知らないうちに太る原因に?実はドーナツよりも砂糖が含まれている”健康”食品
ドーナツといえば、甘い洋菓子の代表格としてあげられる。2型糖尿病や心疾患を引き起こすとしてしばしば悪者扱いされる菓子ではあるが、実際には、ほとんどのドーナツに一般的に言われるほどの砂糖は使われていない。クリスピークリームのグレーズドドーナツに含まれる砂糖は10グラムほどだし、中にジェリー状のクリームが入っているドーナツに入っている砂糖はおよそ6グラムだ。
しかしながら、多くの食品…「健康に良い」と謳われている食品にはドーナツ以上の砂糖が使われていることがある。脂肪分ゼロのヨーグルトから、ソースやサラダドレッシングまで、甘みがないものはない。実際にはドーナツよりも多くの砂糖が使われている「健康食品」を見て、あなたは衝撃を受けるかもしれない。
グラノーラバー
ニューヨークタイムズ誌の調査によると、およそ70%ものアメリカ人がグラノーラバーを「健康的な食品」だと見なしていることが明らかになった。しかし、これらを食べる前にパッケージの裏にある栄養成分表を見て、砂糖が多く含まれていないことを確認した方がいい。たとえば、ケロッグ社のスペシャルKバーには、およそ15グラムもの砂糖が含まれているが、これはダンキン・ドーナツよりも多い。よく見るKINDバーの、アーモンドやアプリコット、ヨーグルトが入ったものなどにはおよそ16グラムもの砂糖が使われている。
「グラノーラバーなどで25グラムもの砂糖が使われているものを見たことがありますが、これはばかげたことです。」と、管理栄養士のアンディ・ベラッティは言う。もちろん、巷には本当に健康的なものも存在している。ベラッティは「ぶどう糖果糖液糖」などは避けた方がいいとも述べている。
無脂肪ヨーグルト
カロリー摂取量を気にしている人は、「無脂肪」と容器に書かれているヨーグルトに手を伸ばしているかもしれない。残念ながら、こうしたヨーグルトには脂肪分の代わりに砂糖が加えられている。メーカーによってはおよそ30グラムもの砂糖を使っているところもある。言うまでもなく、これはジェリー状のクリームが入っているドーナツ5個分に相当するだけでなく、米国農務省(USDA)が定める1日の糖類摂取基準の60%に相当する。
一方で、ギリシャヨーグルトのような全脂肪ヨーグルトは、牛乳本来の甘みをいかすことができるため、砂糖はあまり加えられていない。その上、乳製品に含まれる成分には、脂肪を落とすのを助ける役割があるものもある。アメリカン・ジャーナル・オブ・ニュートリションに発表された研究によると、乳製品に含まれる共役リノール酸(CLA)には減量を助ける役割があるとされている。ところが無脂肪ヨーグルトにはCLAはまったく含まれていないか、含まれたとしていてもわずかであるためCLAの効果は期待できない。
加糖アーモンドミルク
アーモンドミルクは乳製品に代わる健康飲料として人気だ。しかしながら、多くの植物性ミルクにはその風味を補うために砂糖が加えられている。米国食品医薬品局(FDA)によると、よく見られるブルーダイヤモンドの加糖アーモンドミルク(バニラ風味)には、クリスピークリームドーナツを軽く上回る13グラムもの砂糖が含まれている。チョコレート味のアーモンドミルクに至っては、チョコレート・ドーナツ2個分よりも多い21グラムもの砂糖が含まれている。
植物性ミルクなど代替ミルクの研究者オウティ・マキネンは、アーモンドミルクを買う場合には加糖されていないものを選ぶように勧めている。無糖のアーモンドミルク(バニラ風味)でさえ、1カップあたり2グラム未満の砂糖が含まれている。タイム誌によると、4/5の栄養学専門家らは、ビタミンEを多く含むという理由からアーモンドミルクを勧めているという。
ラテ(低脂肪を含む)
ラテの多くには、フレーバーシロップを加える前の時点で、すでに多くの砂糖が含まれている。たとえばスターバックスでグランデサイズのラテを頼んだ場合、17グラムもの砂糖を摂取することになる。ラテに加える牛乳を無脂肪のものにするのも良し悪しだ。というのも、牛乳に含まれる脂肪分が甘味料で補われているからだ。スターバックスで、トールサイズのモカ・ラテを無脂肪乳で頼んだとしても、33グラムもの砂糖、つまりチョコレート・ドーナツ3個分に相当する砂糖が含まれている。
こうしたドリンクの多くには、液状の果糖が含まれている。2016年、米国心臓病学会誌(Journal of the American College of Cardiology)に発表された研究によると、液糖は特に体に有害で、2型糖尿病や心臓病、肥満のリスクを高めることが明らかにされている。
脂肪分ゼロのドレッシング
低脂肪を謳う商品は多くあるが、脂肪分ゼロのドレッシングも、脂肪分の代わりに砂糖が使われている。たとえば、一般的なクラフト社の脂肪分ゼロのイタリアン・ドレッシングには1カップあたり20グラム、つまりクリスピークリームドーナツ5個分もの砂糖が含まれている。たとえ大さじ1杯分しか使わなかったとしても、それでも砂糖2グラムを摂取している。
それに、脂肪分ゼロの食品によって体の栄養素は奪われている。2012年、パデュー大学の研究者らは、脂肪分がビタミンA、D、E、Kの吸収を助けていることを発見している。つまり、低脂肪のドレッシングをかけてサラダを食べても、体はその栄養分を十分に吸収することはできないのだ。
ビタミン・ウォーター
ビタミン・ウォーターはビタミンを豊富に含むとして人気がある。しかしながら、このビタミン・ウォーターにも果糖が含まれている。およそ600mlのビタミン・ウォーター「エッセンシャル」を飲むと、32グラムもの砂糖を摂取することになる。これはグレーズドドーナツ3個分をゴクゴクと飲んでしまっているのと同じだ。そしてビタミン・ウォーターに含まれる結晶果糖も入れると、コカ・コーラと同じ量の砂糖を摂取することになるのだ。
ほとんどのビタミン・ウォーターに含まれている糖類は果糖で、これが最も有害だとされている。2009年、科学者らは果糖はぶどう糖よりも体に悪いと報告している。さらに、この研究結果は果糖とメタボリック症候群、2型糖尿病、心臓病を関連づけた「Current Opinion in Lipidology」によって、実証されている。
パスタソースにもご注意
使う食材にもよるが、パスタは健康的な(かつ美味しい)料理にもなる。しかし当然のことながら、すべてのパスタソースが同じように作られているわけではない。Chunky Raguのニンニクと玉ねぎソースのように、12グラムもの砂糖で甘くしてあるものもある。
管理栄養士のダナ・ハンズ博士は、パスタソースを選ぶときにはパッケージ裏の栄養成分表示を見て、自分が分かる材料だけが入っているソースを選ぶことを勧めている。健康的なパスタソースでは、コーンシロップではなく、オリーブオイルにトマト、香草が使われている。そして、少量の脂肪分であれば気にすることはない。というのも、管理栄養士のエイミー・キーティングによれば、その脂肪分によって体が心臓病を予防するカルチノイドであるリコピンの吸収を助けてくれるからだ。
ベークドビーンズ
豆製品に砂糖が使われていることをご存知だろうか。少なくとも、風味付けされたベークドビーンズには砂糖が使われている。USDAによると、キャンベル社のベークドビーンズ半カップには13グラムもの砂糖が含まれている。さらに、ほとんどのベークドビーンズ缶には、着色料や香味料、遺伝子組み換えされたコーンスターチなどの添加物が使われていることが多い。
とは言え、メーカーによってベークドビーンズ缶に含まれる砂糖の量は様々だ。糖質含有量の低いベークドビーンズ缶を見つけたならば、迷うことなく味わうといい。2016年、アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション(米臨床栄養学会誌)に発表された研究によると、豆類を摂取することによって、カロリー制限することなく体重の維持や減量できることが明らかになっている。
バーベキューソース
バーベキューソースは美味しいが、砂糖が使われていないわけがない。一般的にバーベキューソース大さじ2杯には、12~17グラムもの砂糖が含まれていると言われている。マクドナルドのバーベキューソースのように、すでに個別包装されているものであれば、10グラムもの砂糖を摂取することになる。
「調味料などを控えめにかけるという人は少ないし、多くの人々があまり分量を細かく考えずに使っています。」と言うのは管理栄養士のブリジット・ツァイトリンだ。(民放テレビ局である)フードネットワークに出演する栄養士のダナ・アンジェロ・ホワイト博士は、Stubb'sやトレーダージョーズのバーベキューソースなどのように糖質含有量の低いものを選ぶようにと勧めている。
インスタントオーツ
オート麦は食べられる穀物の中でも最も健康的なものであると言われている。しかしながら、個別包装されたインスタントオートミールには、食塩、着色料、そしてもちろん砂糖が含まれている。クエーカーオーツ社のインスタントオートミールには1袋あたり12グラムの砂糖が含まれており、これはダンキン・ドーナツ1個分に相当する。その一方で、エール大学のデービッド・L・カッツ博士は「これだけ砂糖が含まれているにもかかわらず、このインスタントオートミールの方が一般的にアメリカ人が食べている朝ごはんよりもマシだと言えるでしょう。」と述べている。
もちろん、通常のオーツ麦には砂糖は加えられていないことを覚えておこう。ワシントン大学の管理栄養士であるコニー・ディークマンは、スチールカットの全粒オート麦を選ぶことを勧めている。インスタントではなくとも、調理にそんなに時間もかからず、ハチミツを加えて風味をつけることができる。
トレイル・ミックス
正しい材料を使えば、トレイル・ミックスは健康的かつ満腹感を得られるおやつになるが、ほとんどのトレイル・ミックスに入っているチョコレートとドライフルーツの量を考えると、もはやデザートと呼べるのではなかろうか。一般的なトレイル・ミックス1袋には10グラムもの砂糖が使われているし、(Planters社のフルーツ・ナッツミックスなどの)トレイル・ミックスに至っては、13グラムもの砂糖が含まれている。
コンシューマーリポーツ誌のエイミー・キーティングは、主にフルーツとナッツが入っているトレイル・ミックスを選ぶことを勧めている。ヨーグルトがコーティングされているレーズンは避けた方がいい。というのも、ヨーグルトにはたいてい硬化油が使われているからだ。そして、1人分はお椀のようにした片方の手のひらにおさまる分量、つまり1/4カップほどだということを覚えておこう。
ヌテラ
ヌテラはチョコレートに代わる健康的なスプレッド(ジャムやバターのようにパンに塗るもの)として人気だ。そして、確かにヌテラには微量の鉄分やカルシウムが含まれているものの、主に含まれているのは砂糖だ。大さじ2杯ほどに、なんとダンキン・ドーナツのチョコレートクリームがたっぷりかかったドーナツ1つ、もしくはクリスピークリームドーナツのグレーズドドーナツ2個分に相当する21グラムもの砂糖が含まれている。これは砂糖大さじ5杯分だ。
ホリスティック栄養士のメーガン・テルプナーは、大さじ2杯分のヌテラは、一般的な成人女性が1日に摂取することを推奨される糖質量の83%に相当すると述べている。こうした糖分の摂り過ぎによって、興奮状態が起こった(シュガーハイ)後にどっと疲労感が出るとも言われている。栄養方針(Dietetic Directions)によると、ヌテラにはヤシ油も含まれており、心疾患の一因となりうる有害なコレステロール値を上げる恐れがある。
全粒粉朝食用シリアル
多くのシリアルメーカーは全粒粉を使うことで、自社製品が健康的な食品であることをアピールしようとしている。確かに全粒粉を使えばより健康的な商品になるかもしれないが、全粒粉を使っているからといって必ずしもシリアルに含まれる砂糖の量が少ないわけではない。2014年、環境作業部会は一般的に朝食に食べられているシリアルの25%は砂糖だと報告している。たとえば、ケロッグ社のスペシャルKシリアルには13グラムもの砂糖が含まれている。
その上、すべてのシリアルの92%に添加糖類が使われている。世界保健機関(WHO)とアメリカ人のための栄養ガイドラインは、添加糖類は製品の10%未満であるべきだということに同意している。多くのシリアルが、子どもが1日に摂取することを推奨されている糖質量をはるかに上回っている。朝ごはんにシリアルを食べたいのであれば、栄養成分表を確認して賢く選ぼう。
アップルソース
リンゴが使われているからといって、アップルソースが健康的であるというわけではない。一般的な加糖アップルソース1カップには、36グラムもの砂糖が含まれている。これはチョコレート・ドーナツ3個分以上だ。それでは無糖アップルソースはどうだろう?USDAによると、無糖アップルソース1カップにも23グラムもの砂糖が含まれているという。アップルソースのカロリーの88%以上が糖分によるものだ。
2015年に食品・栄養研究(Food & Nutrition Research)に発表された研究によると、アップルソースを食べる人は、リンゴやリンゴジュースを摂る人と比較して、全体的に多くの糖分を摂取していることが明らかになっている。その上、リンゴやリンゴジュースを摂る人は、全体的に糖質摂取量が少なく、健康的な食生活を送っていると言われている。
ドライフルーツ
そう、果物は健康的だ。しかし、ドライフルーツの中には添加糖類が加えられているものもあり、たとえば小さな箱に入ったレーズンに25グラムもの砂糖が含まれるという結果になってしまうこともある。「果物に含まれる自然な糖分に添加糖類が加えられると、もはやそれはキャンディーの部類に入ると言っても過言ではありません。」と、エール大学のデービッド・カッツ博士はタイム誌に語っている。
ドライフルーツは果物そのものと比べても小さく、少量になっているため、ついつい食べ過ぎてしまう。クリーブランドの臨床栄養士のクリスティン・カークパトリックは、こうした糖分が体に負担をかけ、「炎症のジェットコースター」を引き起こす恐れがあると述べている。ドライフルーツを選ぶときには、添加糖類が加えられていないことを必ず確認することだ。
グラノーラ
環境作業部会によると、グラノーラは最もたっぷり砂糖が使われているシリアルだという。たとえばケロッグ社の低脂肪グラノーラ1/2カップには14グラム以上の砂糖が含まれている。管理栄養士のシンシア・サスはタイム誌に対し、グラノーラの標準レシピといったものが存在しないため、メーカーによってグラノーラは異なるものが作られていると答えている。
スポーツ栄養士のナンシー・クラークは「グラノーラにはドライフルーツやナッツが使われているものの、栄養的な面では大きく影響するほどの量ではありません。」と述べている。さらにシンシア・サスは「パッケージにある原材料を確認し、甘味料が最初の方に記載されていればいるほど、それだけ糖分が入っているということになります。」と付け加えている。原材料にぶどう糖やコーンシロップ、スクロースなどが記載されていないかをきちんと確認しよう。
低脂肪ピーナッツバター
基本的に、低脂肪製品では脂肪分の代わりに砂糖が使われている。ピーナッツバターも例外ではない。低脂肪ピーナッツバターには、通常のピーナッツバターよりも砂糖やコーンシロップが使われており、大さじ2杯あたりの砂糖の量は12グラムだ。これが通常のピーナッツバターであれば、大さじ1杯あたり1グラムとなっている。
純粋にピーナッツから作られたピーナッツバターを避ける理由などない。Appetite誌のピーナッツバターの研究によると、ピーナッツバターは空腹感を減らしたり、減量や血糖値の調節を助けたりすることが明らかになっている。通常のピーナッツバターに含まれる脂質は健康にいいが、低脂肪ピーナッツバターには健康に悪い植物油が含まれている。
容器に入って売られているスムージー
スムージーには果物に含まれる自然な糖分が含まれているが、これは添加糖類ほど有害ではない。ところが、ボトル容器で売られているほとんどのスムージーには添加糖類が加えられている。管理栄養士のマーリーン・コッホは、ボトル容器のスムージーにはたいてい18~28グラムの添加糖類が加えられていると述べている。これはクリスピークリームドーナツのグレーズドドーナツ2個分に相当する。
ジュースは固形食品よりも多くの糖分を摂取してしまう。2013年、英国医学会会報の研究で、甘い飲み物によって2型糖尿病のリスクが著しく増加すると報告されている。さらに英国歯科学会会報によると、甘い飲み物は虫歯の原因にもなるという。スムージーが飲みたければ、家で作る方がいいだろう。
オレンジジュース
果物ジュースの原料が果物だからといって、必ずしもそれが健康的であるというわけではない。たとえばオレンジジュースには1杯あたり21グラムもの砂糖が含まれている。オレンジを絞って作ったジュースの糖分は7グラムほどであるため、残りは添加糖類ということになる。デービッド・パーマッター博士は、オレンジジュースを飲むことがこうした余分な糖分の摂取につながるため、オレンジジュースからビタミンCが少し摂取できるというのもあまりプラスにはならない、と述べている。
「果物ジュースはカロリーだけを考えても、炭酸飲料よりも健康に良くないのです。」肥満の専門家ロバート・ラスティグ博士はBBC放送の「体に良い食べ物(Good Food)」で語っている。2013年、英国医学会会報の研究において、果物自体を食べることで糖尿病リスクを下げることができる一方、果物ジュースを飲むとそのリスクが増加することが明らかとなっている。
フルーツ缶詰
保存食品と同じく、実はフルーツ缶詰にも添加糖類が加えられている。たとえば、桃缶1/2カップには23グラムもの砂糖が含まれており、グレーズドドーナツ2個分以上に相当するのだ。フードネットワークに出演する栄養士のトビー・アミドーによると、たとえば西洋梨の缶詰1/2カップには12グラムが含まれるなど、商品によって含まれる砂糖の量は異なるのだという。
2015年、研究者らは、フルーツ缶詰を食べる人はより多くのカロリーや糖分を摂取していることを明らかにした。しかしながら、フルーツ缶詰を食べない人と比べると、健康的な食生活を送っていることも明らかになっている。結局のところ、フルーツ缶詰でも果物をまったく食べないよりは良いが、フルーツ缶詰よりは普通に果物を食べる方が健康に良い。
イチジク、最も甘い果物の1つ
果物に糖分が含まれているのは周知の事実だ。たいていの場合、果物の糖分は食事・健康指針には含まれていない。たとえば、米国心臓協会が砂糖の摂取量を測るときには、自然の中に存在しない甘味料である添加糖類しか計算に入れない。
しかし、だからといって果物にどのくらいのぶどう糖が含まれているのかを気にしなくていいというわけではない。厳しく食生活を管理している人は、梨を間食することによってカロリーなどの計算が大幅に狂ってしまうのかを把握したいだろう。果物はこんなにも甘いのに、本当に健康に良いのだろうか?スクロースが多く含まれているのはどの果物なのだろうか?続きを読み進めて、未だに結論づけられていない果物の糖分について、真実をひも解こう。
さくらんぼは甘く、眠りを助ける働きがある
一般的なさくらんぼ1カップには13グラムの糖分が含まれている。甘果オウトウ(赤いさくらんぼとは異なる)には1カップあたり20グラムの糖分が含まれている。ほとんどの果物と同じように、新鮮なさくらんぼと比較してもドライチェリーには添加糖類が加えられており、1/3カップあたりおよそ30グラムの糖分が含まれている。
デザートに果物を食べたいのであれば、さくらんぼを選ぶと間違いない。アメリカン・ジャーナル・オブ・セラピューティクスの研究によると、さくらんぼは自然にメラトニンが生成されるため、眠りを助ける働きがあるという。「食品と機能」誌に発表された2018年の研究では、酸っぱいさくらんぼはコレステロール値や血圧を下げる働きがあることが明らかにされている。
ぶどうは甘いが、健康に良い
ぶどう1カップには15グラムの糖分が含まれている。しかしながら、ぶどうの糖度は種類によって異なる。コットンキャンディ・グレープは1カップあたり23グラムの糖分が含まれ、レーズンには自然な甘さだけでも25グラムの糖分が含まれている。だから甘くて美味しいのだ!
ただ、だからといってぶどうを食べないという選択はしなくても良い。ぶどうにはビタミンCやK、B6が豊富に含まれている。赤ぶどうによく含まれる抗酸化物質など、ぶどうには1,600もの植物性化合物が含まれている。欧米医薬品化学学会誌によると、ぶどうには糖尿病や心臓病、癌のリスクを減らすのを助ける働きがあるという。
マンゴー、最も糖分の多い果物
ほとんどのトロピカルフルーツと同じように、マンゴーにも天然の糖分が多く含まれている。マンゴーを丸々1つ食べると、46グラムもの砂糖を摂取したことになる。これはほとんどの種類のドーナツよりも多い。しかしながら、たいていの場合、そんなに大量に食べることはない。マンゴー1カップはマンゴーを半分に切ったのと同じ量にあたるが、23グラムの果糖が含まれている。
糖質が高いにもかかわらず、マンゴーには血糖値の調節を助ける働きがある。2014年の研究では、肥満と診断された被験者らにフリーズドライマンゴーを摂取させると、その血糖値の改善が見られている。その研究ではマンゴーが減量を助けるという結果は得られなかったものの、被験者の糖尿病リスクを減少していた。
呼吸器系のために甘いキウイフルーツを食べよう
キウイフルーツには他のトロピカルフルーツと比べても含まれる糖分は少ない。というのも、果物自体の大きさが小さいからだ。キウイフルーツ1つには、6グラムの糖分が含まれている。キウイフルーツ1カップであれば、16グラムほどになる。たいていの人が食べる分量は1人分よりも少ないため、16グラムもの果糖を摂取することはない。
一般的な果物によく見られるように、食物繊維が豊富で、ビタミンや抗酸化物質を含んでいる以外にも、キウイフルーツには呼吸器系を助ける働きがある。2012年の研究によると、一日4個新鮮なキウイフルーツを食べた被験者における呼吸器感染リスクは低かった。これはおそらく、キウイフルーツに含まれるポリフェノールやビタミンが関係している。
西洋梨もそんなに悪くない
他の果物と比較しても、西洋梨に含まれる糖分は高い。中くらいのサイズの西洋梨には17グラムもの糖分が含まれている。もちろんこれは、梨の種類によって変わる。これほどの糖分が含まれていれば、糖尿病のリスクに繋がるのではないかと思われるかもしれないが、研究はその反対の結果を示している。
2017年、「食品と機能」誌に発表された研究では、リンゴや梨を食べることで2型糖尿病リスクを18%減少することが報告されている。しかしながら、ジュースとして梨を消費しても同じ結果は得られないという。西洋梨1人分を食べたとしても、悪い結果に繋がることはないだろう。
バナナは有害ではない
バナナケーキがどうしてあんなに甘いのか疑問に思ったことはないだろうか。添加糖類が加えられているのではなく、中くらいのサイズのバナナには14グラムもの糖分が含まれているのだ。これはイチゴ1カップに含まれる糖分のおよそ2倍に相当する。しかしながら、ここで紹介してきた他の果物同様、だからといってバナナを避ける理由にはならない。
「たくさんバナナを食べ過ぎたからといって糖尿病になったり脂肪がついたりということはありません。」というのは、管理栄養士のジェシカ・ビフニアックだ。さらにビフニアックは、バナナには食物繊維が豊富であるばかりでなく、電解質、カリウム、ビタミンB群が豊富であることも付け加えている。2014年、研究者らは熟していないバナナと比べて、熟れすぎたバナナは血糖値の改善に大きな影響を与えるということを明らかにしている。
グレープフルーツに減量効果?
グレープフルーツにはどのくらいの糖分が含まれているのだろうか?驚くなかれ。この酸っぱい果物を半分に切ると、その中には8グラムのスクロースが含まれており、当然、丸々1つを食べるとそのスクロースも倍量となる。しかし研究によると、柑橘系の果物はその高い糖分にもかかわらず、減量を助ける働きがあることを示している。
2011年、「栄養と代謝」誌で発表された研究によると、グレープフルーツを食した被験者のお腹周りがおよそ4cm減り、体脂肪を7%低下させたという。バンダービルト大学の研究者らが行った他の研究では、食生活にグレープフルーツを取り入れることで減量を助けることが明らかになっている。グレープフルーツジュースでも減量効果が得られるようだ。
甘露メロン(ハネデューメロン)は糖分たっぷりだが健康に良い
ハネデューメロンは糖度が高く、他のどのメロンよりも甘い。一般的なハネデューメロン一切れには10グラムもの糖分が含まれており、1カップでその糖分量はおよそ14グラムにもなる。ハネデューメロンはほとんどが水分であることから、カロリーの90%が糖分だ。しかし、このカロリーには食物繊維も含まれていることから、ハネデューメロンを食べてもシュガーハイにはならない。
また、ハネデューメロンには骨の健康に欠かせない栄養素が豊富に含まれている。2015年「栄養素」誌の研究によると、葉酸とビタミンB群には、経時的に骨密度を維持する働きがあることが明らかになっている。ハネデューメロンには、骨の健康を助けるミネラルであるビタミンKも含まれている。
オレンジは糖分たっぷり?それは大きさによる
オレンジに含まれる糖分は、その大きさによる。たとえば大きなオレンジには17グラムの糖分が含まれるが、小さいものでは9グラムほどだ。一般的に、中くらいのサイズのオレンジには12グラムの糖分が含まれている。みかんは、オレンジに比べてわずかに糖分が高く、(もちろん大きさにもよるが)1個あたり12.7グラムの糖分が含まれている。
オレンジの主な糖質は、果糖、ぶどう糖、スクロースなどの単糖と食物繊維だ。また、ビタミンC、カリウム、ビタミンB群が含まれている。2011年、研究者らはオレンジに血圧を下げる抗凝血効果があると報告している。さらにオレンジジュースでも同様の効果が得られるという。
ライチが甘いのには理由がある
ライチはタイ料理や飲み物によく使われるトロピカルフルーツだ。赤っぽい色の皮をむいて出てくる白い実を口に入れると、口の中は甘さでいっぱいになる。ライチ1カップには30グラムもの糖分が含まれている。飲み物にライチシロップを入れたならば、もっと砂糖を摂取していることになるだろう。
一方で、ライチ1カップには、一日に摂取することを推奨されているビタミンC摂取量をはるかに上回るほどのビタミンCが含まれているだけでなく、健康に良い量の銅やカリウムも含まれている。2006年の「Cancer Letter」誌の動物研究では、ライチに癌細胞の形成を防ぐ効果が認められている。
基本的にパイナップルはデザート
一般的に、トロピカルフルーツには温帯果物よりも糖度が高い。パイナップルなどはそのいい例だ。パイナップル1カップには16グラムの糖分が含まれている。丸ごとパイナップルを食べると、89グラムもの糖分を摂取することになる!これはチョコレート・ドーナツ7個分に相当する。
ただ、パイナップルは添加糖類とは異なり、その他にも栄養素が豊富に含まれている。パイナップル1カップには一日に摂取することを推奨されているビタミンCとマンガンをそれぞれ131%と76%も摂取できる。さらに、試験管内研究で癌細胞を消滅させたブロメラインという化合物も含まれている。
どのくらいのスイカを食べたらいいのだろうか
スイカ(ウォーターメロン)は名前の通り、92%が水分だが、糖分も高い。中くらいのサイズのスイカ一切れには17グラムのぶどう糖が含まれているが、これをさいの目切りしてカップ1杯にすると10グラムに抑えられる。幸いにも、他の果物ほど糖分は高くない。
ニュース番組のトゥデイによると、スイカを食べ過ぎると血糖値の急上昇につながるという。しかし一方で、スイカには一日に必要なビタミンCの20%、ビタミンAの17%、そしていくらかの食物繊維が含まれている上、水分補給にもぴったりだ。医療・健康情報サイトのWebMDは、スイカの摂取量を一切れか二切れにとどめることを推奨している。
リンゴは血糖値を上げない
リンゴは甘いが他の果物と比べても含まれる糖分は少ない。リンゴ1カップには10グラムの糖分が含まれ、中くらいのサイズのリンゴ丸ごと1個でも19グラム程度だ。しかしながら、リンゴを食べる時には芯をよけるため、丸ごと1個食べる人もなかなかいない。
リンゴによって血糖値が上がることを心配する人も中にはいるが、研究者らはその反対を唱えている。つまり、分子科学国際ジャーナルにも裏付けられているように、リンゴには食物繊維やポリフェノールが豊富に含まれているため、消化に時間がかかる。そのため、糖尿病を患う人でさえ、血糖値が急上昇することはないだろうと言われている。
桃はコレステロール値を下げる働きがある
桃はその甘い味わいにもかかわらず、他の果物ほどスクロースは含まれていない。桃1個には13グラムの糖分が含まれており、くし形切りにしてカップ1杯分にしても含まれる糖分は同じくらいだ。桃にはビタミンCやカリウム、鉄などの抗酸化物質も含まれている。
試験管内研究では、桃は糖度が高いにもかかわらず血中コレステロール値を下げる働きをすることが示されている。「食品化学」誌によると、桃にはコレステロールと結びつく胆汁酸が含まれているという。結びついた後に体外に排出されるため、コレステロール値が急上昇することもない。
アンズに含まれるぶどう糖は少ない
アンズは桃やさくらんぼと種類的に似ているように感じられるが、アンズには糖分はほとんど含まれていない。USDAによると、アンズ1個に含まれる糖分はわずか3グラム強だという。たとえばアンズを1カップ食べると、糖分は15グラムほどになる。またアンズにはビタミンAや銅、マンガン、カリウム、ビタミンCが含まれている。
アンズの血糖インデックスは低い。つまり、食べても血糖値は急上昇しない。干しアンズには食物繊維が豊富に含まれているため、血糖インデックスはさらに低くなっている。さらに、ジャーナル・オブ・ファンクショナル・フーズ誌によると、アンズには抗酸化物質が多く含まれているため、糖尿病や脳梗塞などの病気を予防する効果もあるという。
ブルーベリーはに糖分がたっぷり
一般的に、ベリー類は他の果物よりもスクロースが少ない。しかしブルーベリーはベリー類の中でも最も糖分が多い。ブルーベリー1カップには15グラムの単糖が含まれており、一日に摂取することを推奨されているビタミンK摂取量の30%を含んでいる。
ただ、ブルーベリーを食べる時には単に糖分を摂取しているだけではないことを覚えておいてほしい。というのも脳に良い抗酸化物質も摂取しているからだ。米国疫学雑誌の研究では、ブルーベリーに含まれるフラボノイドは認知力の低下を減少させることが報告されている。ブルーベリーに含まれる抗酸化物質は脳にかかるストレスを取り除くため、脳がよく機能するのを助けてくれる。
ベリー類の中でもスクロースが少ないイチゴ
イチゴ1粒あたり1グラムの糖分が含まれているということから、イチゴは低糖質の果物であるかのように思われがちだ。だが、現実的に考えてみよう。イチゴを1粒しか食べない人なんてほとんどいない。そのため、イチゴは1カップで考えてみた方がいいだろう。そしてその場合の糖分は7グラムほどになる。しかし、これは他の果物と比較しても低い方ではなかろうか。
イチゴにはカリウムやビタミンCが豊富に含まれており、天然の抗炎症薬とも言える。ゆっくりと消化されるだけでなく、一緒に食べた他の食べ物の消化までゆっくりになる。英国栄養学ジャーナルの研究は、イチゴが消化をゆっくりさせるため、血糖値やインスリンを調節することができることを示している。
スモモは血糖値を改善する
スモモは高糖質な果物の仲間だ。1つのスモモにはおよそ8グラムもの糖分が含まれ、1カップあたりの糖分は倍量になる。世界糖尿病ジャーナルによると、スモモには糖質が多く含まれているにもかかわらず、血糖値の急上昇を引き起こさないという。事実、スモモは血糖値の調節を助けるホルモンを生成する。
さらに、スモモはメタボリック症候群に有効であるというエビデンスも示されている。2012年、テキサス・アグリライフ・リサーチの科学者らは、スモモは肥満を防ぐという研究結果を示している。スモモは血糖値を下げるだけでなく、メタボリック症候群に関連する炎症を減少させるという。
レモンは果物の中で一番甘くない
一般的に「甘い果物」と聞いて、レモンを思い浮かべる人はいないだろう。この酸っぱい果物は、他のどの果物よりも糖分が低い。レモンには2グラムのスクロースが含まれ、1カップあたりでもわずか5グラムになる。こうした理由から、レモネードには砂糖が必要なのだ!
米国糖尿病協会は、レモンに豊富にビタミンAやカルシウム、マグネシウム、カリウム、ビタミンCが豊富に含まれているために、レモンはスーパーフードだと位置づけている。レモンにはイチゴよりも糖分が含まれているなどという誤った通説もあるが、これは真実ではない。レモンはイチゴよりも糖分が少なく、食物繊維が多く含まれている。