと思っていたがそうではなかった!)。オルソン夫妻は、この物件を購入し、ブルックパークの家を22,000ドル(220万円)で移動させた。
家そのものを移動させることは、実は有益かもしれない
オルソン家の話が何かの兆候であれば、家を移転することは可能であり、スマートな方法で経済的に有益にすることも夢ではないかもしれない。いくつかのケースでは、家自体をそのまま移動させる方が、特になる場合もある。
それは新しい家のための新たな内装費用などを心配する必要がないだけではなく、改装の初期費用などのコストもかからないことを意味する。
全てがあなたのものになる
しかし、考えてもみてください。お金があればこのゴージャスな135万ドルもする大邸宅を手に入れることができる。それもアメリカの歴史の一部にもなるような、驚くほどの低価格で。
美しい外観だけではなく、郊外という最適な場所、また友人にも話すことのできる素敵な物語。これらを全てあなたのものにできるのだ。
2018年にこの家は取り壊された
残念ながら、買い手がつかなかったため、2018年5月にこの家は取り壊されてしまった。分譲契約により、歴史協会には立つべき地盤がなかったため、町に土地を譲るしかなかったのだ。
かつてのコロニアル様式の邸宅が立っていた場所には、現在、より近代的な開発があり、8つの一戸建て住宅で構成されている。彼らはそこに歴史を少し残し、道路の名前をルイス・コートに変更したのだ。
カナダのトロントにある何の変哲もない家
オンタリオ州のトロントの148ジェーンストリートに位置するこの物件は、外から見ると至って普通の外観です。住宅が建ち並ぶこの通りは、なんの変哲もない平凡な地域です。多くの家は似通っていて、特におかしなことが起こったり、驚かされるというようなこともありませんでした。
近所に住んでいる人の話によれば、148ジェーンストリートのこの物件は、人の移り変わりもないように見えると言います。周囲の人が覚えている限り、ずっと同じ家族が居住しているようです。そう、この自宅に関する変わった電話を不動産業者が受けるまでは、誰もこの場所を大して気にも留めていなかったのです。
全てを変えた電話
不動産業界ではベテランのグラディス&カーラのスピッツィーリ姉妹は、不動産業界は手の甲のようだと考えています。つまり、見飽きるほどに見てきた、と感じていたのです。そのため、いつもと変わらぬ出勤日のこの日、2人は驚くようなことが起こるとはまるで期待していませんでした。
しかし、オフィスの電話が鳴り響き、すべてが変わります。電話の相手は、熟練不動産業者におもしろい提案を持ちかけてきたのです。
この優しい高齢の女性は、一体不動産業者に何を伝えたのでしょうか。
この積極的な2人の姉妹は、初めから一緒に仕事をしてきたわけではありません。しかし、仕事での相性も良かったため、最終的に手を組むことになりました。仕事は平等に分配。一人が精力的に新しいクライアントとリスティングを探し、もう1人が既存の顧客へのクロージングを担当していました。
契約を成立させるためにかなり苦労することには慣れていた2人ですが、突然受けたこの電話のクライアントにはより手がかかりそうな予感がしていました。
電話の相手は96歳のおばあちゃん
電話の相手はジョイスという人で、家を売り出そうか考えていると言います。ジョイスの声には迷いが混じっていました。むしろ、売り出しに乗り気ではないかのようです。ただ、本人は家を売却したいと言い張ります。
ジョイスがほとんどリサーチをしておらず、初めに見つけた場所に電話をしているだけであることは明らかでした。グラディスとカーラは躊躇の理由をたずねますが、ジョイスは売り出しの前にとにかく家を見るように言って聞きません。
隠されている物
不動産業者としてグラディスとカーラが見て経験して来たものの中には、他の人なら逃げ出してしまうようなものもありました。しかし、ジョイスの家はそういった様子でもありません。ただ、そこは熟練の不動産業者。クライアントからのサプライズへの心の準備は出来ていました。
あるいは、2人は準備ができていると思い込んでいただけかもしれません。ついにジョイスの家を見に行くことになった日、2人はいつも通りの1日ではないことに気づいたのです…。
ジョイスが何かを隠していることに気づいた2人
通常、不動産会社に連絡をしてくる人達は興奮しています。良い意味での引っ越しで、人生の新しい章の始まりにワクワクしていることがほとんどです。しかし、ジョイスと話した際、グラディスもカーラも興奮のようなものを彼女から一切感じるとることができませんでした。
むしろ、電話の相手は何かを隠している印象すら受けたのです。人によっては、高値で売るために売却予定の家の問題を隠そうとします。スピッツィーリ姉妹は、ジョイスが何を隠しているのかと興味が湧いてきました。
最悪の事態を心して、最高の事態を願う
ジョイスは、質素な家に70年間住んでいて、かなり長い間「手を加えていない」とスピッツィーリ姉妹に話します。台所の改装を大分前に行ったきりで、他には何もしていないとのことです。ここで、姉妹は危険を察知しました。
人生のどんなことでも役立つ姿勢は、最高の事態を願いつつ、最悪の事態に備えておくことです。長い間不動産業に従事してきたグラディスとカーラは、初めて家を確認する際にはこのような姿勢で臨みます。それでも、古く見ずぼらしい家に足を踏み入れるには勇気がいるものです。
ジョイスの家の状態を目にした瞬間
通常、家主が家の問題を隠そうとしている場合、カビ問題や水漏れしやすい地下室と言ったような問題がほとんどです。家主が小さな問題を隠そうとすることは、不動産業者からしたらよくあることなのです。
しかし、ジョイスの家は通常の不動産案件とは異なります。ジョイスがカーラとグラディスから隠していた問題は、普通とは程遠いものだったのです。しかも、姉妹を待ち受けていた問題は、不動産業界での長年の経験でも初めてのものでした。
遂に家の見学日
さて、ジェーンストリートの正面のドアを開けて、グラディスとカーラは何を目にするのでしょうか?2人は、見学日が近づくにつれて不安を募らせます。
96歳のジョイスが長く一人で暮らしていたということはプラスにはなりません。おそらく手入れが行き届いていないためです。スピッツィーリ姉妹は、最悪の場合に備えておくことにしました。売れないほどひどい状態である可能性も、覚悟していたのです。
予期せぬ展開
ついにその時が訪れ、スピッツィーリ姉妹はジョイスがどんな秘密を抱えているのか暴くため、148ジェーンストリートに向かいました。ドアを開けて中を見た際に2人が目にした驚きの光景は、予想もしていないものでした。
目にした誰もが驚くであろう、全く予想外の光景だったのです。特に、印象に残らない家の外見を考えると驚きです。
家の姿をしたタイムカプセル
今のところ、グラディスとカーラが把握している家に関する唯一の情報は、住所と正面の写真のみ。そこそこの状態であればかなりの額で売れるかもしれないということ以外、特に変わったことはないように思えます。
ついに家の中に足を踏み入れて目にしたものは、想像を絶するものでした
思わず出た声
グラディスとカーラは、ジョイスの家に関して立てた2つの予想のどちらかだろうと当たりを付けていました。最もあり得そうな1つ目の可能性は、家がひどい状態であるということです。もしかして、ものを集めてゴミ屋敷状態の可能性もあります。
2つ目の可能性は、外観そのままにごく普通の家であるという場合です。しかし、2人の予想は全く見当違いでした。家の状態はかなり良く、かつ一風変わっていたのです。
かなりのお宝
言うまでもなく、やっとジョイスの見学を終えたグラディスとカーラは興奮で有頂天でした。期待していたよりもかなりの額で売却できそうです。
ジョイスは非の打ち所がないほどの家事のスキルを持っていて、彼女の家は1940年代からそのままタイムスリップしてきたようにしか見えません。1940年代は、ジョイスが初めて越してきて、家をデコレーションしだした時です。すべてが元の状態のまま、変わらない様子でしかありません。
さらに先まで進むと…
カーラとグラディスは、148ジェーンストリートのこの家を、目を眩ませながら見て回りました。そして、とあることに気が付きます。次の部屋が、どれもひとつ前の部屋よりもさらに素晴らしい部屋であるということです。正直、今まで目にした中で最も良い状態が保たれた家でした。
この家は、ジョイスの人生の博物館のようです。そのため、何故この女性が家と別れることを躊躇しているのか、ようやく2人には理由が理解出来ました。
買い手はこの家を気に入るか?
ジョイスの素晴らしく保存された家の売却には、一つ潜在的に大きな問題がありました。彼女は家をとてもフェミニンなスタイルでデコレーションしており、ピンクと紫がふんだんに使用され、レース生地も多用されています。この家は、大多数の男性には魅力的には映らないでしょう。
不動産業者として、何をするべきでしょうか?家全体を改装するとなるとかなりの額になって、利益に大分響きます。
唯一の救いとなったお部屋
ピンクと紫の部屋を見ていったあと、グラディスとカーラは地下室に入り、またもや驚かされます。なんと、ジョイスの美しい家の地下には、男性が喜びそうなスペースが設けられていたのです。
このスペースは、ジョイスの旦那さんにとって家のかわいらしさからの避難場所だったのかもしれません。木製のパネル、小さなバー、ニュートラルな家具。ジョイスの旦那さんは、素晴らしい男性好みのエリアを気に入っていたのではないでしょうか。
ちょっとがっかりな裏庭
この家であれば、「秘密の花園」のような壮観な裏庭を期待していたかもしれません。しかし、実際はそうでもありませんでした。その他の外装同様、裏庭は完全に普通で、むしろ質素です。本物の芝生の代わりに人工芝が置かれていて、1つ小さな物置があるのみ。
しかし、残念な庭だからと言って、契約破綻とはなりません!次の段階として、今度は家に欠点があるかどうか確認するため、グラディスとカーラは専門家に見てもらうことにしました。
やってきた専門家の見学日
真の不動産のプロであれば、素晴らしいように見える家でも、表面には見えない問題が隠れている可能性があるということを理解しています。小さな問題から浸水ダメージや不健康なカビなどの大きな問題まで、どんな家にも1や2つの問題があります。
カーラとグラディスは、ジョイスの家の状態はかなり良いという自信がありました。しかし、そうであっても鑑定士の公式の調査を待つべきであると承知していたのです。どんな時も、何があるかなどわかりません。
見えないところに潜んでいたもの
やきもきしながら待ったのち、鑑定士が遂に148ジェーンストリートに訪れました。チームは隅々まで念入りにジョイスの家を確認して、家の売却に影響しそうな隠れた「サプライズ」を探します。
しかし、心配する必要はありませんでした。家はほとんど完璧な状態で、鑑定士たちはジョイスが70年前に引っ越してきたときの状態から、ほとんど変わっていないという結論を下したのです。ということで、あとは家を売りに出して、買い手を見つけるのみです!
いざ市場へ
ご想像通り、グラディスとカーラは出来るだけ早くこの家を売りに出したいと考えていました。なんなら、鑑定士が見学をしたその日に売りに出しています。希望価格は、驚きの699,000ドル!
すぐに入札競争がスタートします。家を見た誰もがそのインテリアに驚愕し、自分が購入したいと躍起になりました。
話題となった148ジェーンストリートの物件
ジョイスの家の状態に関するうわさは広まり、この話はさらなる注目を集めました。ニュースに取り扱われ、大きな話題となり、最終的にそこら中に話が広まります。人々はこの家の虜になりました。
誰かが住むというよりは、1940年代博物館として保存されるべきだと考えた人もいました。しかしその後、ジョイスは住んでいる間に少し手を加えたということを明かしたのです。
ジョイスが行ったこと
この家の新しい「ファン」達の多くは、1940年代から家がそのままの状態を保っていることに驚きを隠せません。ジョイスが1960年代に台所をリフォームしたと聞いて、がっかりする人まで現れました。
このリフォームは、ジョイスが電化製品を当時のモダンなものに変更したかったということが理由です。納得のいく理由ですよね?そして、現在の台所は60年代からそのままの状態を保っています。
ジョイスの行き先は?
ジョイスはインテリアデザインを楽しんで、148ジェーンストリートを自身の好きなように飾り付けていきました。それでは、幸せな70年間の後、何故家を売ろうと思ったのでしょうか?
ジョイスは、隠遁生活に入る決意をしたのです。リタイアメント・コミュニティに引っ越して、快適なリラックスした生活を送る予定です。そうであっても、自宅を手放すことは、簡単ではなかったでしょう。
家具はどうなるのか?
ジョイスと旦那さんが1942年に越してきた時は、今とは全く違う時代でした。それから70年の間にたくさんのことが変わっています。ジョイスの家に対して誰もが、新しい家主はこの家をそのまま利用するのか、改装してモダンな造りに変えるのか、という疑問を抱いていました。
新しい家主には、もちろん自分の家を好きなようにする権利があります。歴史が好きな人であれば、出来るだけ今の状態を保とうとするでしょう。しかし、これは時が来るまでわからないことです。