科学で実証済み!喘息持ちの方は避けた方がいい食べ物とは
アメリカでは、2,600万人以上の人が喘息持ちだと言われています。そのうちの40%は処方箋に加えて別の治療法を取り入れているそうです。この代替医療の多くは食に関連しています。喘息は炎症が原因で発症するため、適切な食事を摂取しているかどうかが症状の程度に影響するのです。
1つの食品のみで喘息を引き起こしたり完治させたりすることはできませんが、よくも悪くも症状に影響します。呼吸を楽にしてくれる食品もあれば、食べて息苦しさを覚える食品もあるでしょう。症状を改善&悪化させる食品と飲料の正しい知識を身につけて、適切なものを選択することが重要です。
就寝前のはちみつ
頻繁に咳をしているのであれば、もっとはちみつを食べるようにしましょう。はちみつは唾液の分泌を促進するため、喉をコーティングして咳の症状を和らげます。また、はちみつの抗炎症成分は気管をリラックスさせてくれます。科学ジャーナルの『ペディアトリクス』で発表された研究では、就寝前にはちみつを食べることで夜中の咳の症状を軽減することができるということがわかりました。
『コンシューマー・ヘルス・ダイジェスト』では、喘息の症状が出ているときに小さじ2分の1のはちみつを摂取するように推奨しています。2歳以上の児童もはちみつの恩恵を受けることができるでしょう。『ジャーナル・オブ・メディカル・フード』の科学レビューの中で、科学者たちは他の喘息の薬とともにはちみつを摂取することのメリットを強調しています。
喘息を悪化させるファストフード
ファストフードが不健康なことはよく知られていますが、喘息の症状を悪化させてしまうことはご存じでしたか?『サイエンス・トランスレーション・メディスン』で発表された研究は、ファストフードと喘息の間に強い因果関係を発見しています。研究者たちによれば、週に3回ファストフードを食べると、深刻な喘息の症状のリスクが最大39%高まります。
2018年には、別の研究によってこの主張が裏付けられました。ファストフードには保存料と塩分が大量に含まれているため、体内から酸素を吸い出してしまいます。この「劣悪な栄養価」は喘息を悪化させるだけです。ファストフードを食べるのであれば、週に1~2階に留めておきましょう。
呼吸を楽にしたいならりんご
新鮮なりんごを食べれば、喘息の症状を抑えられるかもしれません。2004年、『ニュートリション・ジャーナル』の科学考察の中でいくつかのりんごに関する研究が分析されました。研究者たちによれば、りんごのビタミンは肺機能を改善し呼吸を手助けしてくれます。
りんごの栄養素は、幼児の喘息の防止にもつながります。2007年の研究によれば、妊婦が継続的にりんごを食べると生まれてくる子供たちが喘息持ちになる可能性が低くなるということが分かりました。さらに、少なくとも週4でリンゴを食べることでよって、子供の喘鳴の可能性が27%低下します。
気兼ねなく飲めるコーヒー
コーヒー好きに朗報。節度を持ってコーヒーを摂取することで、喘息の症状を抑えることができます。ハーバード大学の研究者たちによれば、コーヒーを飲む人たちは飲まない人たちに比べて喘息の症状を3分の1軽減することができます。紅茶やコーラのような他のカフェイン飲料では同じような効果は得られません。
コーヒーには、カフェインに似たテオフィリンを言う成分が含まれています。テオフィリンは、すでに喘息の薬に使用されている成分です。科学ジャーナル『チェスト』によれば、「長期間にわたる節度あるコーヒーの摂取は、喘息の症状を軽減するだけでなく気管支喘息の発症を防止してくれます」。
ドライフルーツに要注意
ドライフルーツは二酸化硫黄と呼ばれる化学物質のお陰で長く保存することが可能です。人によっては、この化学物質が原因で喘息の症状が悪化してしまうでしょう。アメリカ合衆国農務省(USDA)によれば、喘息の発作と二酸化硫黄には強い相関性があります。ご自身が二酸化硫黄に敏感な人口の1%に当たる場合は特に注意が必要です。
2017年に『ジャーナル・オブ・アズマ・アンド・アレルギー』によって発表された研究では、二酸化硫黄が胸を狭めて呼吸を阻害するということがわかりました。喘息持ちの人にとってこれは命に係わる緊急事態です。ドライフルーツは保存食品の中でも二酸化硫黄の含有量が多いということを覚えておいてください。
症状を改善することも悪化させることもある大豆
科学者の一部は大豆を「アレルギー要因」と非難していますが、複数の研究はそれとは逆の結果を示しています。2010年、アメリカン・ラング・アソシエーションは、大豆が喘息の症状を和らげることを発見しました。大豆には強力な抗酸化物質が含まれており、肺をリラックス・回復させます。
一方、喘息・アレルギーセンターによれば、大豆アレルギーは最も一般的なアレルギーの1つです。大豆アレルギーをお持ちの場合は大豆の摂取はお勧めできません。また、大豆アレルギーでなくとも大豆1本に絞るのはやめましょう。『ジャーナル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシエーション』に発表された研究では、喘息の薬に加えて大豆を摂取した場合にのみ効果が表れています。
喘息持ちはトマトを食べるべし
近年の研究のお陰で、トマトは「新しいスーパーフード」と呼ばれています。2015年、科学者たちはトマトが喘息細胞に直接的に働きかけることを発見しました。トマトから抽出した抗酸化物質であるリコピンが気管内で喘息細胞を破壊したのです。
ハンター・メディカル・リサーチ・インスティチュートの教授であるピーター・ウォークは、特に喘息においてはリコピンほど効果的な抗酸化物質は見たことがないと話します。リコピンはグレープフルーツやスイカにも含まれていますが、含有量はトマトが断然多いとされています。
オレンジという色がカギのターメリック
ターメリックは、クルクミンのお陰で鮮やかなオレンジ色をしています。実はこの化学物質こそ、喘息に有効なのです。2014年、クルクミンカプセルを摂取した喘息患者77名を記録する実験を実施。30日後、患者は気管がすっきりして呼吸がしやすくなったという結果になりました。しかし、カプセルは喘鳴や咳などの症状は軽減してくれません。
ただ、ターメリックが呼吸を楽にしてくれることは確かです。PLOS ONEによる初期研究によれば、カレーを食べることで患者の呼吸が楽になります。これは、ターメリックの主成分であるカレーパウダーの抗炎症成分のお陰であると考えられています。
メリットとデメリットがあるオレンジジュース
喘息持ちの人にとって、オレンジジュースにはメリットとデメリットがあります。メリットで言えば、オレンジジュースには喘息の症状を軽減してくれるビタミンCが豊富に含まれています。『ソラックスBMJ』の研究は、ビタミンCが含まれるジュースは喘息持ちの子供の喘鳴と咳を軽減するということを示しています。
しかし、糖分の多いフルーツジュースは喘息の大敵にもなりえます。別の研究において、ハーバード大学の研究者たちは糖分の多いジュースを飲む子供は7~8歳までに喘息を発症する可能性が高くなると報告しました。喘息を和らげるためにオレンジジュースを購入するのであれば、砂糖が少ないものを選ぶようにしましょう。
鮭の摂取量を増やそう
鮭には大量のオメガ3脂肪酸が含まれています。この抗炎症成分は喘息に有効な可能性があります。2018年、ラ・トローブ大学による研究は、鮭を食べることで児童の喘息の症状が軽減されるということを発見しました。研究では、オメガ3脂肪酸の抗炎症成分のお陰であるとしています。
「我々の研究は、週に2度魚を食べることで喘息持ちの児童の肺の炎症が大幅に減少するということを示しています」と、研究の指揮をとったマリア・パパミカエルは話しています。2019年、別の研究が鮭を食べることは大気汚染から喘息患者を守るというということを証明しました。患者が魚アレルギーではない限り、鮭を摂取することで喘息の症状にメリットがあるようです。
液体窒素が含まれている場合は要注意
液体窒素を含む食品や飲料は、「ドラゴン・ブレス」、「ニトロ・パフ」、「ヘブン・ブレス」などと呼ばれています。アメリカ食品医薬品局では、特に喘息持ちの人にこれらの食品を避けるように呼び掛けています。液体窒素に毒性はありませんが、発生する煙によって気管や肺がひりひりして、結果的に喘息の発作を引き起こす可能性があるのです。
ニューヨークの救急救命室に勤務するロバート・グラッター医師によれば、液体窒素が完全に気化しなかった場合に危険になり得ます。「これによって肺と吸引器官に炎症を引き起こし、呼吸が困難になります」とグラッターは説明しています。そのため、喘息持ちの方は液体窒素が使用されいている食品は回避したほうがよさそうです。
牛乳の摂取量を減らす
一部では、牛乳は粘液を増加させると信じられています。これは科学的に正しいとは言えませんが、いずれにせよ牛乳と喘息の相性はよくありません。『ジャーナル・オブ・ザ・ロイヤル・ソサイエティ・フォー・ザ・プロモーション・オブ・ヘルス』によれば、牛乳を一切摂取しない喘息持ちの子供は喘息の症状が少ないと考えられています。
別の研究では、特定の牛乳のタイプに焦点を置いています。2012年の研究では、低脂肪牛乳とヨーグルトを摂取した妊婦の子供は喘息のリスクが26%高いという結果になりました。一方、全乳の場合では子供の喘息のリスクは15%低い結果になっています。さらに、通常量の脂肪分が含まれた牛乳は、喘息のリスクを最大46%低下させるということがわかりました。
ピクルスには要注意
食品保存料は喘息の引き金になり得ます。最も評判の悪い保存料はピクルスなどに含まれる亜硫酸塩。アズマ・アンド・アレルギー・ファウンデーション・オブ・アメリカは、アレルギー持ちの人はザワークラウト、キムチ、ピクルスなどの亜硫酸塩含有量が多い食品を避けるように呼び掛けています。
1995年、とあるスペインの研究が喘息とピクルスの相関関係を示しています。二酸化硫黄とピクルスの高い酸度が喘息の発作を引き起こすことがあるというのです。喘息持ちの方は、ピクルスの摂取量を制限することをお勧めします。
調理油はオリーブオイル
不健康な飽和脂肪酸は喘息を悪化させますが、健康な不飽和脂肪酸は喘息を和らげてくれます。オリーブオイルには健康的な不飽和脂肪酸が含まれているため、喘息の症状が軽減するはずです。『アドバンス・イン・バイオサーチ』の2015年の研究によれば、オリーブオイルは徐々に症状を軽減してくれる「抗喘息」食品です。
オリーブオイルで調理する地中海料理も、粘液の分泌を促進して呼吸を改善してくれます。科学ジャーナル『ラング』で発表された研究は、地中海料理中心の食生活をする児童は喘息の症状が少ないと結論付けました。喘息に悩まれているのであれば、調理にはオリーブオイルを使うようにしてみてはいかがでしょうか?
ブルーベリーのメリット
ブルーベリーにはたくさんの健康的な栄養素が含まれていますが、特に喘息患者にはお勧めです。台湾大学の研究者たちは、ブルーベリーに含まれる特別な成分であるプテロスチルベンを発見しました。プテロスチルベンは、気道に残って喘息の症状を悪化させる汚染物質を体から取り除いてくれます。
プテロスチルベンを含む果物は他にも存在しますが、ブルーベリーの場合は成分がよりゆっくりと新陳代謝されます。体内にとどまる時間が長いため、喘息を防止するためにより長く働きかけることができるのです。幸いブルーベリーアレルギーというのは珍しいため、多くの人が恩恵を受けることができるでしょう(アメリカン・アカデミー・オブ・アレルギー・アズマ・アンド・イミューノロジー)。
喘息持ちは避けたい炭酸飲料
2012年、炭酸飲料と喘息の強い関連性が明らかになりました。オーストラリアの科学者たちが17,000名以上の患者を分析し、炭酸飲料を多く飲む患者は喘息のリスクがより高いということを発見したのです。端的に言えば、1日2杯以上の炭酸飲料を飲む人は、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)を発症する可能性が15.6%高いということがわかりました。
砂糖が多く含まれるレモネード、ゲータレード、味付きミネラルウォーターなどでも同じような結果が出ています。イエール大学の科学者であるデイビッド・キャッツ教授は、炭酸飲料を飲む人が好みがちな全体的に不健康な食生活が原因の可能性があると指摘しています。
ほうれん草で症状改善
2009年、喘息持ちの子供には特定のビタミンが欠乏していることがわかりました。ビタミンAとビタミンDは、喘息の防止に一役買ってくれます。これらのビタミンは様々な葉物野菜に含まれていますが、ほうれん草にはどちらも含まれています。しかもほうれん草に含まれるビタミンAの一種であるβ-カロテンは、児童の喘息のリスクを3分の1も下げてくれます。
葉物野菜が喘息に効果的であることはよく知られた話です。『ソラックスBMJ』の研究によれば、よりたくさんのほうれん草を摂取することで、大人でも喘息のリスクを軽減することができます。ほうれん草には、他にも潜在的に喘息の症状を和らげる栄養素が豊富に含まれているのです。
喘息持ちは卵を避けるべき?
卵は、児童における最も一般的なアレルギーの引き金の1つです。喘息患者も卵に敏感な人が多いとされています。2004年、喘息持ちの子供たちに卵を摂取させない食生活を送らせる実験が行われました。8週間後、この食生活のお陰で喘息の症状が劇的に改善。また、肺機能の改善も見られました。
しかし、すべての喘息患者が卵の副作用を得るというわけではありません。イタリアで行われたとある研究は、卵にネガティブな反応を示すのは卵に敏感な児童だけであると結論付けています。自分はこれに当てはまるという方は、卵を食生活から抜くべきかもしれません。
豆類はいいの?悪いの?
喘息における研究では、豆に関して様々な結果が出ています。医師によっては、豆を食べすぎないようにアドバイスするかもしれません。2011年の『PLOS ONE』の研究は、キドニービーンズが喘息患者における主要なアレルギーの引き金であることを発見しました。さらに、ガスを引き起こしやすい豆は鼓脹を引き起こし、それによって呼吸が難しくなることもあるかもしれません。
しかし別の研究では、喘息の発作を防止するために豆を摂取することを勧めています。2016年、英国の研究者たちはベイクドビーンズには喘息に効くプレバイオティクスという繊維が含まれていると報告しました。プレバイオティクスは、特に運動後の喘息患者の呼吸をサポートしてくれます。ただ、いずれにせよ食べすぎは要注意です。
人工甘味料はNG
人工甘味料は砂糖よりカロリーが少ないですが、デメリットもあります。アズマ・アンド・アレルギー・ファウンデーション・オブ・アメリカによれば、人工甘味料には喘息を悪化させる保存料が含まれています。
2013年に『PLOS ONE』に発表された研究は、人工甘味料が含まれた飲み物を飲んだ妊婦を対象に調査を実施。これらの飲料を飲んだ母親の子供は、早い段階で喘息を発症する可能性が高いということがわかりました。また、人工甘味料の摂取量に応じてアレルギー性鼻炎のリスクが高まります。喘息のためには、人工甘味料の代わりにはちみつを摂取するようにしましょう。
ドライフルーツは新鮮な果物ほど安全とは言えない
糖尿病患者も健康的な食事の一部として、特定の果物を食べることができる。しかし、果物全体がぎゅっと凝縮されているドライフルーツは避けるべきだ。「このように凝縮されていては、血糖値や血糖インデックス(GI)などすべての値が高くなるのです。」と語るのは、栄養士のルパリ・ダッタだ。
ドライフルーツは新鮮な果物と比べても小さくなっているため、多くの量を食べてしまう傾向がある。たとえば、新鮮なぶどう1カップには炭水化物が27gほどだが、同量のレーズンの炭水化物は115gにもなる。糖尿病患者がドライフルーツを摂取すれば、血糖値が急上昇してしまうだろう。
白パンは全粒粉パンと置き換えて
一部の人々にとっては、にわかには信じがたいかもしれないが、糖尿病を患っていてもパンは食べられる。米国糖尿病協会(ADA)もそれを推奨しているほどだ。ただし、全粒粉パンを適度に食べる場合にかぎる。医学誌『Diabetes Care』の研究によると、白パンはGI値が高いために糖尿病のリスクを高めるとされている。
管理栄養士のスーザン・ワイナーは、全粒粉パンには食物繊維が豊富に含まれており、それが血糖反応を助けるのだという。白パンにはそれほど食物繊維が含まれておらず、血糖値が急上昇してしまいがちなのだとか。全粒粉パンの他、サワードウやライ麦で作ったパンも選択肢に加えることができる。
ダイエット炭酸飲料は、通常の炭酸飲料と同じくらい体に悪い
炭酸飲料は糖尿病食として不向きなのは、周知の事実だろう。しかし、ダイエット炭酸飲料も同じくらい不向きだということをご存知だろうか?米国糖尿病協会(ADA)の研究では、ダイエット飲料と糖尿病との間に一貫した関連性が示されている。日常的にダイエット飲料を飲む人において、2型糖尿病、高血糖値、お腹の脂肪やメタボリック症候群を発現する割合が67%も高かった。
『Clinical and Experimental Ophthalmology』の別の研究によると、ダイエット炭酸飲料が糖尿病性網膜症のリスクを高めることにつながるという結果が示されている。ダイエット炭酸飲料によって目の周りの血管が損傷したり、また、それによって糖尿病患者が盲目になったりする恐れがあるのだという。健康のために、ダイエット炭酸飲料は絶対に避けよう
ほとんどの人工甘味料は避けるべし
人工甘味料は「糖尿病患者に優しい」という謳い文句で販売されているが、研究ではまったく反対の結果が示されている。2018年、研究者らは、人工甘味料が人が考えているよりも糖尿病や肥満に寄与していることを明らかにしている。人工甘味料はインスリンの分泌を害し、血糖値や血管に悪影響を及ぼすのだ。
良い面: 人工甘味料の中には、糖尿病患者が安全に摂取できるものもある。研究では、ステビアやタガトースによる血糖値への悪影響は見られなかった。かかりつけ医や栄養士に、ヘルシーな人工甘味料としてどれを選ぶべきかを相談するのもいいだろう。
低脂肪乳ではなく、高脂肪乳を
健康専門家らは何十年もの間、体に最も良い牛乳はどれなのか議論を続けている。かつて糖尿病の研究者らは低脂肪乳を推奨していたが、今やそうではない。低脂肪乳には確かに脂肪分が少ないものの、その分を糖分で補われている。管理栄養士のニコール・アンツィアニは、低脂肪乳に含まれる糖分で血糖値が急上昇する可能性を示唆している。
一方、高脂肪乳は糖尿病の可能性を減らすかもしれないと言われている。2014年、スウェーデンの研究者らは高脂肪の乳製品が糖尿病のリスク低下に関連していることを明らかにしている。これは糖尿病予備軍にも効果があるという。その他の研究では、高脂肪乳は糖尿病の発病において「中立的」な影響をもつ(つまりどちらとも言えない)としているが、低脂肪乳はヘルシーではないと述べている。
味付きヨーグルトはプレーンヨーグルトほどヘルシーではない
2015年、科学雑誌プロスワン(PLoS ONE)のメタ分析により、ヨーグルトは糖尿病患者にとってヘルシーな食べ物であると結論づけられている。しかしながら、このレビューは、全乳かつ無糖ヨーグルトを対象としている。管理栄養士のデスピナ・ハイド・ガンジーによると、味付きや果物入りのヨーグルトには糖分が加えられているという。
ほとんどの乳製品は血糖インデックス(GI)が低いものの、グラノーラやシロップ、果物などをヨーグルトに加えることで、血糖インデックスが上がるのだ。そのため、味のついていないプレーンヨーグルトを買って、自分で新鮮な果物やナッツを加えた方がいいだろう。管理栄養士のヘザー・カニンガムは、ヨーグルトを購入する場合には、成分表示を見て、炭水化物が20g未満であること、糖分が加えられていないことを確認することを勧めている。
フルーツ缶や野菜の缶詰のデメリット
フルーツ缶や野菜の缶詰は、糖尿病患者の食生活において議論の的となっている。『American Journal of Lifestyle Medicine』の研究では、缶入りの果物や野菜にも、新鮮な果物や野菜と同等の栄養価があるとされている一方で、フルーツ缶には糖分が、野菜の缶詰には塩分が多く含まれているのも事実だ。
フルーツ缶には保存料として糖分が使われており、野菜の缶詰には多くの塩分が使われている上、缶詰にはしばしばビスフェノールA(BPA)が使われている。さらに、2015年にはBPAと2型糖尿病との関連性が明らかとなっている。缶詰の食品を使うと確かに便利ではあるが、糖尿病のリスクを負うほどの価値があるのかについて考えてみよう。
糖尿病患者が最も避けるべき肉は、加工肉
糖尿病患者は肉を食べても良いが、加工肉は避けるべきだ。2010年、ハーバード大学の研究者らは、加工肉によって2型糖尿病のリスクが19%も上がることを報告している。加工肉には塩分が多く含まれ、防腐剤が使われているが、それは糖尿病患者にとっては害でしかない。
同研究では、新鮮な赤身肉は糖尿病を悪化させず、悪化させたのは加工された牛肉のみだったことも報告されている。また、イスラエルの研究では、加工肉がインスリン抵抗性や非アルコール性脂肪肝疾患のリスクを増加することが明らかになっている。こうしたリスクは食した肉の量と関連性があるという。つまり、少量のみを食べるのであれば、健康でいることができるだろう。
カフェラテ、カプチーノなどは避けよう
コーヒーを飲んでも糖尿病のリスクが上がるわけではない。しかし、糖尿病患者にとって、カフェインは血糖値を不安定にさせることがある。2008年の研究によると、カフェインを250mg摂取することで血糖値が8%上昇することが示されている。インスリン感受性に問題のある人にとっては、これは避けたい事態だ。
『Diabetes UK』によると、牛乳やクリーム、シロップの入ったコーヒーは、糖尿病患者にとってはさらに悪影響だという。たとえスモールサイズのカップだったとしても、小さじ10杯分以上の砂糖を摂取するのと同じことになる。糖尿病患者にとって最良の選択は、カフェインが必要なときにはブラックコーヒーを、そして可能な限りカフェインレスコーヒーを楽しむことだろう。
チーズは糖尿病食としてもいいが、塩分が多いものには気をつけよう
チーズは糖尿病食として役に立つ。『米臨床栄養学会誌』の研究で、チーズは2型糖尿病を発現させる可能性を低下させることが報告されている。しかしすべてのチーズに等しくその効果があるわけではない。というのも、チーズによっては他のチーズよりも塩分を多く含むものもあるからだ。たとえばモッツァレラチーズおよそ30gには塩分が4mg含まれているのに対し、同量のフェタチーズには316mgもの塩分が含まれている。
さらにチーズによっては他のチーズよりも栄養成分が高いものもある。パルメザンチーズやモントレー・ジャックチーズはタンパク質が豊富である一方で、プロヴォローネチーズには他よりも多くのカルシウムが含まれている、等々。常に成分表示を確認し、可能な限り塩分が少なめのものを選ぶようにするといい。
ほとんどのファストフード店のメニューは口にするべからず
糖尿病患者であってもファストフードを食べることはできるが、そのほとんどが糖尿病の改善などにまったく役立つものではない。「(ファストフードの食事には)塩分や炭水化物、不健康な飽和脂肪が多く含まれているからです。」と、米国糖尿病療養指導士協会の広報担当者であるサンドラ・アレバロは説明する。ファストフード店で提供されるフライドポテトと炭酸飲料のついたセットメニューの多くは、優に1,000キロカロリーを超えている。
幸いにも、多くのファストフード店では、今やサラダや低炭水化物サンドイッチが提供されている。米国糖尿病協会(ADA)では外食時の注意事項について、次のように記している。できるかぎり小さいサイズのランチを頼むこと、炭酸飲料は水に置きかえること、サイドメニューのフライドポテトは別のものに替えるか、誰か他の人とシェアして食べること。
脂肪分ゼロのサラダドレッシングを使うべからず
糖尿病を患う人は、ヘルシーだろうと考えて「低カロリー」や「脂肪分ゼロ」とうたわれたサラダドレッシングを選んでいるかもしれない。しかしながら、こうしたドレッシングにはまったく逆の効果がある。脂肪分をカットしていない通常のドレッシングには、体が栄養を吸収するのを助ける健康的な脂肪分が含まれている。総合医療医師のイリーナ・トドロフは、オリーブオイルと酢は糖尿病患者や糖尿病予備軍に効果的だと述べている。
小規模な研究ではあるが、サラダドレッシングが血糖値を改善すると報告しているものもある。『欧州臨床栄養学誌』の研究では、サラダドレッシングが血糖値を助けるとも報告されている。そのため、低脂肪のサラダドレッシングを買ったならば、こうしたメリットをすべて逃してしまうだろう。
シリアルバーのほとんどがヘルシーではない
シリアルバーは徐々にヘルシーなものになってきてはいるものの、中にはチョコレートバーのようなものもある。『Diabetes UK』によると、シリアルバーには健康的な複合炭水化物と単純炭水化物とが含まれるという。単純炭水化物にはフルクトースやグルコースが含まれ、体内で糖分に変わる。血糖値を急上昇させるために糖分たっぷりのシリアルバーを食べたくはないだろう。
ネイチャーバレーやクリフ、クエーカーオーツなど有名なシリアルバーメーカーが販売するほとんどのものに含まれる糖分や脂肪分が糖尿病患者には多すぎるのだ。『Academy of Nutrition and Dietetics』の広報担当者トレイ・アルムルはシリアルバーの代わりにナッツと果物を食べることを推奨している。
フライドポテト、サイアクなサイドメニュー
ジャガイモ自体炭水化物が多いが、揚げたものはさらに良くない。揚げ油に使われる植物油がトランス脂肪と共にフライドポテトに入りこむ。フライドポテトはすべて単純炭水化物だ。「揚げているものにしろ、揚げていないものにしろ、ジャガイモは血糖値を上げ、高い値がしばらく続くのです。糖尿病患者にとっては難しい組み合わせです。」と管理栄養士のロリ・ザニーニは述べている。
Sサイズのフライドポテトには炭水化物33gが含まれ、血糖インデックスが高い。フライドポテトにもっと多くの食物繊維が入っていれば、体内の血糖値の急上昇を防ぐこともできただろうが、残念ながら食物繊維はほとんど含まれていない。そのため、糖尿病を患っているのであれば、フライドポテトは避けるべきだ。
オレンジジュースはオレンジよりも糖分が多い
糖尿病の専門家らは、オレンジジュースの安全性について議論している。というのも、ほとんどのジュースには炭水化物やカロリー、糖分が多く含まれている。管理栄養士のリン・グリーガーは2型糖尿病患者にはこうしたジュースはお勧めしないと述べている。
だが一方で、100%オレンジジュースには添加糖類よりもオレンジが多く含まれている。2019年、『Nutrients』の研究は、オレンジジュースはインスリンに対し、オレンジを食べるのと同じ効果が得られると断言している。オレンジジュースを飲む場合には、適度な量にし、糖分の少ないものを選ぶようにしよう。
エネルギードリンクを信用してはならない
エネルギードリンクには糖分やカフェインが多く含まれているため、糖尿病患者にとっては爆弾のようなものだ。2015年、研究者らは、エネルギードリンクは10代の若者が摂取してもインスリンや血糖値の急上昇を引き起こすことを報告している。1本で、30%まで血糖を上昇させる。
カナダのカルガリー大学の科学者らは、エネルギードリンクは子どもにおいてさえも、メタボリック症候群のリスクを高めると述べている。さらに悪いことには、多くのエネルギードリンクメーカーがその成分を明らかにしていないことだ。つまり、何が入っているものを飲んでいるのか、誰も分かっていないということだ。エネルギードリンクは避け、用心するに越したことはない。
チップスはやめられない、止まらない
ポテトチップスは健康に最悪なスナックというほどではないが、もちろん、最良でもない。ほとんどのポテトチップスは揚げた後、塩で味付けされている。塩分を過剰に摂取すると血圧が上がるため、糖尿病患者は避けるべきだと『Diabetes UK』は述べている。『糖尿病の自己管理』によると、ポテトチップスに関連するもう1つのリスクは、大抵の場合、食べ過ぎてしまうことにある。
チップスは食べ始めると止まらない。『米臨床栄養学会誌』の研究によると、人は塩分多めの食べ物を食べ過ぎてしまう傾向にあると報告されている。つまり、ポテトチップスは止められないのだ。『National Diabetes Information Clearinghouse』は、揚げたものではなく、焼いたベークドチップスを適量に食べることを推奨している。
ほとんどのスポーツドリンクは糖尿病患者向きではない
電解質、ナトリウム、ミネラルを多く含んだスポーツドリンクは、素早く水分補給することを目的としているが、糖尿病を患っている人は、成分表示をよく確認した方がいい。『ADW Diabetes』によると、ほとんどのスポーツドリンクには炭水化物、ナトリウム、カフェインが多く含まれているが、これらはすべて糖尿病患者であれば避けるべきものなのだ。
というわけで、糖尿病患者向けの電解質飲料も店頭で購入することができるため、血糖インデックスが低く、糖分ゼロで、カフェインの少ないものを選ぶようにしよう。ゲータレードやパワーエイド・ゼロなどの有名メーカーのものは糖尿病患者には向かない。心配であれば、かかりつけ医に相談するといいだろう。
出来合いの焼き菓子や菓子パンは糖尿病患者には良くない
一部の人々にとっては予想外かもしれないが、糖尿病患者でもある程度の焼き菓子を食べることはできる。しかし、出来合いの菓子パンや菓子は、焼きたてのものよりも危険であることが多い。というのも、こうした出来合いの菓子パンや菓子には、防腐剤の観点から糖分が多く使われている上、精製炭水化物を使用しているからだ。
管理栄養士のエイミー・キンバーレインは、『Academy of Nutrition and Dietetics』の広報担当者だが、精製炭水化物は体内で糖分に変わり、インスリンを多く分泌させると言う。つまり、糖尿病患者にとっては好ましくない状態となるのだ。糖尿病患者向きの菓子も色々と売られているが、食べても大丈夫だと分かっている場合を除いては、出来合いのものを避けた方がいい。
オートミールはヘルシーだが、味付きのものは避けよう
オートミールだけであれば、糖尿病患者にとって健康的な食事となる。しかしながら、味のついたインスタントオートミールは、オートミールの良さを台無しにしてしまう。管理栄養士のリア・コフマムは、糖尿病患者であれば『メープル・ブラウン・シュガー』など、味付きのオートミールを避けることを勧めている。
こうした味をつけるためには甘味料や防腐剤、添加糖類が使われていることが多く、血糖値が急に上がる原因となる。インスタントオートミール自体は食べることはできるが、糖分が加えられていないものを選ぼう。そして、自分で果物やナッツバター、糖尿病患者向けの人工甘味料を加えるといいだろう。そのままのオートミールは食物繊維が豊富で、糖尿病食にはうってつけだ。