メイクのときとすっぴんのときで、周りの態度が違うことに悩む女性の姿とは
メイクをする、またはしない理由がなんであれ、するかしないかを決めるのは自分だ。人にメイクした方がいいと言われて、座りこんで印象的なキャットアイ・メイク(目じりにアイラインをはね上げるメイク)をする人などいない。ただ、メイクによって周りの反応が変わるため、時には望ましい反応をもらうために見た目を整えなければ、と思うことがある。
しかし、そもそもこれは間違っている。人は見た目で、私たち女性に対する態度を変えるべきではないのだ。とは言え、現実はそんなものだ。これからご紹介する女性たちは、メイクをしているかどうかによって、周りの人たちの反応がどのように変わるかを教えてくれる。
シャノンの場合-ばっちりメイクだと、人はとても親切
シャノンは、ばっちりメイクをきめて出かけると、周りの人たちが親切にしてくれると語る。隣に夫がいるにもかかわらず、他の男性からアプローチを受けたり、他の女性からはメイクを褒められるそうだ。メイクをしていると、他の人によくしてもらえるので「悪くない」と感じている。
一方で、最低限のメイクしかしていないときには、アプローチをされることもないため「普通の人」になったように感じると言う。これは内気なシャノンにとってはホッとすることでもあるというものの、私たちがどれほど人を見た目で判断しているかを表している。
ある日、アマンダがメイクせずに出勤すると、同僚が体調を心配して上司に相談していた
アマンダ・ケネディは14.5時間のシフト制勤務で、仕事中はたいていメイクをしているが、ある日、メイクをせずに出勤すると、同僚らが「大丈夫?」と口々に聞いてきた。その都度、大丈夫だと答えていたのだが、心配した同僚らがどうやら上司にアマンダの具合が良くないのではないかと相談していたようだ。
上司に「単に今日はメイクをしていないだけなんです」と理由を説明し、2人はそのバカバカしい状況について笑った。メイクをしていないだけで調子が悪いのでは、と心配されてしまったアマンダ。これもメイクの影響だ。
「これまでに何度も『同伴』を申し出られました」
アッシュ・サブは、メイクをしている自分を見た人は「ビビッて」、あまり近づいてこないと語る。「人は私を見た目だけで判断し、時間をかけて知ろうとしてくれません。」と悩みを吐露している。これまでに何度も、夜の仕事をしていると勘違いされたこともあると言う。
アッシュがメイクをしていなくても、周りの人は恥ずかしいのか、あまり仲良くなるきっかけを作ろうとしてくれないようだ。「私はメイクをしても、していなくても、同じ人間なんです。これは単にメイクに対する受け止め方が違うだけかもしれませんね。」と意見を述べている。
プロのNBAダンサー、レイチェルはメイクで人の態度は「月とスッポン」ほどに変わると言う
レイチェル・ルネーはプロのNBAダンサーだが、メイクをせずに外出すると「まるで別人」のように扱われるという。男性・女性ともに楽しくやり取りをすることができ、すっぴんのときにはナンパされることもほとんどないと語っている。
しかしながら、メイクをすると、親しい友人は「美人オーラ」が出ると言い、異性の態度もガラっと変わるようだ。クラブなどでも優先して入場させてもらえるし、マーケティングの仕事をしないかと誘われることもある上、「お金持ちの男性やスポーツマンは豪華なデートに連れていってくれる」そうだ。試しに、デートにすっぴんで行ってみたこともあるというが、その後の連絡はなかったらしい。
エミリー、職場でも悩みを抱えている
エミリー・マルシコは、メイクをすると周りの人から浮いてしまうと語っている。道でナンパされたり、ソーシャルメディアに写真を載せると知らない人からメールが大量に届いたりするばかりでなく、職場の男性や、配偶者など特定の相手がいる男性からも言い寄られるのだという。
すっぴんのときには、一般的に女性はメイクをしているときよりも親切にしてくれ、男性はどちらかといえば友人のように接してくれるそうだ。こうした対極的な反応が交わることは決してないが、エミリーはメイクをすること、しないことに対する周りの反応から、人間として成長し、価値を見出すことができたと述べている。
ドーンはオシャレをすると急に集まる注目が嫌なので、めったにメイクをしない
ドーンはすっぴんの自分の方が好きだ。それはメイクをしていないときの見た目が好きだからというわけではなく、「全然違う」扱いを受けるせいだという。ドーンが仕事用の服を着て、メイクをせずにレストランに行ったときのことだ。男性数人のグループがいたのだが、他の着飾った女性をいやらしい目つきで見ていたと言う。おそらく、男性らはその女性の格好から、その女性は性的対象として見られてもいいと思っていると判断したのだろう。
「私の世界は小さいですが、そっちの方がいいのです。(メイクをしたからといって)突然注目を集めても居心地が悪いですし…特に見た目だけで異性に見られるときとか。突然、こうした性的対象として見られずに、自分をかわいく見せることができないのはストレスを感じますね。」とドーンは語る。
サニーは口紅をつけていないだけなのに、「具合が悪い」のか聞かれる
サニー・グエンはめったにファンデーションやメイクをすることはないが、口紅だけはつけるのだと言う。そんなちょっとしたことであれば、たとえ口紅をつけずに外出しても何ら周りの態度は変わらないと思われるが、どうやらそうではないらしい。
サニーが口紅をつけていない日にはどこか具合でも悪いのかと聞かれ、「顔色が悪い」からメイクをしてきたら、と勧められる。一方で、あまり大差ないように感じられるものの、口紅をつけている日には「元気そう」と言われるか、または彼女の外見の変化に気づく人はいないようだ。まるで周囲の人から、オシャレをすることを期待されているかのように感じると言う。
ザン・グエン、化粧をすると大人として扱われる
ザン・グエンは、メイクをすると厚化粧したかのようになり、自分が思う見た目年齢(16歳)よりもずっと年上に見られると言う。最近では、メイクをしていればナンパやアプローチされ、さらにはお酒を買うのに身分証明書の提示を求められることもないそうだ。
しかし、ばっちりメイクをせずに外出すると、常に警備員に呼び止められたリするのも疲れると言う。「飲みに行くために化粧を厚塗りしたくないし、本当に面倒です。」
カリーナに話しかけてくるのは、何の整形手術をしたのか聞いてくる人だけ
メイクをしているときに集める注目がすべて良いものというわけではない。カリーナは身をもって知っている。外で男性からも女性からもめったに話しかけられることはないのだが、話しかけられるときには、「唇とか整形手術をしたのか」と失礼なものであることが多いと言う。
メイクをしていないときには、高校生くらいに見られることが多く、さらに顔色が悪いと言われることもあるようだ。カリーナはこうした反応をあまり気にしないようにしていると言う。「メイクは単に楽しい気晴らしというか、ちょっとしたアートのようなもので、それに頼るべきではないと思います。だって、私たちはそのままでもみんな美しいのですから。」
クライスティが自身を女性として見せるとき、メイクで大きな違いがある
クライスティ・フィリップスは、メイクとは世界に自分の性別をはっきりと提示するために使うツールだと言う。「メイクをしていると扱われ方が違うのは、メイクをして自身を女性に見せているからです。そうでないときには、日々の生活の中で、私は自身を普通の男性として見せています。」
クライスティがメイクで自身を女性に見せると、周りの人たちは女性として扱ってくれて、たいていは良い体験をしていると言う。ただ、思い起こされるのは、ハロウィーンの日に出勤したときに、同僚からハロウィーンに「(仮装をしていて)ピッタリだ」とからかわれたことだ。
シエラ、職場で真剣に対応してもらえないと悩む
シエラは小売店で店長として勤務するものの、見た目のせいで客に軽く見られることが不満だ。シエラの勤務する会社は、速いペースで物事が進み、温かい社風であることから、シエラはメイクをしない。しかしメイクをしなければ、実際の年齢である21歳よりも若く見られ、客からはまるで子どものように扱われるのだ。
しかし、シエラがメイクをするとこうしたことは変わるようだ。男性がドアを開けてくれたり、見た目について褒められるなど、周りの人が親切になると感じている。
シマンティにとって、メイクは多発性硬化症による痛みに対応するために役立つもの
シマンティ・グーハにとって、メイクはかつてはソバカスやシミを隠すのに使うものだった。今では以前のように他人からの目も気にならなくなり、メイクをしなくても平気になった。ただ、本調子ではないときなどメイクをすることもある。
「私は多発性硬化症を患っていて、時々、筋肉が私をバラバラに引き裂いてしまうような感覚に襲われます。痛みがあるので、歩いたり、あまり話したりできません。そんなときでも外出するときには、オシャレをするようにしています。だって、スーパーでも、駐車場でも、自分で助けを呼ぶことができないから、人の注意を受けられるようにしておかなければいけないんです。」
ダナ、メイクをしてもしなくてもダメ
私たちの多くが感じているように、ダナ・フレッチャーもメイクをして、またはせずに出かけるときの扱われ方に矛盾した思いを抱いている。メイクをしてもしなくても満足のいく結果を得られないように感じるのだ。写真の顔の右側と左側、どちらがすっぴんで、どちらにメイクをしているか分からなくても、メイクには大きな効果があると考えている。
ダナは化粧をしていると、はかなげで、心配そう、「作っている」と言われるそうだが、一方で、メイクをしていないときの「イメージ」についてもあまり気にしていないと言う。こうした場合、メイクとは一体なんだろうか。
パニサ、男性には「すっぴんの方がウケる」
パニサ・リトルマンは、おめかししていないときの方が、男性からも女性からもウケがいいと言う。それは、「多くの女性がメイクで再現したいと願うある特徴」のせいだとか。どんなスキンケアをしているのか聞かれることも多々あるようだ。そしてパニサの恋人は、メイクのあるなしにかかわらず、彼女のことを好きだと言ってくれている。
私たちと同じように、パニサもメイクをしていると近寄りがたい印象を与えるのかもしれないと考え、この説を確かめるべく、デートアプリ「Tinder」のプロフィールにメイクをした写真と、メイクをしていない写真を使ってアカウントを作成したが、メイクをしていない写真の方が多くの好意を寄せられたそうだ。
ローラ、公共の場で周りの態度を決めるのは服装だと考える
ローラ・トラベラーにとって、彼女に対する周りの態度を変える決めてとなるのは、メイクではなく「ピッタリと体にフィットする服装」だ。だぼっとした服装をしているときと、周囲の反応はまったく異なると言う。しかしながら、どちらの服装をしていても、嫌な思いをしたことがあると語っている。
覚えているのは、メイクをせずにカジュアルな服装でジョギングをしているときにストーキングされたことだ。「どうも、女性が公共の場にいるだけで、通りすがりの人はその女性の外見を評価する権利があるとでも思っているようです。メイクしようとしまいと、そうした評価からまぬがれることはできないのです。」とローラは述べている。
34歳のクリスタ、いつも高校生かと聞かれる
クリスタ・ストアーは「メイクしない方が若く見えると何度も言われます。」と述べている。病気の母親を見舞うために病院に行ったときなど、数人の看護師から高校生かと聞かれたこともあるそうだ。
すっぴんだと若く見られるというが、クリスタはメイクも楽しんでいる。クリスタはこう語る。「メイクをするのも楽しいし、大人になった気分も味わえます。特に、すっぴんのときにはない反応をされるから。」
ホリー、メイクの有無で、行動まで変わる
ホリー・ワトソンは、メイクをしているときには周りの態度も変わるだけでなく、自身のふるまいも変わると言う。それはメイクをすることで「自信のあるような」行動ができているのではないかと考えている。
メイクをしていないときには、人が話しかけてきても、その意図をあまり「疑わない」し、どちらかというと自身の親しみやすさが出るのではないかと感じている。興味深いことに、ホリーは自身の見た目に対する人の反応を予測して、それに応じて行動しているのかもしれない。メイクが外見だけでなく、内面にまでこれほど影響しているなんて、どうかしている。
アマンダ、メイクの技術が上がると周りの反応も変わった
ときに、重要なのは自身の顔のつくりではなく、メイクの技術や知識なのだ。アマンダ・デュエズはメイクの技術を身につけてから、これを実感している。かつては、メイクをしても「メイクしていない方がいい」と言われていたと言う。しかし、メイクの腕を上げてからは「メイクした方がきれいに見えるって、みんな言ってくれると思う」そうだ。
これが本当かどうかは重要ではないが、メイクの腕によって人の反応が変わるというのは興味深い。だが、メイクが上手ではないからといって、やる気をなくすことはない。メイクをするのが好きなのであれば、メイクを色々と試したりして楽しむといいと思う。他の人がどう思うかなんて、関係ない。
アクシャラ、両親はメイクに否定的
アクシャラ・ジョシは、多くの若い女性と同じように、メイクが大好きだが、その気持ちをなかなか両親に分かってもらえないようだ。アクシャラがメイクをすると、両親はよく「もう少し控えめに」と言うし、かといって、メイクをしていないと、他の人からは具合でも悪いのか聞かれると言う。
このようにまったく異なる意見をきくことで、アクシャラはある境地に達している。「メイクをするかしないかは関係ないのです。もし毎日メイクをすることが好きで、メイクすることで幸せを感じられるのであれば、メイクしたらいいし、メイクするのは大変だし、すっぴんでいる方が好きなのであれば、すっぴんでいたらいいのです。」
メイクをしても、メイクをしていないと思われるハンナ
色白のハンナ・エリザベスは、メイクしていないとまつ毛がないように見えると言う。「まつ毛、ないの?」と聞かれることもあるそうだ。そればかりではなく、すっぴんのときには決まって具合が悪いのか聞かれる。
メイクをしても、メイクをしていないと思われると言う。ハンナは「マスカラをしていてもメイクをしていないと思われがちで、みんな私のまつ毛が元々黒いとでも思っているようなんです。(髪の毛が金髪なのに)まつ毛が元々こんなに黒いわけないじゃないですか。」と語っている。