クルーズ船の意外な事実?これを知ったらもう旅行は楽しめない?
これまでにクルーズ船に乗ったことがあれば、クルーズ船旅行の楽しさについてはすでにご存知でしょう。海上でも乗客に最高の体験をしてもらおうと、クルーズ船は常にアトラクションやエンターテインメントを改善し続けています。
しかし、時に、クルーズ船旅行の広告は誤解を招くこともあります。もちろん、中には予想以上に巨大で豪華な船もあるでしょうが、たいていの場合、閉所恐怖症になりそうなほど船や部屋の規模も小さい上、パッとしないエンターテインメントでガッカリすることも多いのです。今回は、クルーズ船旅行に隠された真実をご紹介しましょう。
さぁ、乗船だ!-私たちの想像するクルーズ船
ともすると、これが旅行で一番ワクワクする瞬間かもしれません。あなたは旅行のために、電子機器やお気に入りの服、クルーズ船で必要になるかもしれないと思うものをすべてスーツケースに詰め込んで、準備を万端に整えます。
そして船を目にして、想像した通りだと息をのむことでしょう。目の前にあるのは、波止場とエレベーター、階段といったところでしょうか。しかし現実は、そうではありません。
さぁ、乗船だ!-実際のクルーズ船
実際には…数ヶ月も心待ちにしていたクルーズ船を横目に、1時間近くも列に並んで待たなければなりません。そう、まるで3歳児の目の前にアイスクリームをぶら下げているかのようです。
乗船手続きには、ものすごく時間がかかります。ディズニーランドでの待ち時間が長すぎるって?それなら、乗船手続きのために列に並んで待ってみましょう。
私たちの想像するスパ
クルーズ船の最上部にある温水プールほど、テンションが上がるものはありません。ネオン色に光る照明に、立ち上る湯気を想像してみましょう。広い温水プールで足を伸ばして、さぞかしリラックスできることでしょう。
また、デッキにいる他の乗客らが楽しんでいる様子を見ながら、水中エアロビクスを楽しむことだってできるでしょう。しかし、現実はそうではありません。
実際のスパ
クルーズ船の温水プールは、第4作目のハリーポッター映画と同じくらい拍子抜けするものです。さっき、足を伸ばしてリラックスできると想像していたのを覚えているでしょうか。現実は、まったくもって異なります。
温水プールは、まるで「他の人に触れることなく、この小さなプールに一体何人入れるか、やってみようゲーム」のようです。もし、クルーズ船の最上部にある温水プールに入るのが夢だから、という理由でクルーズ船旅行に行くのであれば、ガッカリしてしまうかもしれません。
私たちの想像するプール
クルーズ船のプールと言えば、たいていの場合、クルーズ船の最大のセールスポイントになっています。温水プールと同じで、クルーズ船のプールにいる自分を思い描くとき、ウォーター・スライダーのついたプライベートビーチのようなプールを想像することでしょう。
クルーズ船の最上部はまるでウォーターパークのようになっていて、列に並ぶこともなく、まるで自分だけのもののような贅沢な時間を過ごせるのです…。いやいや、現実は違います。
実際のプール
そう、クルーズ船の乗客みんなが同じことを考えています。クルーズ船のプールは大人気で、常に混み合っている上、たいていの場合、想像しているよりも小さいのです。
クルーズ船の中にはプールが何か所かにあることもあります。そうすることで、1つのプールにみんなが集中しなくて済むからというのが理由です。しかし、決して期待していたほどではないでしょう。プールの浅瀬側で他人の子どもにおんぶして、とせがまれることもあるかもしれません。子どもが好きな人は構わないかもしれませんが…。
私たちの想像するバスルーム
繰り返しになりますが、これまでにクルーズ船に乗ったことがなければ、一体バスルームがどんなものか想像できないかもしれません。おそらく、これまでに泊まったことのあるホテルのバスルームとは違うのではないかと思いつつも、さて、どんなものを頭に思い浮かべるでしょうか。
カウンターは大理石でできているのでしょうか。クルーズ船の最上部の温水プールの夢を捨てきれないから、やっぱり、ジャグジー用のバスタブ?
実際のバスルーム
残念ながら、実際のバスルームは想像したものとはほど遠いと言えます。大理石のカウンターなど、どこにもありません。第一次世界大戦の戦禍をなんとかまぬがれたに違いないと思わせるような、古びたバスルームしかないのです。
クルーズ船旅行を予定していて、バスルームがどんなものか知りたいのであれば、ユースホステルなどで見たことのあるバスルームを想像するといいでしょう。もちろん、この写真よりはきれいなバスルームもあるでしょうが、期待のしすぎはよくありません。
私たちの想像する海の景色
海の景色は、クルーズ船旅行に行く年配層に大人気です。青い海に乗り出せば、イルカの群れが見えるのではないかと心も踊ることでしょう。シーワールドなどの水族館ではなく、野生のイルカが見えるかも!と。
おそらく、海の生き物が集まるエリアを通るクルーズ船旅行は、ホエールウォッチングツアーのようなものだと思っているでしょうか。残念ながら、これも違うのです。
実際の海の景色
クルーズ船で見る海の景色について、その現実はと言うと…文字通り、何もない開けた海を延々と見ることになります。クルーズ船の乗客はとかく忘れがちですが、海はかなり広く、毎日何時間か、海の生き物が客のためにアクロバティックなショーをしているわけではないのです。
なので、海、水、海以外には何もないことに慣れておきましょう。悪いニュースで申し訳ないですが…。
私たちの想像するクルーズ船スタッフの生活
クルーズ船で生活して給料をもらうなんて、まるで夢のようだと思うでしょうか。クルーズ船旅行で興奮している乗客とやり取りして、さらには航海中に美しい目的地を見ることができるのですから。まるでフライトアテンダントさながらです。
そう、クルーズ船で働くなんて、夢のようだと思われるかもしれませんが、実際にはそれほどいいものではありません。
実際のクルーズ船スタッフの生活
乗客用のベッドルームがまるで刑務所の独房のようだと思うのであれば、スタッフの部屋を見てみるといいかもしれません。スタッフ用の部屋はさらに小さく、部屋が小さいために二段ベッドなどが置かれています。
勤務時間が長時間である上、船が目的地に着いても、ゆっくりと上陸することもかないません。クルーズ船での勤務というのは、豪華や自由とはまったくかけ離れていると言っても過言ではありません。
私たちの想像する目的地
クルーズ船旅行を申し込むときに忘れてしまいがちですが、美しい土地を訪れることこそ、クルーズ船旅行を予約する1番の目的です。クルーズ船旅行の目的は、1週間食事などすべてが用意されている船上生活を送るためだけではありません。
確かに、船の上で過ごす時間は楽しいでしょう。しかし、あちこちに上陸して見知らぬ街を楽しむことこそ、ワクワクするものなのです。ただ実際には、クルーズ船が行きつく場所の中には、大失敗とも言える場所もあります。
実際の目的地
島に毎日のようにクルーズ船が来港することによって、その島が汚染されていることを多くの人は忘れています。つまり、すべての島の景色が美しいというわけではないのです。
クルーズ船旅行に申し込もうと考えているのであれば、クルーズ船が停泊する島々についての情報を集めておきましょう。旅行会社が用意しているイメージ画像などに頼り過ぎないことも大切です。
私たちの想像するパフォーマンス
クルーズ船での旅行中、船内で行われるコンサートなどのエンターテインメントに驚かされることがあります。1日の終わりに行われるエンターテインメントは、クルーズ船で最も重要なイベントとも言え、クルーズ船旅行会社は有名なパフォーマーを呼ぶのに多くの費用をかけています。
レディー・ガガやテイラー・スウィフト、ラスカル・フラッツやマドンナなど、世界で最も有名な人たちもクルーズ船でパフォーマンスをしています。しかし、プロのパフォーマンスを見ることができたなら、それはものすごくラッキーなことなのです。
実際のパフォーマンス
もしも、こうした名だたる有名人のパフォーマンスをクルーズ船で見れるなら、もうそれは、一生に一度あるかどうかといった素晴らしい経験になることでしょう。クルーズ船旅行に申し込む前に、一体どんなパフォーマーが登場するのかを確認しておくことも大切なことです。さもなければ、1週間もの間、酷いパフォーマンスを見てガッカリということもありえるのですから…。
この写真のパフォーマーは明らかにテイラー・スウィフトやマドンナではありません。一生懸命さは伝わってきますが…。
私たちの想像する船酔い
クルーズ船やボートに乗ったことがなければ、船酔いとはどんなものなのか、想像もつかないかもしれません。フェリーであれ、クルーズ船であれ、ゴムボートであれ、ヨットであれ、船酔いしてしまう可能性は常にあるのです。
オンラインで予約しているときには、船酔いのことなど考えもせず、クルーズ船は楽しいことばかりだと思っているかもしれませんが、実際に広い海に出て船に酔ってしまったなら、それが楽しいだけではなかったと気づくでしょう。
実際の船酔い
実際、船酔いは非常に辛いものです。ひとたびクルーズ船に乗ってしまえば、海の波から逃れられる場所などないのですから。
船酔いをした人は、たいていの場合、トイレに駆け込むようになります。波が高かったがために、乗客の多くが船酔いしてしまって台無しになったクルーズ船旅行も少なくありません。そうなってしまったら、本当に大変です…。
私たちの想像する天気
クルーズ船旅行中の天気と言えば、誰もが気になっているものの実際には考えたくない重要な問題です。熱帯地方へ向かう旅行のみならず、クルーズ船旅行は必ず天気に左右されるからです。
それにもかかわらず、旅行会社の広告はいつも、パーフェクトな天気を背景にしたクルーズ船のイメージを植え付けています。確かに写真としては晴れた天気の方が魅力的ですが、クルーズ船旅行中に天気にずっと恵まれず、旅行全体が台無しになる可能性もあるのです。
実際の天気
そう、母なる自然は、いつもクルーズ船の宣伝写真通りというわけではありません。あなたや家族の特別な旅行のためだけに、天気を調整してくれることなどないのですから。せめてクルーズ船旅行の日には晴れてほしいと願いたいところですが、こればかりはどうすることもできません。
たとえば、熱帯暴風雨に見舞われてしまえば、どんなに温水プールが温かくても意味はありません。なにせ、豪雨の激しさでほんの1.5メートル先も見えなくなってしまうのですから。海の真ん中で嵐にあったことがない?この先もそうだったらいいですね…。
私たちの想像する食事体験
プロが撮影し、ウェブサイトに載っている美しい料理の写真のせいで、クルーズ船の食事のイメージがゆがめられていることがあります。美味しそうな料理が大量に並び、そこから選べるというのは、クルーズ船旅行の中でも乗客が最も楽しみにしていることでしょう。
写真を見ると、3つ星レストランで出されるような最高級の食事が並んでいます。異国情緒あふれる料理がきれいに盛り付けられたビュッフェテーブルの前で「これ、なんていう名前の料理ですか?」と聞きたくなることでしょう。
実際の食事体験
前述の夢のような食事体験は、ある程度本当のことかもしれませんが、ここで覚えておきたいのは、クルーズ船では1日3回、多くの客に食事を提供しなければならないということです。つまり、多くの客に大量の食事を提供しなければならないため、その品質が落ちてしまうということもあるのです。
ものすごく高額なクルーズ船に乗っている場合を除いて、1週間以上もの間、80%以上の食事はカフェテリアのようなビュッフェになっていることでしょう。さぁ、心の準備をしておきましょう。
私たちの想像する乗客の年齢層
クルーズ船旅行に行く理由の中でも、最も魅力的なのは、人との出会いです。自分と年が近い人々に出会い、話をしたり聞いたりするなんて、考えただけでも本当にワクワクします。
もし、あなたが20代か30代であれば、他の乗客は自分より5~6歳年上か年下ではなかろうかと想像することでしょう。悪いニュースをもたらすのは申し訳ないのですが、実際は…。
実際の乗客の年齢層
さて、ここで問題なのは、クルーズ船旅行に誰が参加するかなど、乗客の誰にも管理できることではないということです。(より高額で)何かしら特徴のあるクルーズ船に申し込んだのではない限り、おそらく何の共通点もない人々とクルーズ船旅行を過ごすようになるでしょう。
それの何が悪いというわけではありませんが、一生の親友ができるのではないかと夢を抱いているのであれば、その親友は、あなたと年が近い人ではない可能性の方が高いのです。
私たちの想像する船
この写真の船に見覚えがありますか?それはおそらく、この船が旅行会社のウェブサイトでよく使われている最も一般的なモデルだからでしょう。その理由は明らかです。この船は大きくてきれいだからに他なりません。
この美しい船を見ると、誰もが明日にでも乗船して美しい南の島へ旅行したいと思うでしょう。しかし実際には、すべてのクルーズ船がこの写真の船のようにきれいで輝かしいものではないのです。
実際の船
はい、はい。クルーズ船がこんなに豪華なわけない?ちゃんと現実を分かってるって?(もし、前出の写真のような豪華な客船に乗れると信じているのなら、なんて世間知らずなのでしょう。)私たちは単に、世間によくあるクルーズ船の中にはひどいものもあるという事実を伝えたいだけなのです。
一般的に信じられているものとは違って、世界には息をのむほどに豪華なクルーズ船から、クルーズ船と呼ぶのも残念な程度のクルーズ船まで、本当にピンからキリまであるのです。
私たちの想像する船長
海にまつわる映画を見たことがあれば、船長というのはとても重要な役割を担っていることはすでにご存知でしょう。クルーズ船の良し悪しは、船を任されている船長にかかっていると言っても過言ではないほどです。
ある地点AからBへと行こうとしているのに、船長がAからZへ、つまりまったく別の場所へと舵を切ってしまえば、おそらく旅行は散々なものになることでしょう。時には、船長もまた、1人の人間なのだということを覚えておかなければなりません。
実際の船長
多数の乗客を乗せて大海原へと舵を切る船長は、常に責任感のある、頼れる人だと思いたいところですが、残念ながら、実際にはそうではないこともあります。
この写真のクルーズ船は沈没してしまいましたが、このクルーズ船の船長は、乗客の安全を確保してあげる代わりに、乗客を船に残したまま自分だけ救命ボートに乗って逃げたのです。これはイタリアで実際に起こったことですが、こうしたこともあることを心にとどめておいてください。
人が知らない、クルーズ船スタッフの生活
宿泊費や食事代を払わずに世界を旅行したいですか?もちろん!と答える人の目には、クルーズ船の仕事は魅力的に映ることでしょう。しかし、クルーズ船での生活には、誰も知らない側面もあります。乗客がプールでくつろいだり、食べ放題のピザを口いっぱいに頬張っている間、乗客のあらゆるニーズにこたえるべく働いている人がいるのです。そう、客室のベッドに飾られているハンドタオルで作られた動物は、どこからともなく現れたわけではありません!
クルーズ船は言うなれば、海に浮かぶホテルです。そして、接客を伴うサービス業は決して容易い仕事ではありません。クルーズ船スタッフに応募する前に、元クルーズ船スタッフが明かす舞台裏の秘密について読んでおきましょう。
常に監視カメラが
主要なクルーズ船会社でウェイターをしていたギャビンは、『ビッグブラザー(小説1984に登場する支配者)』の世界は実在した、と語っています。つまり、文字通り監視カメラが船内のあちこちに設置されているのです。これは海のど真ん中に巨大な船が浮かんでいることによる、安全上の理由からです。タイタニック号の悲劇が再び繰り返されることはなさそうですが、乗組員らは非常時にはセキュリティカメラの映像を確認しなければなりません。。
「一歩客室を出れば、必ずどこかのカメラに映っていると考えた方がいい」とギャビンは言います。「非常事態があれば、いつでもセキュリティカメラの映像を引っ張り出して見れるのだから。」
二重生活を送るクルーズ船スタッフも
一年のうちのほとんどを家からだけでなく、世間からも離れて過ごすのだから、何らかの秘密を隠して生活を送るのも比較的簡単です。こうした理由から、多くのクルーズ船スタッフは二重生活を送っていることも少なくありません。家に配偶者がいるのに、船上では違う人とカップルになっている人も珍しくありません。ひとたび海に出てしまえば、結婚式の誓いなど効力を失ってしまうようです。
世間から離れているために、普段の「こうあるべき自分」ではなく、自分らしくありのままに生きるチャンスを得られるのでしょうか。
世間から離れて
お気に入りのテレビ番組のことなんて、忘れてしまいましょう。クルーズ船で働いていると、日々のニュースでさえも分からなくなります。ファンであるスポーツチームの勝ち試合を見られないのは残念ですが、テレビを見ることが不可能なこともあるのです。海上でのインターネット接続はものすごく高くつくばかりでなく、とても不安定で遅いのです。
しばしば、船がどこかに着岸したときにニュースを見れることもありますが、上記のような理由から、クルーズ船で働くスタッフはニュースやスポーツ、流行りものなどを追わない傾向にあるようです。
乗組員らは隠語を使う
乗組員らは、乗客を不用意に驚かせたくありません。乗客らは休暇を過ごしているわけですし、ちょっとした非常事態であっても、それが乗客に関係ないのであれば、すべてを知らせる必要はありません。たとえば、船で小さなボヤがあったことを乗客に知らせると、どんなパニックが起こるかなど簡単に想像できます。そう、大変なことになります。そのため、乗客らを不安にさせずに乗組員同士がスピーカーを使って連絡が取れるよう、乗組員らは隠語(暗号)を使っています。
たとえば、「コード・アダム」とは行方不明の子どもがいる、「コード・アルファ」は救急患者がいる、「コード・オスカー」は船から転落した人がいる、「コード・ブラボー」は船上で火災が発生した、という具合です。2006年、真夜中にスター・プリンセス号で火災が発生したときには「コード・ブラボー」が使われました。結局、火元は誰かが投げ捨てた吸い殻が原因だったと考えられています。
スタッフ、乗客よりもよく遊ぶ?
「よく働き、よく遊べ」、このモットーはクルーズ船で働くスタッフにピッタリと言えます。勤務時間外は、おそらく飲んだり踊ったり、どんちゃん騒ぎをしていることでしょう。実際、スタッフにはものすごく安くお酒が飲める「スタッフ専用」のバーも特別に設けられています。
たとえば、クルーズ船で一般的におよそ1,600円ほどで販売されている酒も、スタッフ専用バーであれば、200円ほどで買えます。スタッフらは本当によく遊びますが、気を付けなければなりません。というのも、いつもではないけれど、たまにスタッフに抜き打ちで飲酒やドラッグの検査が行われているからです。
乗客と深い関係になることはできない
クルーズ船で働いている間に、ちょっとしたアバンチュールを求めているのであれば、その相手に乗客を選んではなりません。クルーズ船スタッフは、乗客と親しい関係になることを禁じられていますが、簡単にクビになってクルーズ船から追い出される理由の1つでもあります。実際、匿名のクルーズ船スタッフによると、スタッフは乗客と1対1でやり取りしないようにと言われているようです。
こうすることで、クルーズ船会社は評判を下げる事態を防ぐことができます。もしこのルールを破ったところを見つかったなら、次に着岸したときにクルーズ船から下ろされてしまうのです。
禁欲とは正反対
クルーズ船スタッフは乗客を誘ってはいけないからといって、航海中ずっと禁欲しなければならないというわけではありません。実際、禁欲とは正反対と言えるでしょう。スタッフはしばしばスタッフ同士で盛り上がり、深い関係になることがあるからです。考えてもみてください。スタッフはほぼ1年間、世間から離れて同じ仲間と仕事をしている上、ロマンチックで異国情緒漂う場所にいて、酒もたくさんあるとくれば、そう、情事も起こりやすいのです。そして、匿名のスタッフによれば、こうしたことはよくあるようです。
「スタッフ同士が寝たりすることなんて、よくあることです。スタッフ同士のパーティーもしょっちゅうですし。」と、匿名のスタッフは語っています。あまりにも頻繁であるために、スタッフだけが寝泊まりするエリアには性感染症予防のポスターが貼られているほどだとか。
スタッフ、乗客にいたずらをしかけることも
海の上では、時に退屈してしまうこともあります。そんな退屈さを紛らわすために、スタッフは乗客にいたずらを仕掛けることもあります。いたずらといっても罪のないものばかりです。さもなければ、乗客を怒らせてクビになってしまってはいけませんから。
匿名のスタッフがメンタル・フロスに語ったところによると、「私のお気に入りのいたずらは、乗船客がくつろいでいるエリアなどで、わざとみんなに聞こえるくらいの大きな声で、他のスタッフに『じゃ、今晩ボーリング場でね!』というものです。もちろん、艦内にボーリング場などありません。その後、乗船客から『どうしてスタッフだけボーリング場が使えるのですか?』といったコメントカードが届くんです。」あぁ、おかしい!
クルーズ船チケットのお得な買い方
クルーズ船はスタッフを配置し、満員の乗客を乗せて出航する準備をしています。つまり、チケットがすべて売り切れず、船室に空きが出た場合、クルーズ船会社は損をしているのです。こうした時には、安い価格でクルーズ船のチケットを買うチャンスです。
たとえば、1~2ヶ月前に旅行の予約をしても都合をつけられ、さらに部屋にバルコニーがついていなくても構わないというのであれば、出航前のセールでお得にチケットを買えます。クルーズ船のメーリングリストに登録して、こうしたお得情報を見つけましょう。他にも、狙っているクルーズ船旅行のチケット最終支払日の1週間後にウェブサイトに行ってみましょう。「予約を入れるフリ」をすることで、どの客室が安くなっているかを見ることができます。お得なチケットが入手できるのはこの時です。
スタッフ、それぞれのグループに分かれる
クルーズ船はまるで高校のようです。1つの大きなグループでみんながワイワイするというよりは、それぞれの船に小さなグループが複数あると言われています。多くの場合、スタッフは世界のあちこちから集まっているため、出身地ごとにグループが分かれています。スタッフは自分たちのグループを「マフィア」と呼び、それぞれのグループに特徴があります。
たとえば、元クルーズ船スタッフはメンタル・フロスに自身が乗っていたクルーズ船の「フィリピン人マフィア」は、バー閉店後(スタッフ専用バーは午前1時か2時に閉店)にもお酒を確保していることで知られていたと語っています。もちろん、フィリピン人マフィアは高値で他のスタッフにそれを売っていたのでしょう。
非常事態、気持ち悪い事態になることも
誰もが聞いたことのある都市伝説に、クルーズ船で悪くなったエビが出されたために酷い食中毒が起こり、船中の人が嘔吐し続けたというものがあります。これは滅多に起こりませんが、あり得ないことではありません。実際に、こうしたことが起こっています。
2013年、カーニバル・クルーズ船はエンジン室の火災のせいで停電になりました。乗客を乗せたままクルーズ船がメキシコ湾に立ち往生してしまい、下水が逆流し、床中に下水がたまってしまったのです。あまりの臭いの酷さに、乗客は臭いのこないエリアのテントに避難しなければならなくなりました。なんてこった。
スタッフすべてに同じ部屋が与えられるわけではない
クルーズ船のスタッフに、自分だけの贅沢な船室が与えられることはありませんが、クルーズ船での職務によってどんな部屋が割り振られるのかが決まります。クルーズ船の船長や正社員にはAデッキ(日が当たる場所)に個室が与えられます。ロイヤル・カリビアン・クルーズで勤務した経験を持つアンソニー・アンドリューによると、ほとんどのスタッフの生活環境はそこまで良いものではないようです。
「生活環境は『厳しい』ですね。部屋はクルーズ船の底の方にあるので、日が当たることはありません。部屋には窓もありませんし…。小さな二段ベッドがあるんですが、1人がやっと横になれるくらいの狭さです。(やってみたのですが)他の人を連れ込むことなどできません。部屋の大きさがどのくらいかと言うと、部屋の真ん中に立って手を伸ばせば、四方の壁すべてに手が届くくらいなんです。およそ1平方メートルもないくらいだと思います。」
スタッフは海賊の攻撃に対処するための訓練を受けている
今日、ほとんどの人が海賊などいないと思っていますが、実は、未だにいるのです。海賊が巨大なクルーズ船を乗っ取ることなど滅多にあることではありません(考えてみても、多勢に無勢です)が、実際に起こったときのために、クルーズ船スタッフはどのようにして対応するかの訓練を受けています。
プリンセス・クルーズやオセアニア・クルーズのようなクルーズ船会社は、スタッフに訓練を実施し、有事の際には乗客に窓から離れるように誘導し、侵入者に放水砲を浴びせるように教育しています。巨大なクルーズ船から放たれる放水量は大量で、小さな海賊船であればひっくり返してしまうほど強力です。中には、長距離音響装置を使って、耳をつんざくような大音量を出して海賊の攻撃を阻止するクルーズ船もあります。実際に、2005年、とある豪華客船は長距離音響装置を使用して、アフリカ沿岸で遭遇した海賊船からの攻撃を逃れることができました。
スタッフは、クルーズ船会社の所有物…?
元クルーズ船スタッフのブライアン・デーヴィッド・ブランズは、カーニバル・クルーズ・ラインで契約満了まで働いた初めてのアメリカ人として、2015年に『クルーズ船の秘密』という暴露本を出しています。
ブライアンは、クルーズ船での勤務の中で最も嫌だった部分について、「仕事の中でも最も嫌だったのは、会社の『所有物』であるかのような扱いを受けたことでしょうか…。何を食べるか、いつ食べるのか、いつトイレに行けるのか、船室の温度に至るまで、すべてを管理するんです。」と述べています。やれやれ。
スタッフ、残りものを食べている
クルーズ船スタッフは、食物連鎖の中でも最下層にあたります。つまり、使わなかった食材などの余りものが彼らの食事になるのです。内容は、高校のカフェテリアの食事と似たような感じですが、時にはそれ以下になることもあります。キッチンで働くスタッフは、限られた材料しか使えないためにクリエイティブになるかもしれませんが、それでもいつも変わったものばかりを食べたいとは思わないでしょう。いつも山羊の足シチューなど変わったものを食べないといけないと想像してみるとお分かりいただけるでしょう。
中には、乗客が食べなかった残りものを食べれる幸運なスタッフもいます。勤務時間が終わって、乗客に出した美味しいビュッフェで残ったものを食べられるのです。長持ちしないので、その場でその時に食べる分だけですが…。
クルーズ船スタッフ、奇妙な要望を受けることも
サービス業界で働く人は、奇妙な話をたくさん知っています。どんな状況に出くわすか分からないため、何にでも対処できるように心の準備をしておかなければなりません。クルーズ船スタッフは乗客から変わった要望を受けることに慣れています。USAトゥデイ誌によると、とあるクルーズ船スタッフは、船上で若いカップルから奇妙な要望を繰り返し受けたと話しています。この時点で、これは特段驚くことでもありません。
「若いカップルが『大人用にタオルで動物を作ってくれませんか?』とか頼んでくることもあります。そのカップルは何か卑猥な感じのするものを作って欲しいんだと思います。」こうした時には、「申し訳ございませんが、私にはできかねます。」と答えるようにしているのだとか。
結構チップをもらえる
バーテンダーと同じように、クルーズ船スタッフの多くも客からのチップで現金を得ています。陽気で快活な性格でもない限り、チップで荒稼ぎすることはできないかもしれませんが、心配することはありません。ほとんどのクルーズ船会社は客にある程度のチップを徴収していて、それを全従業員に配分しているのです。
実際、もらえる金額はそこまで悪くはありません。スタッフの多くは家族に送金し、貯金をしています。船上では生活する上で特に費用がかかるわけでもないので、生活費を抑えるのも簡単です。少しずつの貯金でも、塵も積もれば山となるのです。
連続勤務で休みの日はなし
あなたが週末を楽しむタイプの人なら、クルーズ船で働くのはやめたほうがいいでしょう。ほとんどのスタッフは1日として休みがないのです。たいていの場合、スタッフは9ヶ月連続勤務の契約をしています。
とは言え、9ヶ月連続勤務はそこまで酷いものではありません。毎日の勤務ですが、交代制を取っています。そのため、丸々1日の休みはなくても、毎日数時間ずつ休むことができるのです。契約が終われば、2ヶ月丸々休暇がもらえます。2ヶ月間も休暇があれば、色々とやりたいことができるのではないでしょうか。
置いていかれることも
クルーズ船旅行の醍醐味の1つは、航行の途中で知らない土地を散策することです。着岸した美しい都市を見て回りたくない人などいないでしょう。乗客(と数時間休憩がもらえたスタッフ)は好きなように都市を散策できますが、時間内に必ず船に戻ってこなければなりません。クルーズ船はたとえあなたが戻っていなくても出発時間に出航するからです。
クルーズ船は、所定の時間を過ぎて港にとどまっていると、多額の罰金を課されるのです。そのため、あなたが船に戻っていないからといって、待つことはできません。出航時間を逃してしまえば、自己責任に他なりません。気をつけて!