今更聞けない?ネットフリックスで話題の”イカゲーム”、その舞台裏を公開
韓国発のサバイバルシリーズである"イカゲーム"を、まだ見ていないという奇特な方は、すぐにこのサイトを閉じてもう読まないようにして下さい。だって、見る前に内容を知りたくないでしょ?
ネットフリックスでオリジナルスリラードラマとして登場したイカゲームは、登場するや否や最も人気のあるドラマとしてランク付けされたのです。果たして、そのイカゲームに隠された舞台裏の秘密とは?ここで紹介された事実、あなたは何個知っていた?
世界のストリーミング記録を塗り替えたイカゲーム
イカゲームのデビューは、エンターテイメントの世界でも稀にみる成功を収めました。
それでも、まだ知られていない事実があり、今から舞台裏でのバックストーリーについて紹介したいと思います。
ドラマのコンセプトは、2008年にはもう出来上がっていたのです
ディレクターで、このドラマの制作者でもあるファン・ドンヒョク監督は、年齢50歳で、このドラマが成功したことをきっかけにスポットライトを浴びることになりました。それでも、ファン・ドンヒョク監督は、このドラマがヒットしたことにも、いまいち実感がわいていなかったのです。
ソウル出身のファン・ドンヒョク監督は、生まれ育った家庭環境がとても貧乏であり、いつも借金に苦しむ生活をしてきました。そのこともあって、このドラマのコンセプトを2008年には考えていたのです。
このドラマの脚本は、10年以上も制作会社に拒否されていました
脚本自体は、一年をかけて書かれ、2009年までには完成していました。でも、なかなかその脚本が日の目を見ることはありませんでした。
ファン・ドンヒョク監督の脚本は、制作会社に10年以上も拒否されてきましたが、2019年にようやくネットフリックスで取り上げられたのです。
テレビ放映するには、コンセプトが、あまりにも暴力的過ぎたのです
当時の状況では、あまりにもなじみがなく、過激すぎたのだろうと、ファン・ドンヒョク監督も当時をこう振り返っています。多くの人が、内容が複雑で、一般受けしにくいと考えていました。
結局約1年間、製作に向けて頑張ったのですが、ファン・ドンヒョク監督もこの脚本を諦めて、イカゲームの製作を2019年にネットフリックスで取り上げるまで、見送りにしていたのでした。
イカゲームは、本来映画として準備されていました。
イカゲームは、本来、映画として書かれたものでしたが、テレビシリーズにした方が、よりドラマのコンセプトを伝えることができると考えたのです。
ドラマ化することで、エピソードがつけられ、プレーヤーたちとドラマ内で起こる死のゲームの間の関係性をより具体的に描写することができたのです。
ジョンホの役は、本来の脚本にはなかった
テレビドラマとして脚本を書き換えることで、オリジナルの脚本にはなかったジョンホの覆面警察のようなキャラクターのサイドストーリーも追加することができました。
ジョンホは、結果的にメインストーリーにもかなり関わることになり、彼の役を演じたウィ・ハジュンも、よりシリアスな役どころも演じることができる俳優と評価されたのです。
テレビドラマのタイトルは、子供時代の遊びから来ている
イカゲームと言う名前は、ファン監督自身が子供のころに遊んだ遊びの中でも、人気のあったものから来ていると説明されています。
そもそもドラマのタイトルは、すぐに決まったものではなく、イカゲームよりしっくりくるタイトルがなくて、最初のころは、"ラウンドシックス"も候補にないってたのです。それで、ようやく“イカゲーム:プレイトゥーダイ”になったのです。
イカゲームの攻撃的な特徴は、現代の社会を反映している
ドラマの最終話でのゲームは、ファン監督によれば、一番野蛮なゲームで、でも一番お気に入りのゲームの一つであるとも述べています。
また、"現代の社会のイメージ"を一番反映しているこの子供の遊びが、この最終話のゲームで、国債が増え続けている韓国を表していることも述べています。
誰を主役にするか、ファン監督はすでに決めていたのです
ファン監督は、イカゲームがスクリーン化する前から、ギフンと、サンウの二人の主役を誰にするかを、すでに決めていたのです。その二人には、イ・ジョンジェと、パク・ヘスを選んでいました。
でも、ファン監督は、セビョック、イルナム、そしてアリなどの他のプレーヤーに関しては、あまり知られていない役者をオーディションで決めたいと考えていたのです。
セビョックには、韓国のスーパーモデルが 起用
ファン一番人気のセビョックには、韓国のスーパーモデルであるチョン・ホヨンが好演しました。チョン・ホヨンは、2013年の韓国の次のトップモデルは誰だ!にも出演していました。
チョン・ホヨンは、ヴォーグのカバーにも颯爽とに登場し、韓国でもっと美しい女性としても称賛されています。
チョン・ホヨンの最初のビデオオーディションは、ニューヨークのファションショーでウォーキングしているものでした
チョン・ホヨンは、セビョック役のオーディションを受けているとき、ニューヨークでモデルとして活躍していましたが、ファン監督は、ビデオオーディションを見て、セビョック役には、チョン・ホヨンしかいないと確信したのです。
チョン・ホヨンは、ビッグスクリーンで、華々しく女優としてのデビューを果たしたのです。
トリバティー・アヌファムは、インドから役者となるために韓国へ
アリを演じたトリバティー・アヌファムは、インドから韓国へ渡り、役者となるために経験を積んでいました。ファン監督によると、韓国で外国人俳優を使うことは、かなり難しいことだったのですが、アヌファムは、オーディションでアリ役を熱演し、韓国語も流暢に話し、役に完璧にはまっていたようです。
アヌファムの熱のこもった演技は、ドラマの中でもとても印象が深く、道徳観をテーマにした部分で象徴的な存在だったのです。
ジヨンのキャラクターは、初めは男の子だった
イ・ユミ演じるジヨンは、セビョックとパートナーを組んで、ビー玉遊びをすることになり、心理的攻防をすることになったのです。
ファン監督によると、ジヨンの役は、もともと男の子の設定だったらしいのですが、女の子の間の繋がりをフォーカスするために、設定を女の子に変えたのです。ジヨンと、セビョックの間の関係で、これが描かれています。
女の子型ロボットは、70年代、80年代の子供の本からデザインされたものなのです
第一話で登場した巨大なアニマトロにクスの殺人人形による"だるまさんが転んだ"は、チュルスとヨンヒという70年代、80年代に出版された韓国の人気の本をもとにしたものです。
この人形は、インターネトミームで、人気に火が付き、ソーシャルメディアで、この人形を目にしないことが難しいくらいです。
韓国で昔懐かしいカルメ焼き、タルゴナを作るのに本物の職人を雇った
第三話の"傘と男"では、タルゴナの型抜きが、第2ゲームとして登場します。映画製作者は、“カルメ焼き職人”を雇って、本物のタルゴナを使って、映画を撮影しました。
役者たちによると、本場のカルメ焼き職人が、撮影現場でカルメ焼きを作っていたので、撮影の丸3日間、ずっと甘い匂いが立ち込めていたそうです。
すべてのセットが、どでかいのは、故意にしたもの
エピソード毎にでてくる精巧に作られた遊具は、一つ一つデザインされて作られたものです。二段ベッドから、遊び場までにあるすべてのものは、プレイヤーたちに、まるで子供時代に帰ったと思わせるように作られていました。
そのため、セットの多くが、実際よりも大きく作られ、コンピューターグラフィック無しで、プレーヤーたちの横で大きく佇んでいるのです。
綱引きは、マシーンを使って撮影
特に、この恐ろしい綱引きゲームは、反対側の端から綱を引っ張るマシーンを使って撮影されました。
役者たちも、このマシーンのおかげで、綱引きのシーンが、危機感や疲労感が十分に加わったと感じ、一層現実味を帯びたシーンとなったのです。
ガラスの飛び石ゲームは、床から1メートルの高さの場所に作られた
死のゲームである"ガラスの飛び石ゲーム"は、役者の不安を煽るようにセットが組まれました。チョン・ホヨンによると、このシーンは、かなり怖かったようですね。
床から1.5メートルの高さの所に、強化ガラスのパネルが実際に敷かれ、役者たちもこれには、恐怖を感じたそうです。
リボン付きの棺は、ゲームマスターの権威の象徴
ゲームの敗者たちは、焼却室に連れていかれる前に、大きなリボンのついたエレガントに着飾れた棺に入れられて運ばれていきます。
ファン監督によると、ゲームマスターは、死という贈り物であっても、参加者に敬意を示すために、リボンのついたギフトスタイルの棺で搬送したかったようです。そうやってギフト型の棺を用いることで、いわゆる"神"的な権威を示したかったと言っています。
焼却場は、アウシュビッツがモデルとなっていた
もし、ギフト型の棺が、地下にある焼却室に送られていく様を不快に感じた人がいれば、それは、故意にそうしているのです。
ファン監督によれば、焼却室は、アウシュビッツの強制収容所をモデルとして作られたようですね。
撮影の間、役者たちも撮影の合間に、友情を深める
ファン監督は、スクリーン上で、どれだけいかに鬼気迫ったシーンが出せるか、役者たちと交流を深めていました。
その結果、役者たちもお互い、空いている時間でいろいろ交流を深めていったのです。チョン・ホヨンとイ・ユミは、女の子同士で、または、イ・ジョンジェとパク・ヘスも、とてもいい関係を築いていたようです。
アドリブも多くあり、NGが、結局ファイナルカットにもなった
イ・ジョンジェによると、何度も撮り直しをしたときは、特に、アドリブに自信が出るそうです。
イ・ジョンジェが一番印象に残っているのは、ギフンが、セビョックのコーヒーにストローを投げ入れようとすろシーンで、外してばかりいたところ、チョン・ホヨンが、噴き出して、結局、顔を隠してしまうというシーンです。まあ、それがファイナルカットとなったのですが。