私道を隣人に塞がれた女性…最後に笑うのは誰?
ご近所さんを選ぶことはできません。人によっては運悪く、面倒な隣人の傍で暮らす羽目になる方もいらっしゃるでしょう。地質学者であり火山学者、そして大学院生のメリッサ・スクラッグスは、ツイッター上でVolcanoDocとして知られています。博士号のために奮闘している最中、不運にも礼儀の欠片もない大学生の隣に暮らすことになってしまいました。ある朝、車に乗り込もうと外に出ると、巨大な岩に私道がふさがれています。自分の力でどかすことは出来なかったため、メリッサは別の策に出ました。
大学エリアに住むメリッサ
博士号を取得中の地質学者、火山学者のメリッサ・スクラッグスは、カリフォルニアにある自分の大学の傍に暮らしています。数年間大学に通っており、地域のことは知り尽くしています。年長の学生のひとりであるメリッサは、常に1年生や2年生の学生たちからかなり忍耐を試されてきました。
1年生たちが初めて実家を出て暮らし始めることをお祝いしている間、真剣に勉学に取り込んでいたメリッサは博士号の取得を目指していました。
同じ建物に数年間暮らしていたメリッサ
メリッサは、大学に通い始めたばかりでもキャンパス近くに暮らし始めたばかりでもありません。「ボード・パンダ」には次のように話しています。「キャンパス内の建物に住んで3年になるわ」
しかし、隣の建物に暮らす院生や学部生は頻繁に変わります。そこそこ静かな1年を過ごしたと思ったら、次の年には新しい1年生が越してくるということもあり得るわけです。2018年7月、メリッサが迎えた隣人は大のパーティー好きでした。
年下の隣人が住む建物はすぐ近く
メリッサによれば、初めは隣人に対して不安を抱いていたものの、過去数か月は落ち着いていたそうです。「今の人達は1年か2年の学部生で、2018年7月に越してきたの」
フェンスによって敷居が分かたれていたものの、メリッサの住む建物は隣人たちと砂利道と通路を共有していました。午前7時、キャンパスへに用事のあったメリッサは自分の車の元へ向かいます。
パーティー好きな隣人
大学1、2年生の隣人はパーティー好き。メリッサは『ボード・パンダ』に次のように証言しています。「はじめは心配していたの。大きなパーティーばっかり開いてたから。でも、大体は音に気を付けてて、こっちのビルの敷地内には人を入れないようにしてたわ」
自身の勉学に集中するため、隣人たちに寛大な態度を取っていたメリッサ。博士号の取得は楽なことではありません!しかし、メリッサは岩や科学を学ぶことを心から楽しんでいたのです。
地質学者で火山学者
パーティーを開催する隣人を文句ひとつ言わずに受け入れていたメリッサですが、内気というわけではありません。火山学の学位を持ち、同じく火山学の博士号の取得を目指す、楽しいことが大好きな賢い女性です。
メリッサはやる気に溢れた学生であるだけでなく、ツイッターで共有している通り「クラシックカー、ロックンロール、悪ふざけ、ビンテージものが大好き」。ただ隣人を受け入れて迷惑を許すような人ではありません。
トラブルの始まり
6か月間のパーティーに耐えたのち、隣人との間にトラブルが発生し始めます。「10日くらい前までそれほどのトラブルはなかったの」(メリッサ・スクラッグス、『ボード・パンダ』)
しかし、フェンスから自分の家の私道に向かって隣人たちが岩を移動させていることに気づいたメリッサ。もともとは、岩は彼女のビルの敷地内に数センチ食い込んでいるのみでした。「これが起ったのは2度目なの」と、メリッサは私道に岩が現れた際に話しています。
そもそもなぜ岩が?
メリッサによれば、この岩は理由があって私道の横に置かれていました。「この岩の目的は、運転がへたくそな人がフェンスを壊さないで済むようにするためのものなの」
この岩は、2つの建物の私道を隔てるフェンスの前にあるべきものなのです。ここに岩があることで、夜遅くまでパーティーをしていた人がフェンスに激突することを防止します!
夜中に岩を動かした隣人たち
メリッサは岩に関して、「ちょっと不便だけど、理解はできるわ」と話しています。通常、岩は両側のフェンスより数センチ出ているのみです。さらに、岩には両側をまたいでフェンスの真ん前に駐車することをけん制する意味もあります。
「10日くらい前に、1人が岩が邪魔すぎると思ったみたいね」と話すメリッサ。これこそ、隣人が一線を越えてきた瞬間でした。
岩の移動を手伝ってはくれない隣人たち
隣人たちは夜中の間にメリッサ側の私道に岩を押してきたようです。「フェンスの私側に向かって岩を押したのよ」とメリッサは話しています。
しかし、メリッサが隣人たちの元へ行き岩の移動を手伝わせようとすると、隣人たちには無視されました。「ドアに答えて岩を戻すのを手伝ってはくれなかったわ。助けを見つけて岩を元に戻すまで数日もかかったんだから」
もうウンザリ
1度目に隣人たちが岩を移動させた際は、なんとか助けを得て岩を元の場所に戻すことが出来ました。かなり大きく重さがあったため、メリッサ1人では移動させることは出来なかったのです。もう2度としないことを願いつつ、車を出します。
1度目は助けを見つけるまでに数日かかってしまいました。隣人たちはドアをたたいても出てきてはくれません。そのため、この問題に関して話し合うことすらできなかったのです。
盛大なパーティーが開かれた金曜
「金曜日、かなり大きなパーティーが開かれたの」と『ボード・パンダ』に話すメリッサ。問題が起こりそうだと確信したメリッサは、先回りをして隣人の元へ向かいます。
「うちの庭の方まで入ってこないように注意に行こうと思ったら、車が道をふさいでることに気づいたの。だから、朝7時までにはどかしてください、って言うメモを残したわ」
車を妨げる岩
前の晩、車が塞がれることを心配してメモを残したメリッサ。しかし次の朝目覚めると、再び岩に車が妨げられていたのです!
「朝起きたら、私の車の目の前まで岩が転がって来ていたの。だから、元に戻してもまたどうせ転がしてくるんだろうなって思ったわ」。授業に行かなくてはいけなかったメリッサですが、自分一人では岩をどかすことが出来ません。さて、どうしたらよいでしょうか?
自動削孔機を所有しているメリッサ
岩を動かすための助けがなく、どかしたところでまた自分の車の前に移動させられてしまうと考えたメリッサは、自身が所有するとある機械を投入します。地質学者兼火山学者のメリッサは、自前の自動削孔機を使って巨大な岩を粉々に砕くことにしたのです。
メリッサはツイッター上で、「隣人たちは自分の反応なんかまるで気にしていなかったのではないか」と話します。しかしそれが運の尽き。彼女が「朝7時30分にかなりの騒音を出す削孔機を所有している」とは思いもよらなかったようです。
岩を解体
ヘッドホンを装着して、岩を削孔機で砕き始めたメリッサ。端に動かせるほど細かい破片になるまで砕きました。メリッサはこの出来事を「小さな赤髪の憤怒」と呼んでいます。
この機械は「かなり」の騒音でしたが、隣人たちが外に出てきて様子を確認することはなかったそうです。もちろん、謝罪もありません!
岩を粉々にして晴れやかな気持ちに
ご近所さんたちへのいらだちを岩の破壊にこめて一石二鳥だったメリッサは、無事に車を出すことが出来ました。さらに、そもそもメリッサの家の敷地内に岩を動かしてきた失礼な隣人たちへの復讐をすることにも成功したのです。
岩を粉々にした後、ツイッターにアップデートを投稿しています。「アップデート:静寂が戻ってきた。ご近所さんたちはちょっかいを出すのをやめたの。これでゆっくりと紅茶が楽しめるわ」
どれくらいの影響があるか意識していなかったメリッサ
「わぁ。こんなに話題になるとは思わなかった!!私の小さな赤髪の憤怒でこれだけみんなを喜ばせることが出来てよかったわ!!」
ツイッターのアクティブユーザーであるメリッサ。この朝の出来事は、仲間の地質学者たちを楽しませたようです。しかし、何百人もの人がこの話を呼んでスレッドにコメントをしてきたことは本人も予想外でした。
メリッサは「わぁ。こんなに話題になるとは思わなかった!!」とツイート。ツイッター住民たちは、彼女のアプローチと「自分で何とかする」という精神が気に入ったようです。
プライスレスな隣人たちの反応
「ご近所さんに関するアップデート:当事者の2人とアイコンタクトを取ったわ。1人は私に向かって頭を下げてきて、もう1人は私が狂人かのように大きく目を見開いてた。お互い理解し合えたって思っておくことにするわ」
紅茶を楽しんだメリッサは大学のキャンパスへ向かい、いつも通りの1日を過ごしました。一方、彼女のスレッドはツイッター上で話題となり、フォロワー数が急増します。
その晩帰宅すると、岩破壊事件後に初めて隣人の遭遇。フェンスのライン上に置かれている小岩の山を見て、1人は軽く頭を下げ、もう1人は目を丸くしていたそうです。
ツイッターで大人気
「唯一残念だったのは、朝5時じゃなかったことかな。
ナイスワーク!」
普通だったら、ご近所さんの家のドアを叩いたり窓から叫んだりしていたかもしれません。メリッサの解決策は生産的かつ面白いものでした。
ツイッターユーザーは、おもしろい口調と写真が添えられたメリッサの事件内容のツイートを大いに堪能しました。朝7時に車の前に大きな岩が置かれていても、メリッサはその状況を決して悲観することがなかったのです(見たところ、自動削孔機を使うための言い訳が欲しかっただけなのかもしれません!)
法律第一の市民
「もちろん。ここでは騒音禁止は朝7時までなの。法律は守らないとね!」
同じ建物に数年間暮らし、まだ学生であったメリッサは、他人とトラブルを起こすつもりはありませんでした。失礼な隣人たちの方からトラブルを吹っかけてきたとしてもそれは変わりません。
岩を動かした張本人を朝早く起こしてやったことには満足しているものの、近隣の騒音禁止時間が終わる朝7時まできちんと待ってから削孔機を使用した、と冗談交じりにツイッター上で語っています。
メリッサ・ロック
「ヘッドホン、ブルース系の音楽に小人の受動攻撃的な憤怒で火をつけたら、思ったより短時間で大岩を破壊できるのよ(最低限の休憩込みで4時間くらい)」
最終的に投稿へのいいねは400件を超え、何百人もの人が彼女の投稿を目にしました。博士号取得のために学校へ向かえるよう自分の車の妨げていた岩を破壊した女性。その投稿の読者には、彼女のユーモアのセンスがウケたようです。
今後はご近所さんとの岩のトラブルに悩まされることもないでしょう。自動削孔機を所有しているということが知れ渡った今、メリッサの家の私道に車を停めようと思う人はいないはずです。